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物語のはじまり

段落前空白入れました。すっかり忘れてました。すみません。


「あぁ!今日も可愛いし格好良いとかなんなの...ビジュ爆発してない?ねぇ、みんな、私の目ちゃんとある?破裂してない?」


「りびのめあるー!」

「おめめあるー!」

「バーンしてないー!」


「よかった、それにしても今日も推し、顔面優勝過ぎる...」


「おしー!」

「ゆーしょー!」

「いちばーん!」




 燦々と輝く太陽の光が柔らかな木漏れ日を落とす午後、手乗りサイズの謎の生物三匹を膝に乗せ、高性能双眼鏡を手に太い枝へ腰掛けている令嬢。


 何を隠そうれっきとした辺境伯令嬢の私、オリヴィア・クローデルである。




 え?貴族令嬢が木の上で何をしてるか?

 膝の上の謎の生物はなんなのかって?




 いいでしょう、その疑問、順番にお答えします!




Q1.辺境伯令嬢が木の上で何してるの?(15歳/男性)


A.いい質問ですね、これは前世から続く推し活です!




「お疲れ様でしたなんて労わってくれる笑顔最高じゃない?あんな笑顔向けられてルカたんに惚れない人いる?いくら貢げばいい?いくら貢げばお嫁さんに来てくれるかな??」


「おしー!」

「みつぐー!」

「およめさーん!」




 推しの笑顔プライスレス。


 推しの毛穴まで見ようとこつこつ貯めて奮発して買った高性能双眼鏡に映っているのは王都にあるギルドの受付担当ルカ・フェルナー。


 柔らかそうなストレートの茶髪、優しげな黒い瞳。


 派手さはない、だがそれがいい。

 刺さる人には刺さる地味で素朴な受付のお兄さん。


 彼は前世読んでいたBL小説の受けである。


 原作の物語は王道。

 何にも興味を持てないヒーローがルカと出逢い一方的に執着し溺愛する話。

 まさに執着ドSヒーローによってルカが絡め取られるのでは?!なところで更新停止。無慈悲である。お願い!作者さん仕事して!!



 失礼取り乱した。

 気を取り直して質問の続きいくよ。




Q2.さっきから茶々入れてる膝の上の謎の生物は何?(20歳/男性)


A. いいところに気づきましたね、この子たちのことは正直私もよくわからないけど5歳からのズッ友です。




 え?何を言ってるのかわからない?


 安心して、私もよくわからないから。



 この謎の生物、術式ちゃんは私が魔法を発動するために術式を書くとぽこんと出現する。


 今は3匹だけど総勢20匹、大所帯である。


 それぞれ微妙に個性があって、そしてなによりなかなかにうるさい。

 気分は幼稚園児をまとめる保育士だ。




Q3.その高性能双眼鏡はどこで買いましたか?(31歳/男性)


A.推しの実家、フェルナー商会で購入しました。



 原作にも出てた情報、"ルカは商会の三男"をもとにフェルナー商会を探し出しお布施しました。

 みなさんも何かご購入の際はフェルナー商会までどうぞ!




Q4.さっきから言ってるそれってストーカーじゃないの?(18歳/女性)


A.違います!


 ストーカーは相手に迷惑をかけますが、私は見ているだけです。


 YES推し活NOタッチ!


 これはストーキングではなく立派な推し活です!


 ちなみに私は同担拒否のリアコ勢じゃなくて同担大歓迎!推し健やかに幸せに過ごせ!ってタイプのオタクです!あしからず!!




Q5.原作の攻めは?(17歳/女性)


A.います。すぐ隣に。助けて。



「りびー」

「くろいのきたー」

「みつかったー」



「ここにいたのか」



 音も立てずに枝に飛び乗り私の横にしゃがみ込んだ濃紺の髪の大男。


 原作の攻め、謎の新人冒険者。



「ギルバートさん」



 一週間前にルカへの推し活を知られてからずっとこう。


 最初はギルド内のベンチ、次は窓の外、その次は植え込みの中。


 どこに隠れても必ず見つけ出してくる。


 なんなの?怖いんだけど、ほんとになんなの??



「よくこんなとこ登ったな」



 隣の大男は180センチをゆうに超えるであろう体を窮屈そうに屈めて地面を見下ろしている。



「ギルバートさん、何しに来たんですか」


「隠れられると追いたくなる」



 い、いやーーーーー!!!


 一個前の質問の18歳女性さん、貴方の言うストーカーとはこういう人を指します!

 よく覚えておくように!!



「そういうのストーカーって言うんですよ?!」


「お前には言われたくない」


「私のは清く正しい推し活ですってばぁ!」



 そう反論する私の目の前にぺらりと差し出される一枚の紙。



「な、何これ??」


「クエスト受注書」


「え?」


「やったー!」

「くえすとー!」

「りびとおしごとー!」


「受けといた、お前の分も」



 にこりともせず大男は言う。



「え?」


「行くぞ」




「ええええええー?!!」



 私の悲鳴が辺り一面に響き渡った。


プロローグ的なやつ。

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