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5月の公式戦 1

 以前にも話したが、SIEGが加盟しているこの地域の家庭婦人連盟は、5月と9月に公式戦が行われる。


 1部~8部まで各部に8チーム合計64チームが、昇格・降格をかけて対戦する。


 そして1部の優勝チームは、この地区の連盟の代表として県大会に進む。


 SIEGは8部。64チーム中57番目~64番目を争う。


 事前に抽選で決まった対戦相手、パパクラブBと第一試合で戦う。


 おおらか杯でも対戦した相手で、その時SIEGは良い所なく負けている。そしてパパクラブBとは、この公式戦の前に練習試合をしたのは記憶に新しい。


 陽介は、パパクラブBとの練習試合でコートに入ったメンバーで臨んだ。というか、この日はSIEGのメンバーが集まらず、この9人のメンバーで戦うしかなかった。


 前衛レフト  #4イッちゃん(主将)

 中衛レフト  #3アブちゃん

 セッター   #5フサエちゃん

 中衛ライト  #1ユッケちゃん(イッちゃんの実妹)

 前衛ライト  #10セイちゃん

 ハーフセンター#9じょんちゃん

 バックレフト #13オキヨちゃん

 バックセンター#15マリちゃん

 バックライト #2アシミちゃん(この試合を最後に移籍した)


 1人でもケガをすれば、即棄権の可能性がある人数だ。


 プロトコールが行われ、サーブ権はSIEGとなった。


 陽介は、この試合サーブをどれだけ強く打てるか?、そして願わくば速くて低くてエンドラインまで届くようなサーブを打つように、全員に指示をした。


 そしてそのサーブの出来次第で、この試合に勝てるか?勝てないか?が決まると言って過言ではないと言い、メンバーをコートに送り出した。


 SIEGの第一サーバーは、#2アシミちゃん。


 #2アシミちゃんは、ネット上方白帯ギリギリを通過する速くて低くて強いサーブを打った。


 パパクラブBは、そのサーブに恐怖を覚えたかバックセンターがレシーブすることをためらい、あろうことか避けた。


 ボールはエンドライン手前に落ちた。


 #2アシミちゃんのサービスエース。


 陽介はベンチでガッツポーズ。


 SIEGのメンバーも両手を上げてガッツポーズをして#2アシミちゃんの所に駆け寄り、全員が肩に手を回し一瞬円陣を組み、「せ~の、SIEG!」とかけ声を掛けた。


 しかし、主審が小刻みに吹笛を重ねている。


 陽介はキャプテンの#4イッちゃんに、何事の吹笛なのか主審に質問に行かせた。(試合中主審に質問を出来るのは、コートの中にいるキャプテンのみ。というルールであった。コート内にキャプテンマークを付けている選手がいない場合は、主審・副審共にコートの中の誰がキャプテンマークを付けている選手の代わりのコートキャプテンなのかを、ラリーが始まる前に確認をしなければならなかった。)


 主審に質問を終えた#4イッちゃんが、けげんそうな面持ちでベンチの陽介の近くまで来て、「#2アシミちゃんのサーブがネットに触れたので、第2サーブになりますとのことです。」と伝えた。


 同時に#4イッちゃんの話しを聞いたSIEGのメンバーは、全員「えぇ~~~!」と言って不満げな声を上げたが、陽介は「切り替えて!、切り替えて!」と諭し、さらに第2サーブを打つ#2アシミちゃんに「2本目は絶対にミスしないサーブを打ってぇ~!」と伝えた。


 #2アシミちゃんの第2サーブ。


 #2アシミちゃんは、陽介の指示を守るかのように緩いサーブを打った(言い方は悪いが、ただ相手コートに入れるだけのサーブ)。


 しかし、#2アシミちゃんの強烈な第1サーブが功を奏していたか、パパクラブBのハーフセンターが腰を引いてレシーブ。


 腰を引いた分、手の先にボールが当たり、ましてや体重の移動が後ろになってしまったため、ボールは上に上がらずコートに直ぐ落ちた。


 #2アシミちゃんのサービスエース。


 今度こそとばかり、SIEGは#2アシミちゃんの所に駆け寄り全員が肩に手を回し「せ~の、SIEG!」と大きな声をかけた。


SIEG1-0パパクラブB


 陽介は、パパクラブBのコートを見ていたが、どうやら#2アシミちゃんのサーブが以前の練習試合とは違うと感じた様子で、皆おびえたそぶりしていた。


 「#2アシミちゃ~ん、いいぞ~、もう1本強いやつ打って~!!!」と陽介はベンチから声を出した。


#2アシミちゃんのサーブ。


 今度はネット上方白帯スレスレとはいかないものの、速くて強いサーブを打った。


 パパクラブBは、バックセンターがレシーブを試みたが、はじかれた。


 見逃せば、アウトだったかもしれない。


 いずれにせよ、#2アシミちゃんの連続サービスエース。


 SIEGの面々は、再び#2アシミちゃんの所に駆け寄り「せ~の、SIEG!」と言って声がけをした。


 最下部に所属しているSIEGにとっては、これ以上ないすべり出しだ! 


SIEG2-0パパクラブB 

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