第一話 「BRAND NEW WORLD」パートA
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エピローグ 「夢幻」
ふと気が付いた。ああ、俺は今、懐かしい夢を見ているのだ。
薄らぼんやりとした意識の中、男は自らが今、夢を見ているのだと悟る。
学生服を着た少年と、同じくらいの歳のコートの少年が対峙している。お互いの顔は分からず、ド派手な演出のかかった攻撃をお互いに繰り出し合い、学生服の少年は大剣を、コートの少年は黒い日本刀を手に取る。
さらにはお互いに化け物を召喚し、対決させる。テレビゲームのような、映画のような雷撃、爆炎、光弾、銃撃、斬撃、ハリウッド映画さながらの映像技術で少年同士の殺し合いが男のニューロンに写し出される。
――――――こいつぁ…ポップコーンは進みそうにねえよなぁ…。
浮遊感のある意識の中で突然スマートフォンのアラームが鳴りだす。
夢を見ていた男は目をさまし、運転席から顔を隠していた帽子を後部座席の方へ無造作に投げつけた。
「レジー賞もんだな…。」
道に止めてある愛車のトヨタ4ランナーから無精ひげの男が面倒くさそうに男が出てくる。
時刻は深夜10時59分。行先は東京駅、男は黒い電子タバコを口に銜え、降りしきる雨の中、闇に消えて行った。
東京 2012年 池袋駅 十一時 三二分
――――――確か…。改札口をでてすぐだったはずだけど…。
幼さの残る少年はヘッドフォンから流れる音楽のボリュームを下げてあたりを見回した。
手元にあるのは先ほどコンビニで電車が来るまでの暇を持て余すために買った500円程度の
「悪魔の辞典」といった本だった。 実に荒唐無稽なバケモノの話が連ねてある。金を無駄に消費しただけかも…。
「時間も場所も間違ってないはずなんだけどな」
彼の名は 植木 左之助 高校進学を機に従兄弟が経営している小さなマンションの一部屋を借り、東京に出てきたのである。飲み込まれそうな都会の雰囲気に気圧された少年はどんどん不安になっていく。
「クロ兄…昔から時間にルーズだったっけな…。」
「いや、別にそんなことはない。成長したお前を見分けられなかっただけさ」
突然後ろから声をかけられる。昔よりいくらか低くなった声だった。
「びっくりするじゃん…。」
「全然そう見えんがな!」
そういいながらクロ兄と呼ばれた垢抜けた青年は屈託のない表情で左之助の頭をぐしゃぐしゃに撫でまわす。
筋肉質な腕からは懐かしいいい匂いが漂ってくる。
「おーうおう、あのチビだった左之助がなァこんなにでっかくなっちまって!」
「5年ぶりだね。」
「だなぁ、俺がまだ小六の時だもんな」
――――そう、クロ兄は僕のたった2つ年上の従兄弟で、今年で高校3年になる。家を飛び出して数年、いろいろと成功を収めておりマンション経営もその一つだそうだ。僕とは正反対のデキる兄貴分だ。
「クロ兄はすごいね、僕より2つしか上じゃないのにすごく大人びて見えるよ」
「ふふん、褒めても家賃はまけないっておばさんに言っといて。」
「ここから遠いの?」
「ああ、こっからタクシーで行く」
タクシー!?あんな高い乗り物に乗らないと家に帰れないのか…。
「実はさ、マンションがあるのは池袋ココじゃないんだ」
「え…?じゃあなんでここで待ち合わせだったのさ?」
「この町でちょっと用事があってさ、そのついでで」
「ハァ…。」
実にちゃっかりしている。数年ぶりに会うというのに。
「まあ、まあ、荷物持ってやるからさぁそんな顔するなよォ」
初めて見る都会を渋滞で見動きが取れないタクシーの中から眺める
今までいた何もない、ただ、だだっ広い田舎とは違う。家族以外の人間はなかなか会うこともなかった田舎とは違う。どこを見渡しても人だらけ。格式張って居心地が悪い実家と違って人々は活気がる。祖母は危険な土地だとか言っていたが見渡すものすべてが新鮮で好きになれそうな気がした。窓から外を眺めていると助手席に座っているクロ兄がニヤニヤしながらこっちを見ているのが反射で分かった。思わずつられて笑ってしまう。これからの生活を考えていると、どっと旅の疲れからか寝てしまった…。
「あ、寝やがったな。こいつ…。」




