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ぼっちになりたいお嬢様VS黒血を継ぐ魔女

 

 世界一の椅子第四形態【スレイプニル】。

 八足の巨馬スレイプニルにわたし達3人は乗っている。

 前で手綱を握っているのはアサシン一条。

 真ん中は、右手に神槍グングニルを装備した女神オーディンであり姫様なわたし。

 後ろは、聖剣エクスカリバーを左手に装備した騎士ドリル。

 わたし達の両足はスレイプニルの胴体にあるベルトに拘束され、どんな激しい動きでも落馬しないようになっている。

 没収されていた武器は生徒会室の扉をぶっ壊して返してもらった。


 校舎内を疾走するスレイプニル。

 玄関から外に出ると更にスピードを上げ、校舎を回り込み、グランドを駆け、校舎裏の奥、刑務所のような高い壁に向かう。


「一条。場所はわかるのか?」

「さっきの映像に高い壁と大学の校舎が見えただろ。角度的にこのまま大学の校舎を目指せばコーヒー豆畑だ」

「そこまで見ていなかった」

「姫さんは色々なもんを見逃しているからなあ。拒絶してんだから気づかないし、周りも拒絶する姫さんを温かく見守っているから俺からはなんとも言えねえけど」


 一条は何を言ってるのかな?


「おっ、見えてきたぞ」


 わたしは一条の背中越しに顔を出して先を見る。

 緩いウェーブの黒髪ロングヘア、ご自慢の身体を見せつけるような露出の多い黒ドレスは尻の割れ目まで開き、その妖艶さは男なら眺めていたいと思うだろう、が!


「スレイプニル! あのエロケツにアンチマテリアル砲放てえ!」


 ケツに大口径弾をぶち込んでやる!!


 スレイプニルは首を前屈みにすると口を開ける。その瞬間、筋肉オヤジと対峙し、背中をこちらへ向ける【黒血を継ぐ魔女】に向けて、ドドドドンと4連発で大口径弾を放つ。

 大口径弾での連続射撃を可能にしたスレイプニルの攻撃。その衝撃でスレイプニルは急停止する。


 刹那、キキキキィンと【黒血を継ぐ魔女】の眼前で火花が散る。


 マジか!?

 4連発の大口径弾をククリ刀で切りやがった!


「あら、あなたは……」


 忌々しい声音だ!

 ワザと色っぽくしてるのが更に忌々しい!


「散れやビッチ! スレイプニル! あのエロチチにアンチマテリアルガトリング!!!!」


 ドドドドドドドドドド! ズドドドドン! ドドドドドドドドドド! ズドドドドン! ドドドドドドドドドド! ズドドドドン! ドドドドドドドドドド! ズドドドドン! ドドドドドドドドドド! ズドドドドン!


 アンチマテリアルガトリング。

 アンチマテリアルライフルの大口径弾4連発と秒速いっぱいの弾が撃ち出されるガトリング砲が炸裂する。

 常識を無視した火力重視の砲撃なため、大口径弾は最高4連発、ガトリングにも時間制限有り。更に、火力から生まれる衝撃を砲台無しに吸収するのは不可能なため、スレイプニルは八足の前足2本と後ろ足2本の膝にあるタイヤを地面に下ろし、勢いそのままに後退する。

 従って、絶対勝てない相手を前にしても!


「攻撃しながら逃げる!」


 ヒットアンドアウェイを越えたヒットGOアウェイ!!


「制圧破壊前進でなければならない帝王では許されない制圧破壊逃亡! 女神は気まぐれだから許されるのだあぁぁぁぁ! この程度で死んでんじゃねえぞビッチ! がははははははははははははは!」

「隙だらけよ」


 うおっとククリ刀を投げてきやがった!

 でも想定内です。


「自動防御ですわ」


 ドリルの言葉と同時に、スレイプニルは前足の付け根、肩部分を変形させ、バサァと黒色の翼を広げながら放電する。

 回転しながら一条に向かってきていたククリ刀は、電力に吸い込まれるように方向を変え、翼に叩き落とされる。


「あめぇえぇぇんだよビッチ!」

「そうね。甘かったわ」


【黒血を継ぐ魔女】はやれやれと言いたげに両手を広げる。すると、何もない空間から両手にポトポトとククリ刀が落ちてきた……ように見えたけど?


「なに今の?」

「手品ですわ」

「ちげえよ。暗殺者はあらゆる場所に武器を隠し、仕事場を決めたらその場に作られるだけの武器庫を作る。今のは木の枝に引っかけといたククリ刀を糸かなんかで引っ張って両手に落としただけだあ。おら、よそ見すんな。突っ込んでくるぞお」

「グングニル、封印解除!」


 神槍グングニルをビッチに向けた瞬間、一条とドリルは神槍グングニルの柄を右手で握る。

【黒血を継ぐ魔女】はククリ刀を眼前で交差させながらわたし達に向かってくる。

 狙いを定めた一条は、二股に割れる手前のボタンを押す。


「姫さんオッケーだ」

「ビッチ、天の裁きだ!」


 ズドン!!!!


 レールガン発射。

 わたしとドリルの腕は衝撃に跳ね上がり、一条だけがグングニルの柄を握っている。

 とんでもない衝撃にスレイプニルは更に加速を上げて後退する。

 一条、どんな腕力してんだ!?


 バギイン!!!!


 眼前で交差していたククリ刀を大袈裟に広げて金属音を鳴らした【黒血を継ぐ魔女】は突進を止める。


「おいおい。レールガンの弾丸を弾いたぞ。どんな身体能力してんだあ」

「想定内!」


 わたしが慌ててグングニルの柄を握るとドリルも握る。


「たくよお、姫さんはどんな想定してんだあ」

「ドリル! 残った服を剥いてやれ!」


 レールガンの弾丸を弾いたとはいえ、残電で服は焼ける。たぶん肉体も無事ではない。特に両腕は使い物にならないはず!

 エロすぎる裸体をさらけ出せ!


「はいですわ」


 ズボォォォォォォウ!


 ドリルが向けた聖剣エクスカリバーの切っ先から【黒血を継ぐ魔女】に向けて火炎が放出される。


「がはははは! 燃えろ燃えろ!」

「おい、ククリ刀で炎を切ってんぞお」


 なんで両腕が動く!?

 レールガンを弾いたとしても、威力や電流に身体の自由が無くなるだろ!

 どうなってんだ!?

 と、見せかけて。


「想定内!」

「俺あ、想定してる姫さんに想定外だあ」

「全弾発車! レールガン! ガトリング! レールガン! ガトリング!」

「ファイア〜ですわ。ファイア〜ですわ」


 スレイプニルから大口径弾とガトリング弾、一条の腕力に頼ったグングニルからのレールガン、エクスカリバーから火炎、【黒血を継ぐ魔女】へ集中砲火!

 キキキキィン!

 バヂィン!

 ズバッキキキキィン!

【黒血を継ぐ魔女】は4連発の大口径を弾き、レールガンを弾き、炎を切りながら4連発の大口径弾を弾く。それら全てガトリング弾を躱しながら。

 更に、衝撃に加速して後退するスレイプニルに追い付く勢いに突進してくる。


【黒血を継ぐ魔女】よ。

 なかなかやるではないか。

 さしもの女神オーディンも……。


「想定外! 退避退避ぃぃぃぃ!」

「潔すぎるなあ。オラよっと」


 一条は閃光弾を【黒血を継ぐ魔女】に投げるとスレイプニルの周囲に煙玉を落とし、手綱を引いてスレイプニルの首の向きを180度変える。

 その瞬間、スレイプニルはバギーのタイヤを高回転させ、ズギャギャギャと初速から最高速度を出す勢いに走り出す。そして、翼を広げて揚力をつかむと、八足で地面を蹴り、飛ぶ。


 キィン!


 んっ?

 なんの音だ?

 まぁいいか。


「グングニルを後方、ビッチに!」


 ドリルと一条はグングニルから手を離し、わたしはグングニルを半回転させる。ドリルと一条はグングニルを握り、


「ビッチ、今日のところは、レールガン!」


 わたしの合図と同時にドリルはグングニルを【黒血を継ぐ魔女】に向け、二股に割れる手前のボタンを押す。

 レールガンの威力にわたしとドリルの腕は跳ね上がる。

 スレイプニルは速度を更に上げて上空へ行く。同時に、どんな身体能力をしているのか一条は左手で握っていた手綱を離して、


「オラよっ、パインアップルだ」

「ファイア〜ですわ」


 一条は手榴弾を、ドリルはエクスカリバーから火炎放射を、【黒血を継ぐ魔女】の頭に落とす。


「ビッチ、さらばだ! がはははは!」


 地上にはパンツ一丁でエロい身体をさらけ出した【黒血を継ぐ魔女】と唖然とする筋肉オヤジ。

 んっ?

 ひよこちゃんがいるぞ。


「ひよこちゃ〜〜〜ん。早退するから〜〜」

「はいは〜い。あとはアルテミス先生がヤっときま〜す」

「筋肉オヤジ! 一馬さんのコーヒーを守るついでに、シェルターにひきこもってる妹のコーヒーを守ってやったんだ! 貸しだかんな! 忘れんなよ!」

「……。わ、わかった!」


 よしよし。これで筋肉オヤジは静かになるだろうな。

【黒血を継ぐ魔女】をひん剥いてやったし、後はひよこちゃんが煮るなり焼くなりするだろう。

 あっけない最後だったな【黒血を継ぐ魔女】。



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