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マッチとポンプで異世界神様業  作者: ゆうと
第Ⅰ部:ダンジョン創設編
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第13話:難易度調整は真剣に

 

「Q1.ダンジョン内にロココグッズが本当に設置可能か?」

「可能でございました」

「じゃあ次。Q2.ヒュム族がそれを集落に持ち帰って使用可能か?」

「こちらも、食べ物は可能でございました。ちなみに、接種後のシミュレーションを実施。ロココ桜餅を週に2度、定期摂取した場合を想定。人々に害はなく、栄養状態の改善を確認」

「……っしゃあ!」

 グッと両手に力を込めて、気が付いたら叫んでた。

 そのまま、ロココさんと目を合わせることなくハイタッチ。


 何人かのヒュムの住まいで実験した。

 本人たちの気が付かない程度の大きさだけど、勝手に神殿増設の神権を発動し部屋を拡張。

 拡張されたスペースは異次元なわけだけど。

 そこに桜餅(ロココさんがこれがいいと言ったので)を置いてみた。最初はピンク色の物体におびえてたけど、ヒュムの食文化にも餅に似た食べ物があるようで。

 最後には皆、美味しそうに食べてくれた。

 ちなみに、ロココ(特製)桜餅には、ヒュム族の栄養に必要なビタミン等をマルチ配合してある。このあたりは、地球の人間と同じもので大丈夫だったから助かった。

 しかも味に変化なし。さすがロココさんだ。

「これでダンジョンの試作準備が整いましたね」

「うん! 」

「おめでとうございます」

「ロココさんのおかげです。ありがと! 」

「その通りかと」

「え!? 」

「冗談です。ちょっと、調子に乗ってみました」 

 クスクスと楽しそうに笑うロココさんの背中を、仕返しとばかりにザリザリザリリしてやる。すると、どちらともなく爆笑が始まった。

「場所の目星はつけてあるんだ」

「集落の外れにある洞窟ですね」

「ご明察です」

 ロココさんの真似をして、恭しくお辞儀しながら答える。

「さっきの仕返しだよ」 

「これは一本(いっぽん)とられました」

 ロココさんが楽しそうに笑ってくれて、オレも嬉しい。

「で、これが増設する部分…… つまりダンジョンだ」

 <いい感じボード>に触れて、脳内で描いた設計図を投影する。

 本当に便利だ。一家に一台、いやもう各部屋に一枚、絶対に欲しい。

「試行だから、短めで。地下三階がゴールね」

 ドキドキ入ってきたダンジョンの入り口付近で、攻略者は見つけることになる。

 ロココ桜餅ニ個入りパックが台の上に鎮座しているのを!

 第一階層階は準備フロア。

 天井にミニ天使像を設置した。

 この可愛い天使が伝える指示を適切に理解して歩けば、次への階段が登場する仕掛けだ。

 指示は、「右利きの場合は右の通路へ、左利きは左の通路へ。ただし、15歳未満の子どもは、必ず真ん中を通ること」と、かなりわかりやすくした。

 まずは、情報を的確に理解して行動できるかどうかの確認する。

 そして彼らに、情報を理解することの重要性を学んでもらうことが目的だ。

 第二階層は、少し大部屋にした。

 同じく指示を聞いて、適切にその情報を理解できれば、次への階段が見つかるようにしてある。

 ただし、指示はもう少し複雑にした。

 右足からこのフロアに入った場合は、右の通路へ。

 左足からこのフロアに入った場合は、左の通路へ。

 どちらかわからない場合は、真ん中の通路へ。

 ちなみに、真ん中を選択した場合は、一階の階段前に戻るように空間設定した。

 これは、将来、複雑な迷路のようなダンジョンに挑戦することを見越しての課題だ。

 ダンジョンで迷子になったり、同じ罠に繰り返しかかったりしないようにするためにも、自分の行動を記憶することの重要さと、自分の行動に慎重になることを学んでもらうことが目的だ。

 記憶やマッピングは、RPGゲームでダンジョン攻略をする際の基礎基本でもあるしね。

 最後のフロアは、大部屋にスフィンクス像を設置…!

 スフィンクスさんの質問に答えられればクリアとなる。

 最初は、スフィンクスに問題を彫ろうと思ってたんだけど...... なんと! 単純な動作設定なら可能なようだ。おもちゃのペットっぽい動きだけどね。

 難しいことはできないけど、ダンジョン的にはできることの範囲が増えたと思う。

 スフィンクスさんには、音声でヒュムに質問をしてもらうことにしよう。回答を記録し、解答例に応じてクリアかどうかの判定もしてもらう。がんばれスフィンクスさん!

 残すは、、、肝心の問題づくりである。

 これがなかなかに難しい。<いい感じボード>に書いて、今も最終案をロココさんと検討中である。


======================


『午前中なら家にいて、午後なら外にいなければならない。時間のわからない時、あなたはどうする?』


======================



「なかなか面白い問題だと思うんだよね」

「なるほど」

 正解は一つじゃない。

 一文めは主語がない。だから誰がそうしなければいけないのか設定されていない。

 また、例えば‘その条件のもとで’みたいに、一文めと二文めをつなぐ言葉もない。だから、一文めに縛られて二文めの質問に答える必要はない。


 こう考えた場合、時間を確認するためにどうするかだけ答えればいいことになる。

 太陽の位置を見るとか、太陽が沈むなど時間が明確にわかるまで動かないといった回答をOKとする。そして、‘時間なんて気にしないからどうもしない’‘自分には関係ない’もOKだ。

 誰が家や外にいないとダメなのかが、不明確な問いになっているからだ。

「あと、今いる場所の指定もございませんね」

「そうそう」

 だから、家の中に戻るべきか、外に出るべきかもわからない。

 よって、‘今いる場所がわからないので判断できない’‘まずは現在地を確認する’系の回答もOKってことにする。

 ザックリ言うと、焦って「家にいる!」 とか、「散歩に出る!」と適当に答えなければいいわけだ。解答時間の設定があるわけじゃないし。

「他にも面白い回答があるかもしれませんね」

「うん。解答例以外の場合は、こちらに情報を回してもらうように設定して。その都度、二人で判断しよう。試作ダンジョンだしね」

「楽しみが増えましたね」

 ロココさんは、ワクワク感を隠しきれてない。

 桜餅でも食べながら、挑戦者の様子を一緒にみよう。RPGプレイのライブ配信を視聴してるっぽい感じになると思う。

 オレも楽しみだ。

「それで、攻略の報酬はどのように?」

「そうなんだよ」

 報酬は、ロココ桜餅二十個セット。

 あと、ラッキーチャレンジ的なものを用意しようと思う。

 妖怪は出ないけど、よく見るあのマシーンを設置してみようと思うんだ。ダイヤルをひねってもらい、球体が落下してくるヤツだ。中身はヒミツだ。ふっふっふ……

「将来的には攻略者が、攻略できなかった者に、考え方のコツなんかを伝授してもらうようになればいいなぁ」

 後続の攻略者を教え育てた者には、何かしらの報酬が必要だろうか。

 それとも人々の感謝の気持ちやお礼の言葉などで満ち足りるものだろうか。

 う~ん、、、このあたりは要検討だな。

 あと、リピーターが出ないようにしたい。一度攻略したものには、同じダンジョンからは攻略アイテムが手に入らないようと伝えよう。

 そして、この質問にはこう答えろ! 的な一問一答にならないように、問題はやっぱり、攻略者が出るたびに変更しなきゃね。考える力を育みたい。そのためのダンジョンだってことは忘れないようにしよう。

「こんなとこかな?」

「そうですね」

「ダンジョンの場所は、夢で逢えたらの神権で何人か集落の人に伝えよう」

 さてさて、どうなることか…… 正直とても楽しみだ!

 ロココさんはというと、桜餅や豆大福、コーヒーや緑茶などをテーブルに設置して、視聴準備を整えている。

 あれはきっと、ポテトを揚げたお菓子だ!! 食べた記憶は曖昧で思いだせないけど、どこか懐かしさを感じさせるパッケージだ。

 今日も最高ですロココさん…!

 





目を通してくださりありがとうございました!ダンジョン攻略(視聴)編、どうなることか。どうしようか...

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