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強化倍率∞(インフィニティ)~武器しか強くならない俺が、気づけば○○していた~  作者: 伝説の男前
第6巻 宇宙戦争編

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第5話「秩序の観測者」

「秩序を見守る者……あなたは、いったい何者なんですか」


 レンの問いに、その存在は、静かに応じた。


『我は、この宇宙が生まれてより、その均衡を見守り続けてきた、単独の知性体である。名は――便宜上、“観測者”とでも呼んでもらえれば良い』


「観測者……」


『貴殿らの動向は、既に長きにわたり、興味深く見守らせてもらっていた』


 その言葉に、レンは僅かな緊張を覚えた。


「俺たちのことを、ずっと見ていた、ということですか」


『左様。理解に基づき、際限なく可能性を押し広げていく貴殿の力――それは、この宇宙において、極めて稀有な性質である』


 観測者は、静かに続けた。


『通常、文明の発展は、力による支配か、あるいは画一的な効率化のいずれかへと収束していく。だが貴殿は、そのいずれとも異なる道を、着実に切り拓いている』


「俺は、ただ、目の前で困っている人を助けたい、その想いだけでここまで来ました」


『そう、それこそが、貴殿の力の本質だ』


 観測者は、そう告げると、一瞬、間を置いた。


『一つ、問おう。貴殿は、この宇宙の果て――全ての物理法則が意味を失うとされる、特異点の領域について、聞いたことはあるか』


「特異点……ブラックホール、のことですか」


『いかにも。この宇宙には、いまだ誰も踏み込んだことのない、深淵なる謎が存在する。貴殿の“理解する力”が、いずれその領域にまで届くのか――我は、それを見届けたいと思っている』


 その言葉に、レンは背筋に緊張が走るのを感じた。


「それは……いずれ、俺がそこへ向かうことになる、ということですか」


『それは、貴殿自身の選択次第だ。我は、ただ見守るのみ』


 観測者の姿が、徐々に薄れていく。


『貴殿の歩む道、これからも興味深く見守らせてもらおう。……いずれ、また会うことになるだろう』


 そう言い残し、観測者は、静かに宇宙の彼方へと姿を消していった。


 指揮所には、しばらくの間、重い沈黙が流れた。


「……ブラックホール、ですか」


 ヴェルミナが、静かに呟いた。


「零崎殿、あの観測者の言葉、単なる示唆ではなく、明確な“予言”のようにも聞こえました」


「はい……俺も、そう感じました」


 レンは、拳を握りしめながら、遠い宇宙の彼方に思いを馳せた。


(ブラックホール……いつか、俺は、本当にそこへ向かうことになるんだろうか)


 だが今は、目の前の課題に集中する必要があった。


「零崎殿、集合意志より、新たな提案が届いています」


 ヴェルミナが、通信記録を確認しながら告げた。


「虫族連合、そして今回の観測者との接触を経て、この星系一帯の安定した秩序を築くため――複数の友好文明による、正式な“銀河連邦”の設立を提案したい、とのことです」


「銀河連邦……」


 レンは、その言葉の重みを噛み締めた。


「地上の大陸統一の、さらに先にある道、ということですね」


「はい。そして、その中心的な役割を、零崎殿に担っていただきたいとの、強い要望も添えられています」


 レンは、深呼吸をしてから、静かに頷いた。


「分かりました。……この宇宙に、真の平和をもたらすために、全力を尽くします」


 こうして、レンたちの物語は、銀河連邦の設立という、さらに壮大な次なる目標へと、その歩みを進めていくこととなる。


(第6話へ続く)


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