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第二話 悪い奴


「転生させようとしてるだろ」


「いやいや、そんな事ないですよ。それじゃあ、天国の良い所も言いましょうか? まず、天国はお花畑がクソ綺麗なんですよ。そのクソお花畑の周りをちょこまかと飛び回ってるクソ天使共のクソ笑顔もクソみたいに良い感じですし、あいつらの頭の中のお花畑もきっとクソ綺麗なんだと思います。どうです? クソみたいに良い所でしょ」


 負の感情たっぷりにそこまで言い切った天使的少女は、今までで一番綺麗な笑顔を見せた。俺はその笑顔だけはなんだか信用できる気がした。


「お前、天使とか天国が嫌いなのか?」


「いいえ、嫌いじゃないですよ。だけど、正直つまんないですよね。毎日が退屈なんです」


「俺が異世界に転生すれば、お前は退屈せずに済むのか?」


「どうでしょうね。そこら辺はあなた次第ですよ」


 ここまで話してみた結果、俺はこの少女を一旦信じてみようと思った。要するに、天国って所はクソで、転生は楽しいって事を俺の中の結論としてみた。


「わかった。それじゃあ俺は転生を選ぶよ。ところで、さっき言ってた『超レアなスキル』はちゃんと貰えるんだろうな」


「モチのロンっすよ社長。ばっちり超レアなスキルをプレゼントしますってば、心配しなさんな。それじゃあさっそく転生の用意をするから目を瞑って下さいよ」


 天使的少女はそこまで言うと、何やらブツクサと呪文のような言葉を唱え始めた。というか、それは本物の魔法のようだった。少女の足元から光の波が起こり始め、その波がこの真っ白な空間全体に広がり始めている。


「俺が転生する世界ってどんなとこ――」


「ちょっと黙ってて下さい! 魔力を使うとすぐに見つかっちゃんですよ!」


 天使的少女はなにやら急いでるようだった。多分この様子だと何か悪い事をしているのだろう。ごく短い付き合いだが分かるぞ、こいつはきっとろくな事をしないタイプだ。


「やべ、もう見つかったのか。クソ天使長が!」


 少女が吐き捨てるように呟く。あぁ、もう確実だ。俺はどうやら天使達のルールに反する事、もしくは、何かの犯罪に巻き込まれているようだった。


「それじゃあ、行きますよ! 目を瞑って!!」




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