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【第二部完】AIにリストラされた俺、異世界で「生成AI」を使いこなして成り上がる〜進化する相棒と共に世界をハックする〜  作者: ikura
(未定)

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18

ゼノスが走り去った後、広場には異様な熱気が渦巻いていた。

 数百年ぶりに噴き出した水。そのしぶきが舞い、地面を濡らす様子を目の当たりにした魔族たちが、一人、また一人と足を止め、瞬く間に大きな人垣ができていたのだ。


「おい、見たか……本当に水が出ているぞ!」

「大昔に壊れて動作しないんじゃなかったのか……」


驚きと興奮が混じったざわめきの中、ケンジは周囲の喧騒を余所よそに、ゴーレムの冷たい表面に手を触れたまま立っていた。ノアが内部の深層回路に潜り込み、魔国の遺物技術を余すところなくデータ化している最中だからだ。


「……上手くいったわね、ケンジ。すごい人だかりよ」


隣に並んだリィザが、周囲を警戒しつつも柔らかく微笑んだ。群衆の視線は驚きと、そしてどこか希望に満ちたものに変わっている。


「ああ。これだけ注目を集めれば、ゼノス将軍の報告も無視できないものになるだろう」


「ちょっとやりすぎかもしれないけど……」


リィザが周囲を見ながら苦笑する。


(マスター、解析率88%。基本駆動系に続き、自立思考回路の断片データを回収。……あと10分ほどで完了します)


ノアの解析を待ちつつ、他愛のない会話をしていたその時、遠くから馬車の音が鳴り響いた。


広場を埋め尽くしていた群衆が、波が引くように左右へ割れていく。

 現れたのは、黒檀に銀の装飾が施された、重厚にして優美な一台の馬車だった。御者台にはゼノスが自ら飛び乗っており、広場の中央、噴水の真ん前でぴたりと馬車を止めた。


周囲にいた魔族たちが、一斉に恐怖と敬意を込めて石畳に跪く。


扉が開かれ、ゼノスが恭しく手を貸す。そこから降り立ったのは、装飾を排した黒の礼装に身を包んだ、一人の男だった。

 背後に揺れる圧倒的なまでの魔力の揺らぎが、その男が何者であるかを雄弁に語っている。


「陛下……ご足労頂きありがとうございます」


ケンジはゴーレムから手を離し、恭しく一礼した。隣でリィザも緊張の面持ちで膝をつく。

 そこにいたのは、定期会合での「象徴」としての姿ではない。

 アステリア魔国の頂点に君臨する支配者、魔王その人であった。


「堅苦しい礼は不要だ。……ケンジよ、先ほど見せた手業てわざ、ゼノスから聞き、この目で確かめに参った」


魔王は悠然とした足取りで馬車を離れると、先ほどまでケンジが触れていた噴水のゴーレムを鋭い眼光で見据えた。


「我らが長年渇望しながらできなかったことを成し遂げたのか。まずは見せてもらおうか」


ケンジが再びゴーレムに触れると、今度は最初から勢いよく水が噴き出し、群衆から地鳴りのような歓声が上がる。


しばらく噴水を見つめていた王が、ケンジの方を向く。ケンジは魔王の視線を正面から受け止めた。


「見事だ。何を望む」


「アステリア魔国の発展と、少しばかりの私的流用を」

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