第一話 「BRAND NEW WORLD」パートB
公式サイト版と少しだけ相違点あり
挿絵等は次回から入れようかと
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―――――よくぞ来た…。
「!」
ここは…どこだ?
――――――我は汝の覚悟の表れ、これから襲い来る試練を共に乗り越える汝の力なり
誰だ?誰がしゃべっている?
――――――汝、自分と向き合い魂を鍛えるべし。
――――――我は汝の力そのもの。汝を護る盾であり剣である。
―――――我は常に汝と共にあり、
「お~い」
「?」
―――――忘れるなッ我らが名は…ッ。
「お~い、着いたぞ~」
「フガッ!?」
情けない声で目が覚めるとクロが荷物を運び終わっている。結構長い間眠っていたようだ。
「2万9千になります」
財布に入れたこともない金額が聞こえてきて血の気が引き一気に目が覚める。
「ここが、俺が経営してる「舞亭荘」(まいていそう)だ」
そこは…マンションというには木造で…なんというか…。
「ボロいね」
「バッサリ言いますな」
「まあ、近々デカいリフォームあるからさ、それまで我慢してよ。」
「はい、これ鍵ね」
そういってクロ兄は玄関先で「102」とナンバープレートが書いてある鍵を手渡してきた。
鍵の持ち手部分は太くなっており、オートロック用のICチップが埋め込まれているそうだ。無くしたら大変だから気を付けなければいけない、。
「で、俺の部屋が100だから何かあったらすぐ言いに来てくれ」
「じゃあ、今日は夜遅いからこれで解散!詳しい話は明日!今日は疲れただろうから早く寝ろよ!以上!」
そういってクロ兄は僕を部屋に押し込んでから行ってしまった
「それと、荷物とか先に送ってくれた物、全部カタしてあるから気にすんなよ、パジャマは二つ目の棚な!お休み!」
――――――さて、荷物整理はもうしてあるようだし今日は着替えて休もう。洗面台は部屋にあるみたいだし…。
携帯を充電し、きれいに敷かれたたベッドに横になると、タクシーで寝たはずなのにまたすぐに寝てしまった。
翌日
「ノックしてもしも~し、左之助ェ、起きてるか?」
「うん…今起きた…。」
携帯を覗くと朝の7時の表示が出ていた。アラーム機能を付けるのを忘れていたから起こしてもらい大助かりだ。
「おっし朝飯もうすぐできるから、顔洗って着替えといてよ住人何人か紹介するし。」
「わかった…。」
眠い目をこすりながら起き上がる。顔を洗い、歯を磨き普段着に着替えてか携帯を取って部屋を出る。そこにはクロ兄がばつの悪そうに待っていた
「悪い。昨日はろくに案内もできなかったから、朝飯ができる前にここを案内しようと思ってさ」
とりあえず、ついてこいよ、そういいながらクロは指で鍵の束を回しながら歩き出す。
「一階にあるのが共同の風呂と洗面所とトイレだ、まあ全部部屋にもあるからそんなに使わないとも思うがな。それと100号室から110号室までだ」
木造でボロいマンションの割には清潔で手入れも行き届いている感じだった。
「あとは食堂だけどそれは後で行くしいいか。」
「それじゃあ2階へまいりまーす」
そういいながらギシギシ言う階段を上る。
「ここは基本的に201から210号室の部屋があってな、ほとんど埋まってるのよ、それから廊下の突き当たりからテラスに行けるのよ。」
―――テラス!?こんなにボロいのにテラス何てあるのか…。
廊下を進みテラスに出てみると想像以上に広く立派なテラスだった。洋式のテーブルとイスがいくつかあり雰囲気がいい。雑誌の切り抜きみたいな空間だった。
「ここ以外にもいくつかうちの自慢の場所があるんだけどな」
「ま、それはさておき次は3階アーンド屋上だ」
とても自慢げに言った。
――――――3階
「さて、ここがうちの一番上の階層。ここも301から310まで部屋があってほとんど埋まってる。」
「それと屋上につながる階段も廊下の突き当たりにあるぞ~」
「だけども、この時間は屋上へは行かない方がいいな」
「さて、最後はお待ちかねの朝ごはん+住民の紹介タイムだ」
「先に食堂言って手伝っているから、探検してて」
そういってクロは階段を下りて行った。
「ぶらぶらって言われても・・・・。」
――――どこに行けというのか
「おい、テメェ?」
後ろから威圧的な声が聞こえて振り返る。
そこには、毛先を染め、襟足が長く耳に幾つもピアスを刺している目つきの悪い、あまりかかわりたくない外見の男が立っていた。だが、気圧されそうになるが、ふと気づく。
「小さい…。」
「誰がチビだ!コラァァァァ!」
自分の身長が170センチほどなのに対し彼は150後半くらいしかない。
「子供?」
「誰が子供だ!ガキィィィ‼クロさんの弟でもぶっ飛ばすぞコラァァ!それに俺はもうハタチじゃぁああ?!!」
――――――すごくうるさい…。そしてまさか年上だとは夢にも思わなかった。
「ああッ!糞ッ!本当にこんなやつで大丈夫なのかよ…。」
そんなことを言いながら目の前の小さいヤンキーがのた打ち回る。
「えっと、すいませんがお名前をうかがっても…?」
下手に言い方が悪いと爆発しそうだったので、少しよそよそしく言った。
「俺は香取、クロさんとこの一番弟子だ!」
「自称だけどな」
そういいながら昨日と同じようにクロ兄は香取さんの後ろから突然ぬっと現れる。
「うわッ!びっくりした、それは言わないでくださいよ~」
「おし!左之助!準備ができたから食堂に行こう!香取も一緒に!」
そういいながらクロ兄は嬉しそうに僕の背中を押す。後ろの方からは香取さんからの視線を感じながらギシギシときしむ階段を下りていくと、いい香りが一階をつつんでいた。
そういえば、昨日の晩はいろいろあって夕飯を食べていないし、そろそろおなかも減ってきていたところだった。そういうところも考えてクロ兄は僕を少し連れまわしたのだろう。
昔からすごく気の回る人でとてもみんなから好かれていた。
一階の食堂の扉の前に立つとクロ兄のニヤニヤは最高潮に達した。
「さて、左之助。昨日の晩はろくに飯も食えなかっただろうから腹がすいているだろう」
「今日はそこの(香取バカ)以外のほとんどのメンバーで朝からお前への歓迎会するつもりでさ」
「うッ、すいません寝過ごして…。晩飯は必ず手伝うッス!」
「それと、ここに居ない面子って誰スか?」
「う~んと、スガは九州に行ってるし、花子と三木は買い出しに出てるよ」
「真田は晩には合宿から帰ってくるし、カレンも夜には研究所抜け出してくるってさ、雫ちゃんと杏奈は今日の昼にはイタリアから帰ってくるよ」
「結構いるッスね」
「できればみんな朝からそろってほしかったんだけどね~ま、仕方ないかな。」
全然知らない固有名詞がどんどん出てきて尻込みしている僕にクロ兄が優しく話しかける
「さて、それじゃあ開けて」
そういわれて僕は食堂のドアをゆっくり開ける。




