↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
色惚けSIer  作者: みるく
PR
8/9

新人はできないものなんです

果たして、有坂恵は希望の営業ではなく人事部教育グループに配属された。

発表は五十音順だったから早い方だった。人事部だけでも珍しいのに教育グループは異例中の異例で、周りの同期がどよめいた。

ちょっと珍しいぐらいが好みの有坂恵は、満足していた。本当は世の中の不便を改善するために営業になりたかったのだが。


有坂のデスクは、新入社員研修で人気のあった上司と先輩たちに挟まれた。

呼ばれて会議室に行き、女性の上司を紹介された。

美人とは言えないがお洒落で人のよさそうな、アラフォーの女性だった。

有坂が初めての部下らしい。

有坂は好感を持った。


そして恵は宣言通り同期と結婚し、名字が変わったものだから、研修で世話になった十歳上の先輩は恵を愛称で呼ぶことにした。


人間関係は良好だった、昼休みにNHKの英会話を上司と練習してみたり、和気藹々としたグループが恵は本当に好きだった。経理伝票の処理、一般社員から提出されたデータのチェック、それらの仕事を恵は愛した。


しかし有能なSEだった上司は知らなかったのだ。恵が致命的にIT能力がないことを。


なんと、恵は最初に、教育グループが使う経理システムの0からの構築を依頼されたのだ。しかも一人で。

研修でやったからできるよね、と言われるも、当然恵は行き詰った。

これはこうすればいいんだよ、と質問に答えてもらったからにはこの書類はできるはず。

完成品しか提出できないと思い込んでいためぐみは、にっちもさっちもいかなくなって、勤務中にネットサーフィンをしたり、トイレに何時間もこもるようになった。

会社も休みがちになり、どんな仕事ならできるの、という問いにも、恵は答えられなかった。


 忘れていたのだ。

「世の中を便利にしたい。ストレスフリーな社会にしたい」

という思いで就職活動していた初心を。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。