第7話 嬉しいことに、勇者クビになりました。
ー王宮 謁見の間ー
マリアが 王様・宰相・騎士団長に呼ばれて 巨人族の村の報告
マリア 「結論から言います 巨人族はもう我々の国を守れないそうです」
宰相 「何があったのだ!」
マリア 「昔ほどの力が無く 自分達の村を守るのが精一杯だそうです」
「このような報告になり 大変申し訳ありません」
宰相 「これは一大事だぞ」
王様 「困った……ホントに困った……いや困ったぞ!どうする?!」
騎士団長「陛下 落ち着いて下さい」
王様 「あぁそうだね 落ち着こう 落ち着かないとね」
このまま報告会は やいのやいの 無駄な時間だけが過ぎていくのであった。
宰相 「話はまとまらないので、対策は後日考えるとして」
「とりあえず 今後も対外的には巨人族に守られていることにしましょう」
「王様 良いですね」
王様 首を縦に振る。
ー教会 夜ー
そして、フラワー神父の元に 謎の男が会っていた。
神父 「あなたが教会に来るなんて珍しいですね」
謎の男 「今日は魔王軍の使いとして あなたに会いに来たざ……来ました」
神父 「魔王軍? またまたご冗談を」
謎の男が魔王軍からの手紙を見せる。
神父 「これが本物であれば……魔王軍が、私に何の用ですか?」
謎の男 「手紙に書いてある通り、魔王軍は争いを好まぬ。平和に交流を深めたいだけだと」
神父 「もし それが本当であれば……本当であれば……」
「私もあなた方のお役に立てるように 協力をお約束しましょう」
ー王国の東門 夜中ー
三太郎たちに遅れること約半日 ボーンヘッドの三人が到着
二人を載せて、ひとりで引いて来たショウワ「着きました」と言って倒れる。
アクジョ「よくやったよ 介抱しておやり」
アサジエ「はい」
「あいつまた何かお宝装備手に入れたんでしょうかね」
アクジョ「……今回のことはもうお忘れ 次だよ 次!」
ー王国の外にある空き家ー
王国の外の畑仕事のために建てられた家
日本家屋のような木造の古い家 空き家だったので、三太郎が少し日本風に改築
大量破壊兵器の開発を始めていた。
家の外まで三太郎の声が聞こえてくる。
「はい 博士」「ここは博士 どうすれば……」「なるほど!」「博士さすがです」
そして、ご機嫌な鼻歌……
三太郎は、大学時代に戻ったような気分で、幸せいっぱいだった。
家の前には、中の様子を伺うホウキを持った怪しい男がいる。
正体はボーンヘッドのアサジエがカツラをしたいる。
そこにエース・ギルドマスター・マリア・フラワー神父の4人が、申し合わせたようにやってくる。
ギルドマスターが怪しい男に声をかける「キミ ここの人」
怪しい男「イエ、隣のものです。掃除してたらいつの間にかここまで……」
ギルドマスター周りを見渡して「隣?」
怪しい男は遠くの家を指差し「あの家です。そうじが好きでいつの間にか……」と言うと走っていなくなる。
ギルマス「あいつ、どこかで見たような」
マリア 「勇者殿 失礼するぞ」
床は板の間 三太郎がいる机から謎の煙が上がっている。
小型ロボ「ピー ピピピ」
三太郎 「失敗の原因は……なるほど 多すぎましたか 難しいですね」
マリア (ピーピー君じゃないか 相変わらず可愛いな)
ギルマス「なんだ そのヘンテコな物体は……」
マリアがギルマスを睨む ギルドマスターは、なぜ睨まれたのかわからない。
エース 「三太郎 会話が成立しているのか?」
神父 「悪魔ではないでしょうね」
三太郎 「悪魔なんてとんでもない この方は博士であり僕の先生です」
「ちなみにこの研究所では、わたしは勇者でなく博士の第一助手です」
マリア (ピーピー君が博士……)
四人が三太郎を囲んで日本の丸いローテーブルに付く
すると日本茶を出す小型ロボ
マリア (ピーピー君 こんなこともしてくれるのか)デレデレ
三太郎 「博士!それは自分がやりますので 博士はこちらで休憩しててください」と
言って博士からきゅうすをとりあげ 三太郎がお茶を出す。
太陽光がよく入る縁側で小型ロボは休む
話し合いが始まると それぞれが自分の主張をまくし立てる。
エース 「なぜ 戦う前から負ける前提なんだ!君は勇者だろ!」
(俺が勇者に選ばれていれば……)
「負けそうなら勝てるように鍛えれば良いじゃないか!」
「そんな騎士道精神にも劣るモノ 情けないぞ 三太郎!」
「どんな相手であろうが尊敬念を持って戦うべきだ!」
ギルマス「三太郎 最近ギルドに顔出さないと思ったら お前一体どうしたんだ!」
「何か悩んでるなら親代わりの俺に話せ」
「よくわからんが、自軍で爆発したらどうなる」
「お前は勇者なんだぞ!みんなの手本にならなければ」
マリア 「勇者殿!何やら怖いもの作ってるという噂を聞いたぞ!」
「一体 巨人族の村のダンジョンで何があった?」
度々、視線を小型ロボに目を向けるマリア
神父 「あなたは私の話 何を聞いていたのですか?」
「武器はいけません。誰も幸せになりません!」
「話し合い、譲り合えば、どんな相手でも分かり合えます!」
「ぺんぺん草も生えない状態になるなんて、あなたこそ悪魔ですか?」
三太郎は皆の話を聞いている時
(この部屋土禁なんだけどな……)
それぞれの意見を聞いて
三太郎 「みんなの意見はわかるし 大量破壊兵器が危険なのも承知してる」
「でも、博士なら安全に管理してくれる 微力ながら俺も多少の知識はある」
「勇者の称号をもらいながらなんだけど 魔王にはどう考えても勝てない!」
「みなさんは聞いてるかわからないけど、今まで街を守ってくれていた巨人族も もう守れない とハッキリ言われた」
「大量破壊兵器があれば、魔王軍から人類を守る抑止となる」
「現実的に必要なんだよ!」
しかし、話し合いは平行線のまま 三太郎の主張は 誰の賛同も得られなかった。
三太郎 (……なんで、誰もわかってくれないんだろう)
三太郎の隣の家に駆け込む怪しい男
家の前にはショウワがクワを持ち土を耕している。
家の中にはボーンヘッドのアクジョが横になり何か飲んでいる。
怪しい男はカツラをとると アサジエであった。
アクジョ「三太郎は どうだった」
アサジエ「どうも三太郎は博士とか言うのと一緒に生活しているようです」
「ギルマス エース 神父 あと騎士団の女が来ました」
アクジョ「で!」
アサジエ「ギルマスに声をかけられたので誤魔化して逃げてきました」
アクジョ「ほんと、役にたたないね」
(小声)「いいかい 誰もいなくなったら とりあえず1個でいいから お宝装備盗んできな」
ー教会ー
フラワー神父が教会に帰ると 魔王軍の使者が待っている。
謎の男 「最近 勇者が何か危ないものを作っていると言う噂を耳にしました」
「とてもじゃないですが、我々はそんな危険な人物がいる国と和平を結べません」
「勇者なるものを追放できないでしょうか?」
神父 「追放までは約束できませんが、私も勇者が作っているモノには反対なので、王様に進言し何とかしましょう」
ー王宮 会議室ー
王様・宰相・侍従長・騎士団長・ギルドマスター・フラワー神父
この国の重鎮が集まり会議
神父 「王様 勇者に指名した、あの男は危険です」
「魔王軍どころか人類も滅ぼしかねない武器を作っています」
「気が狂っています。直ちに追放するべきです」
宰相 「ギルドマスターは彼の親代わりですよね。どうなのですか?」
ギルマス「すいません。武器の開発は辞めるようには言ったのですが 抑止力として必要の一点張りで」
やいのやいの と続く会議
宰相 「では そろそろ採決を取りましょう」
「うらしま三太郎氏の追放と勇者の称号の取り下げに賛成のもの」
王様以外で採決 ギルドマスターは賛成はしなかったが 他の者達の賛成で 三太郎の追放と勇者の称号の取り下げが決定
宰相 「王様 そう言うことです」
王様 首を縦に振る。
ー王宮前広場ー
チキン自称伯爵がいつものように人を集めインチキ予言を披露
チキン 「今日もやるザンショ」
「世紀の大予言者 チキン伯爵が 新しい予言をするザンショ」
「ついに勇者が魔王退治に出発するザンショ」
王宮から王の伝令を伝えに走ってきて「勇者追放」が高らかに読み上げられる
ガヤA 「え! 追放???」
ガヤB 「この国はどうなるんだ!」
チキン(小声)「逃げるザンショ……」と人混みに紛れる。
ガヤC 「あっ インチキ予言者がいないぞ!」
みんなが錯乱してるうちに チキン自称伯爵が逃走
ー街外れの空き家ー
ギルドマスターが、また三太郎を訪ねてくる。
三太郎 「どうしたんですか?あわてて」
ギルマス「三太郎、逃げろ!」
「お前の勇者の称号の取り下げと追放が決まった」
「どこに追放されるか わからん 今なら好きなところに行ける」
三太郎 「そうですか でも逃げたらギルマスが」
ギルマス「俺のことはかまわん おれもすぐに立ち去り知らぬことにする」
「元気でな」と言うと去っていく
ー数分後ー
王国の騎士団が三太郎のいる空き家を囲む 騎士団の中にはマリアもいる。
騎士団長「突入」 騎士団が三太郎の家に突入する。
三太郎が残したものと思われる 勇者の剣を持っている男が……
怪しい男「ヤバい」と逃げ出そうとするが
マリアの剣が男の衣を裂き、派手に布切れが舞う
男は騎士団に捕えられ カツラをとると怪しい男はやはりボーンヘッドのアサジエであった。マリアは勇者の剣をとりあげる。
アサジエ「ち、違う!それは俺の剣だ!返せー!」そのまま連行される。
マリア 三太郎がいなく 良かったと言う想いと、寂しいと言う 2つの想いが交差する。
ー隣の家ー
アクジョは、いつも通り横になり「アサジエのヤツ 遅いねぇ」
ショウワは黙々と腕立て伏せで、汗を流すのであった。
お読みいただきありがとうございます。
次回も三太郎はワクワクで爆弾を作ります。
第8話は、来週の月曜日4/13 20:00 公開予定です。よろしくお願いします。




