急転直下
「良い話と悪い話がありますが、どちらから聞かれますか?」
「え~と、では良い話から」
解決したんでしょ?
その上で良い話って何だろ?
「今回の事態は周辺の領主も警戒していたようです。
そして王にも進言をしていたらしく、我々からの知らせを受けてすぐに進軍し越境しました。
領主は諦めてすぐに投降したそうです。
そして今回の事を調べ知らせた私達に、褒美を取らせると知らせが来ました」
「は、はあ。おめでとうございます」
「私達と言ったでしょう? 貴方も含まれてますよ」
「俺もですか?!」
「当然です。立案したのはタクヤさんなんですから」
良い事か?
あまり嬉しくないな。
王にも話が行ってるとなると、褒美も王様からになるかもしれない。
謁見とか、無理だから。
「それで、悪い話ってのは?」
今のがある意味悪い話だと思うが。
普通に暮らしてる人達からすれば、名誉な事で喜ばしいんだろうけど。
「悪い話は、簡単です」
「簡単ですか」
「そう。いつものですよ」
「いつもの? …………ま、まさか」
「そうです。盗賊の一部は逃げ出しました。
立案したのが我々と知られてるようなので、逆恨みされてると思います」
出た! 逆恨み!
盗賊は逆恨みしなきゃならない決まりでもあるのか。
自分勝手だな!
って自分勝手じゃなければ、盗賊なんかしないか。
「と言う事で、褒美の為に王都に向かわなければならなくなりました。
タクヤさんはどうされますか?」
「どう、とは?」
「ここで別れるも良し。その場合、立案は私がした事にしておきますよ」
それはありがたい話だが。
でも逆恨みされてるんでしょ?
残ったら狙われないか?
商人さんと一緒に王都に行くなら、あの護衛の人も一緒だ。
道中に危険は無いだろう。
その代わり、王都に行く事になるが。
う~ん、どうしよう。
良し。同行しよう。
で、途中の街で別れればOKだろう。
「決めました。同行しますよ」
「そうですか。判りました。では今から出発します」
「今から?! もう夜ですよ?!」
「大丈夫です。途中に他の領主の軍が来ていますので、そこまで行くだけですので」
軍が居るのか。
なら盗賊に襲われる事もなさそうだね。
しかし、もう少しここのダンジョンに行ってみたかった。
それに街中も探索してないし。
相変わらず、逆恨みで街を出るとか。呪われてるんだろうか?
同じテンプレでも、またクリアにしてくれたら良いのになぁ……。
64話が割り込み投稿してあります。ご注意ください。
それに伴い、昨日67話目も投稿しています。
次話は9日の17時に投稿します。




