第41話:対談の風景
今回は、神権についてのお話です。
「武術大会に参加するって、どんな神権を使うんですか?」
未知の力…… 非常に興味がそそられる話題である。
超大物の皆さん、いったいどんな凄い力を持っているんだろうか?
「その説明の前に、神権について、幾つか情報を共有しよう」
「共有?」
「私たちからのお礼だと思ってね」
「…… はい」
どういうことだろ?
「各種族の守護神を任された私たちの基本的神権は、どうやらほぼ同じようなの」
「じゃあ、発展的神権や禁断型は……」
「発展は同じものも多い。禁断は、どうやら神によってほとんど違う」
「それは…… 知りませんでした」
「補足すると、土地神と僕ら守護神は、基本的神権も違うよ」
「…… それも知りませんでした」
「まぁ、同じ神権や、同じようなことができる神権を得ている場合もあるだろうけど」
じゃあ、アマテラやシヴァっち、アポロンやオロチくん、ツクヨミさん...... みんなできることが違う可能性があるってことか。
「例えばトールや僕は、元土地神なんだ」
雷の神と海の神ですよね。
転生前にも、同じ名前の超メジャー神様がいましたから、何となくわかります。
「土地神時代に獲得していた神権もあるんだ。例えば僕の水や空気を操る神権だね」
「私には水や空気は操れないわ」
「なるほど…… 」
「我は雷と熱を操れるじゃん!」
おっと、トールさん、このトークに参加ですか?
あ、違うか。また飲みに行くんですね。わかりました……
「まぁトールみたいに、一部の神権を公言してる神もいるけどね」
「それって、抑止目的ですか?」
「そうだよ。でも、彼も神権の全てを明らかにしてはいない」
「本来なら、獲得した神権は秘密にしておくものよ」
「神々の争いになった時に不利だからね」
「そっか。神々も戦うんですね」
「それを好む神もいるよ」
「あぁ…… なるほど」
シヴァっちとかそれっぽい。
アマテラがよく口にする1000年何とか…
実際に起こったことがある闘争なんだろうな。覚えておこう。
「守護神に限れば、基本と発展は共通性が高い。守護神業務に関わる神権だからね」
「なるほど……」
「それで、最初の質問に戻ろう。敵役になるには……」
「3つの発展的神権を組み合わせるのよ」
3つか… なんだろう。
自分の神権を思い出してみる。未獲得のものも含めると……
「神権付与、生物創生、生まれ変わりて予言者となる?」
「その通りさ」
「さすがね」
こういうことのようだ。
まず、③生物創生を使って、自分が宿る自種族の体をつくる。
そして、①神権付与で、神の力をその体(自種族のもの)に宿す。
最後に、⑥生まれ変わりて予言者となる[英雄爆誕]で、その体に宿る。
「ここからが、君への報告事項なんだけど…… 」
「試してみたの。神殿内、つまり君でいうダンジョン内なら、可能だったわ」
「なるほど…… 」
武術大会の舞台を、神殿増設で空間拡張すればいいわけだ。
「しかも生身だから、痛覚があり、体に限界がある」
「それって、デメリットなんじゃ……」
「メリットだよ。僕らにすればね」
「なぜでしょう?」
神々は一様に、M仕様なんだろうか?
「神々の闘争が1000年も続くのは、互いの神体が頑丈だからさ」
「ダメージを蓄積するか、相手に神権を過剰使用させて神体を崩壊に追い込むの」
「なるほど… 」
でも、さっきのやり方なら、神権で強化可能な部分もあるんだろうけど、基本、生身ということになる。怪我もするし、体の機能が停止することもあるってことか。
「試しにトールと僕とラグナで戦ってみたけど、久しぶりにワクワクしたね」
ちなみに、バトルで身体が滅んでも、問題ないとのこと。
無事、自動的に神体に戻ったそうだ。
それにしても、なんとも過激な実験である。参加せずに済んで良かった……
どちらにしても、オレは①の神権貸与と⑥[英雄爆誕]をまだ獲得してないから、無理なんだけどね。
「この神権を組み合わせられる神々同士なら、1000年闘争も変わるでしょうね」
なるほど。そうなる可能性はある。
神々の闘争も、時短の時代に突入するかもしれない。
「では、残された話題の一つ。願いとは何でしょう?」
個人的には、ここが一番気になる。
大物神様たちが、このオレに、何を望むというのだろう。
「僕らの参加を認めてほしいんだ」
なるほど。勝手に乱入する気はないということか。
初心者神様のオレを守護神の新たな仲間として迎え、敬意を払ってくれているということなんだろうな。
皆、いい神様たちなんだ。
「ダンジョンも武術大会も君の功績だからね」
「君のドクトリンに、私たちの参加がそぐわないなら… 」
「1000年闘争かな?」
一瞬で、いろんなところがヒュンってなった。背筋も伸びる……
有名な先輩方と戦うつもりはありません。
そもそもオレ、バトル向けの神権持ってないですし… 勝てる気がゼロです。
「ふふっ…… 冗談よ」
「君の味方になってる土地神たちは、手強いからね」
「ハハハ……」
「だからこそ戦ってみたい気もするけどね」
「……… ハハ」
本当に冗談ですよね?
もはや乾いた笑いしかでてこないんですけどオレ……
「あと、最後にお礼をもう一つ」
「何でしょうか?」
「解析の神権が出たら、獲得をお勧めするわ」
「どんな神権なんですか?」
「君がこの星を楽しむための神権さ」
「わかりました。覚えておきます」
「じゃあ、次は私の番ね」
「アフロディーテさん、こんにちは…」
「ディーテってよんで?」
「ディーテさん?」
「おい。カイトを独占するのはよくないぞ?」
「我も参加するじゃん!」
ラグナとトールも加わり、礼を伝えてくれる。
そうだ。
せっかく皆さんそろっているのだから、神様業について教えてもらうことにしよう。
超大物で経験豊かな皆さんが、どんな感じで神様業をしているのか……
とても興味がある。
最後までお付き合いくださりありがとうございました!




