恭子と玲子 vol.046 「ない訳は…ないよね…。」
「何でだよ。」
明彦。
「ふ~ん。」
資料を見ながらの玲子。
「……やっぱ…、ないわ。」
「えええっ、うっそ…、ほんとにないの…???こんなに人気のお店あんのに…???」
慌てる明彦。
「ふん。ない。」
キッパリと玲子。
「どれどれ、私にも見せて~。」
と、玲子から資料を受け取りながら恭子。
「ひぇ~~あるねぇ~こんなにも…。……。」
「ねっ…、ないでしょ恭子~???」
微妙な沈黙を作りながら…。
「うん。結構ね…、あのお店って…、ランキングには…、出て来ないんじゃない…。」
恭子。
「なんでだよ。」
「だって…、実際に、うっそ、こんなところにこんなお店!!!」
「そういうお店だったって訳よ。」
玲子が間に入って
「ま~、そういうお店も、東京には結構あるからね~。」
浩二。
「しっかたねぇか~。玲子と恭子の、その店。一度行ってみたいって思ったんだけど…。」
「はは…、いつかは…行けるかも…知れないよ。」
笑顔で恭子。
「はは…、いつかね…。はぁ…。」
口をへの字にしてボソッと言う明彦。
バイトに向かう途中で、
「まっ、当然、東京の食事処が載っている資料だから…、ない訳は…ないよね…せいざんも…。」
玲子。
「名前…あっても…、言える訳ないし…。」
恭子。
「当然。」
「でも…、やっぱり…びっくりだよね~。アンチーフに妹がいて、もう…この世にはいないなんて…。」
「交通事故か…。」
「しかも…、アンチーフの婚約者もその人の事、可愛がってたなんてね…。」
「まっ、義理の妹になる訳だから…。可愛がるのは…ねぇ~。」
「…けど…。」
「ん~~???」
「やっぱり…もう一度食べてみたい、昨日のあの料理。」
「ん…ふふ~~。」
「何よ…???」
「もしかしたら…恭子ちゃ~ん…???…ひょっとして…。」
「ひょっとしてって…、何が…???」
「…てへへへ…。もんちゃん。」
恭子の顔を下から覗くように玲子。
「はい…???」
「ん…???」
「えっ、はっ、へっ。何が…。」
「ん~~、何でもない、何でもないよぉ~。」




