計画通り
俺の努力(?)の結果、兵士が数人やってきた。
今は刺客と戦っている。
兵士の人には「短剣には毒が!」と言ってあるので、少し苦戦しているが程なく逮捕するだろう。
俺はその間にお嬢さんを救出。
麻袋を担いで移動。
ちょっと悪いな~とは思ったけど、その場で出すなんて悠長な事してられないからね。
移動した先で袋から出してあげる。
出てきた時は怯えていたが、タヌキを見て安心。
あれ? 俺って疑われてた?!
「貴方はフォックスちゃんの飼い主の方ですね?」
「そうです。助けに来ました」
「あ、ありがとうございます。す、すみません……」
「えっ?? 何で謝るんです?」
「貴方も誘拐犯の一味かと……」
「違いますよ!
えっと、今日も孤児院に行こうと歩いてたら、たまたま誘拐の現場に出くわしたのです。
なので慌てて追いかけたんですよ」
「あの、途中で聞こえたピーピーという音は?」
「あれは私が開発した笛で、ホイッスルと言います。
結構大きい音がするので、鳴らすと目立つでしょう?
誘拐犯は密かに移動しようとしていたので、目立たせようと思い吹いていました」
「そうなのですか。ありがとうございます」
良かった。納得してもらえた。
貴方が誘拐されるのを知ってたので、ホイッスルを用意してました。なんて言えないもんな。
そのままお嬢さんを伴って孤児院まで戻る。
タヌキを先頭に、お嬢さん、俺、の順で進む。
一応護衛のスタイルだ。
刺客が出てきたら逃げるけど。
あっ、麻袋は証拠になると思って持ってきたよ。
幸い刺客が出る事もなく、孤児院近くまで戻った。
物陰から覗くと、刺客の二人は集まった兵士に逮捕されていた。
安心。
悠々とお嬢さんを連れて兵士の所に行く。
「止まれ! 何者だ!!」
「攫われていたお嬢さんを救出した者です。お嬢さんはここにおられます」
そう言ってお嬢さんを路地から連れ出す。
「この方の言われている事は本当です。助けて頂きました。
私は見ての通り無事です」
「この者は知り合いですか?」
「はい。孤児院に来られて子供の相手をされていました。
心配であれば、牧師様に尋ねられてはいかがでしょう?」
すぐに牧師さんが連れてこられた。
あれ~? 俺って信用無い?
牧師さんは俺を見て、間違いありませんと伝えている。
その後ろから付いてきた子供達も俺達を見て騒いでいる。
「あっ! お兄ちゃん! またお馬さんやってー!」
「フォックスはどこ~?」
「今日も遊びに来たの~?」
あら? なんか、俺って遊び人みたいに聞こえるぞ?
もしくは友達かタヌキの付属品。
そのお陰で兵士は警戒を解いたが。
……悲しくなってきた。そもそも、誰も名前を呼んでくれないし。
そんな事をしていると、兵士が刺客を連れてやってきた。
あぁ、上手く捕獲したんですね。
その兵士達は孤児院前に居た兵士と話している。
チラチラと俺を見てるので、確認を取っているのだろう。
疑われてるんじゃないと思いたい。
する事も無くなったので、孤児院の子供達の方に行って話してると、ちょっと良い装備の兵士がやってきた。
階級が上なのかな? まとめ役っぽい。
「この度はエリザベート様の救出に助力して頂き、感謝する」
「いえいえ、偶然ですから。ええ、偶然です」
「?? それでもとっさに動ける人間は少ない。助かった。
すまないが事情聴取したいので、兵舎まで来てくれるか?」
「あ、はい。判りました。大丈夫です」
本当は、早く帰ってステータスを確認したいんだけどね。
そういう訳にも行かないだろうし。
兵士長(?)さんに持ってきた麻袋を証拠として渡して、子供達に挨拶をしてから兵舎に向かった。
何故か兵士さん達に囲まれながら。
次話は12日の17時に投稿します。




