弱小チームなら、どのチームにもある悩み 1
イッちゃんとフサエちゃんがバレーの話しをしたいと言うので、「僕はボールの無い所でバレーの話しはしたくありません。今度の練習試合の時に話しましょう!」と一旦は断った陽介であったが、2人の懇願とフサエちゃんの「酒はおごる!」と言う言葉に負けて、その日の夕方練習場所(公民館)近くのファミレスに出向いた。
陽介は約束の時間より少し前に指定のファミレスに到着したが、イッちゃんとフサエちゃんは既に到着していて、手を振りながら陽介に自分達が座っている席をアピールした。
陽介は、4人用のテーブルに2人並んで座っている向かいに座り、「早速だけどどんな話しなの?」と聞いた。
するとフサエちゃんが、「その前に生ビールは如何ですか?」と言って来た。
陽介は、「是非!」と言いたかったが、話しの内容が深刻なものだといけないと思い、「取り敢えず話しの内容を聞いてからにするよ!」と引きつりながら返事した。
イッちゃんが、「では、お話しさせて頂きます。いや、相談させて頂きたいんです。」と言った。
話の内容は、
①今度のパパクラブさんとの練習試合は、どのようなポジションでやるのか?
②私達は主審や副審を出来る者がいないが大丈夫か?
③ボコボコにされて負けたら自信が無くなりそうだが、大丈夫か?
④これが一番問題!と言い置いてから、最年長の新井さんの件で…。
と、大まかに4点だった。
陽介は、「①については、おおらか杯でのポジションを基本にして、先ずは皆さんの実力をゆっくりと分析したい。もちろん練習でも言ったが、負けた原因はポジション云々ではなくバレーボールを競技として行うための基礎的な技術や動きが足りないと感じているので、それをふまえて今後の練習で何をどのようにやって行けば良いのか、僕なりに見てみたい。」
「②については、僕が審判が出来るので問題ない上に、パパクラブさんは人数が多いときいているので、最悪はパパクラブさんに主審・副審・点数表示をやってもらい、SIEGは出来る範囲で線審をやればいいと思うので、心配はないと思う。」
「③については、①で言った事が前提ではあるが、僕が監督になってからの練習はまだわずかな回数しか行っていない状況で、今出来ることを精一杯すれば勝敗などどうでも良いと思っている。もちろん勝てればそれにこしたことはないが、例え0-21で負けても全く問題はないので大丈夫。それに自信が無くなるほどSIEGに技術はないし…。」
「④については、具体的に話を聞きたいので、酒を飲みながら話をしよう!」
と言った。
2人は、陽介が「自信が無くなるほどSIEGには技術がない」と言う言葉にショックと不満を表したが、取り敢えず生ビールを3つ、つまみにポテトを1つミックスピザを1つ注文して新井さんの話しを始めた。
2人の話しによると、
Ⓐ新井さんはSIEG創部メンバーで、年齢は65歳を越えようとしている。
ⒷSIEGのメンバーが若いので、新井さんとのジェネレーションギャップがあり、あまりうまく行っていない。
Ⓒジェネレーションギャップ以外にも、新井さんは個性的で正直言ってやりづらい。
Ⓓ年齢的なのか個性的なのか、たいしたプレーも出来ないのにどうしても試合に出たがる。
Ⓔただし、公式戦の時に作って来てくれる手作りの差し入れは、非常に美味しい。
との内容だった。
陽介は、「どこのチームにも色々な事情があるんだなぁ~。」と思いながら、テーブルに届いた生ビールを一気に飲み、おかわりを頼んでから話しを始めた。




