剣を習おう8
親バカとでもいうのか、少し恥ずかしくなる。
肯定してくれるのは悪くないが手放しで全肯定されてもどうしていいか分からなくなる。
「そうですね……今後の方針を少し改めます。
基礎体力をつけることを考えていましたが今の感じ動けないわけでもなさそうなので体力をつけつつも剣の鍛錬にも入りましょうか」
すでにアリアの息は整っている。
両親が亡くなる前は平民だったアリアは割と外でも遊ぶ子だった。
なので体力としてはない子じゃなく、回帰して以来屋敷の周りを走ったりとできる範囲で体力をつけてきた。
さらに走ったりして体を動かすと関連したスキルのレベルも上がる。
走法や体術が上がるとほんの少しだけ体力もスキルのおかげで上がるのである。
「礼儀作法の先生も来るから無理はしないでやるんだよ?」
「はい、分かりました」
オフンの中でもアリアの評価は上がった。
いきなり降ってわいた貴族令嬢の剣の指導の話に気乗りしていなかったが真面目に指導を受けてくれそうならアリアは悪くなさそうだと思っていた。
アリアは真面目にオフンの指導を受けた。
オフンの方も意外と指導が上手くて一から丁寧に教えてくれる。
やや厳しいところはあるが理不尽に鞭で叩くような真似をせず、どうにか理論的に説明しようと言葉を尽くしてくれていた。
理解が早いアリアだから良い側面もあるけれど指導者と生徒としての相性が良かった。
オフンもベラベラと会話するタイプでないこともまたアリアにっては好感触だった。
寡黙な先生を不安に思うような人も世の中いるがアリアは根掘り葉掘り聞いてこない方が好ましく思っている。
朝ランニングをするのにもオフンはしっかり自分も走って付き合う。
ただ偉そうに指導を上から押し付けるのではない姿勢もまた良い感じだ。
今のところ洗脳めいた話もなく、ケルフィリア教に関わっている雰囲気もない。
こうして剣の鍛錬を続けながら時々ディージャンやユーラと練習試合をしたりして剣の腕を磨く。
時に気持ちが先行してオーラが出かけたりすることもあるがオーラを使わないで剣術をコツコツと頑張っていた。
焦ることはない。
まだまだアリアは若いので続けていけば強くなれる。
仮想の敵として思い描くのは黒いオーラを使っていたケルフィリア教の男である。
どの程度のレベルにあるのかは分からないが非常に高いレベルでありそうだったことは確かである。
その喉元に剣を突き立てる日まで待っていろ。
アリアはひたすらに剣を振る。
その真面目さにディージャンやユーラも自然と負けられないとより鍛錬に取り組むのであった。
ユーラもややレベルの上がりが遅かったけどアリアにっては刺激されたのか剣術のレベルが負けないように上がり始めた。
2人がより強くなってケルフィリアに対する刃になってくれればいいなと思わぬ影響にアリアは怪しく笑っていたのであった。
『剣術のレベルが上がりました。
剣術レベル6→7』
『体術のレベルが上がりました。
体術レベル4→5
フリーレベルを1獲得しました』
『走法のレベルが上がりました。
走法レベル2→3』
『根性のレベルが上がりました。
根性レベル0→1』