第4話「創造、開始」
銀河連邦の中枢、そして宇宙管理AI、深淵の管理者、高次元の存在――これまで出会った、全ての知性体の協力を得て、レンは、ついに、新たな宇宙創造の儀式を執り行う場所へと立った。
それは、真の深淵――時間の止まった都市の中心、宇宙誕生の記録が眠る場所だった。
「零崎殿、準備は整いました」
ヴェルミナの声に、レンは、静かに頷いた。
「皆さん、本当に、ここまでありがとうございました」
レンは、ガイウス、レティシア、ヴェルミナ、ドルシス、獅堂グレンを見渡した。
「レン、俺たちは、ここで見守ってる。行ってこい」
ガイウスが、力強く背中を押す。
「あんたなら、大丈夫よ」
レティシアも、まっすぐにレンを見据えた。
「頼りにしてるぞ、道具野郎」
グレンが、不敵な笑みを浮かべた。
「うん……行ってきます」
レンは、深く息を吸い込み、静かに、これまでの人生の全てを、意識の中に呼び起こしていった。
(最弱と笑われた、あの日から――錆びたナイフ、木の盾、戦車、戦闘機、ゼロ号、そして皆との出会い……全部、俺の理解の糧になった)
「創造」
レンの掌から、これまでにない、圧倒的でありながら、どこまでも優しい光が、静かに溢れ出した。
その光は、まるで一つの物語を紡ぐように、無数の可能性を、静かに織り上げていく。
『……見事だ』
宇宙管理AIの声が、静かに、しかし深い感慨と共に響いた。
『貴殿は、単なる法則の集合体ではなく、無数の“物語”が織りなす、新たな宇宙を、生み出そうとしている』
「はい。俺が出会った、全ての人、全ての存在――その繋がりを、次の宇宙にも、受け継いでいきたいんです」
レンの光が、静かに、しかし確実に、新たな宇宙の“種”を、形作っていく。
「新たな次元構造、確認しています……! これは、これまでのどの宇宙とも異なる、独自の性質を持っています!」
ヴェルミナが、興奮した声で報告する。
「や、やってるぞ、レン……!」
ガイウスが、思わず声を上げた。
こうして、レンは、これまでの旅路の全てを注ぎ込みながら、新たな宇宙の創造という、シリーズ最大の偉業に、着実に近づいていくこととなった。
(第5話へ続く)




