10%
もしやと思い、部屋に帰りステータスを確認してみた。
やったぜ! クリアしたイベントの数が16になってる!
やっぱり米はテンプレだよなぁ。
で、獲得した能力は……ん? 増えてない?
そ、そんなバカな?! 絶対に増えているはずだ。
あっ! 判った!
取得経験値ってのが5%から10%にUPしてる!
…………え~と、やっと10%ですか。
経験値10のモンスターを倒して、得られるのが11になっただけですか。
10未満のモンスターを倒しても、増加分は無しですね?
くっ! せめて50%にはして欲しい!
多分、今後クリアした場合に、20%とか30%とか出てくるんだろう。
先は長い……。
がっかりしたので部屋でゴロゴロしていると、ノックされた。
誰だろ? あっ、商人さんですか。
「フォックスさんをお借りしたいんですけど、よろしいですか?」
「ええ。良いですけど。どうしたんですか?」
「このまま取引を終え、逃げるように街を出るのもアレなので。
少し盗賊の事を調べようと思いましてね」
「えっ?! どうせ出て行くのに、わざわざ調べるんですか?!」
「そうです。こういう所にはね、実はビジネスチャンスが転がってる物なんですよ」
「そ、そうなんですか……」
商魂たくましいとは、正にこの事だな。
まぁ、盗賊の居場所でも判明すれば、それだけで褒美が貰えるかもしれないし。
盗品をゲット出来れば、大儲け出来るかもしれないし。
盗賊を捕まえでもすれば、報奨金も貰えるだろう。
「あっ、そう言えば俺も少し聞きましたよ。
何故か盗賊は入ってくる者達は襲わないらしい。出て行く者達が狙われてるらしい。って」
「その情報は私も聞いています。
多分すぐに通報されないようにだと思いますが」
「どういう事ですか?」
「次の街に向かう者が襲われた。どちらに行くにも同じだけ時間がかかる。
その場合、先に進む事の方が多いのです」
「戻らないんですか? それに違う領内では捕まえてくれないんじゃないですか?」
「盗賊の出る領内には戻りたくないでしょう?
隣の領に行き、兵に報告する。領主まで話が行きますから、領主同士で話して貰うのです」
ふ~ん。そうなのか。
日本の場合、警察も縄張り(?)があって、他県まで追いかけないってのがあったような。
場所が変われば、やり方も変わるね。
あっ、場所どころじゃ無かった。世界が違うんだった。
そんな事を考えてたら、今度はタヌキと直接交渉し始めた。
「フォックスさんなら森に居ても誰も警戒しませんから。少し調べてもらおうと考えました」
「でも近郊じゃあ何も発見出来ないかもしれませんよ?」
「成果が無くても良いのですよ。その場合はさっさと街を出ます。
成果の無い道は他の道よりも安全でしょう?」
「発見出来なかっただけかもしれませんよ?」
「情報が何も無いよりマシです。少しでも安全なルートの方が良いですし」
色々考えてるねぇ。
確かに、誰も調べてない道とタヌキが少しでも調べた道。
どっちが危険度が低いって考えたら、当然調べた道になるよな。
それが例え危険度100%が90%になった程度だとしても。
「判りました。行ってみます」
「ではこのバスケットに入って下さい。出入りを見られてはマズいので」
ああ、少なくとも兵士には見られてるからね。
もし、兵士の中に内通者が居れば、タヌキが出掛けたとなれば警戒するだろう。
いつものようにベレないようにして出て行くのね。
って、そのバスケット、完全にタヌキ専用じゃないか。
中に食べ物や飲み物、タオルまで敷いてある!
快適そうだ!
タヌキはピョンとバスケットの中に飛び込んだ。
「じゃあ行ってきます」
「おう。ガンバレよ」
さて、タヌキも居なくなって部屋に一人。
こういう場合どうするか……うん、昼寝しよう。
次話は4月1日の17時に投稿します。




