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魔法なき世界の異端魔導士 ~冤罪で捕まりかけた大魔導士は異世界で自由気ままに人生をやり直すことにしました~  作者: 出雲大吉
第1章

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第024話 お魚さんです


 馬車が停まったので待っていると、商人のおっさんが顔を出す。


「まーた検問だってさ」


 やはりマリティアにも追手が来ているか。


「また? 出る時にあるのはわかるけど、入る時もなの?」


 イレーネがちょっと怒った感じで聞く。

 自分のことなのに……


「らしいね。そんなに大罪を犯した奴でもいるのかね? とにかく、兵士に逆らうわけにはいかないからちょっと待ってくれ」

「ハァ……了解。荷はどこで降ろせばいいの?」

「店まで頼むわ」

「わかったわ」


 イレーネが頷くと、商人が御者台に戻っていく。


「あちこちに追手を出しているようだな」

「みたいね。お金もかかるでしょうに……」


 メンツかねー?

 たとえ、イレーネを捕まえたとしてもこうなった以上は殺すしかない。

 つまり向こうにメリットなんかないのだ。


「さっさと船に乗ろう」

「そうね」


 俺達が待っていると、少しずつ馬車が動いていっては止まるを繰り返す。

 そして、何度目かで馬車が止まると、商人のおっさんと兵士が覗き込んできた。


「客か?」

「ええ。3人しか乗ってないし、後は荷になる」

「ふむ。問題なさそうだな。行ってくれ」


 兵士は俺達を見たのだが、イレーネをスルーし、さっさと去っていった。


「ふう……ようやくか。申し訳ないが、もうちょっと付き合ってくれ」


 商人のおっさんがそう言って、御者台に向かうと、馬車が動き出した。


「もう17時を過ぎたわね……予定よりもちょっと遅れたわ」


 行きもだったが、ここでも検問で時間を食ったからな。


「この後はどうする?」

「本当は港で船の就航時間とかを確認したかったんだけど……もう閉まってるわね」

「仕方がない。明日の朝にでも行ってみよう」

「そうしましょうか」


 馬車は門をくぐると、町中を進んでいく。

 そして、馬車が止まった時にはすでに暗くなっていた。


「こんな時間になって悪い。荷を出してくれ」


 商人のおっさんに言われると、リーエが馬車から降り、カバンから荷を出していく。

 俺とイレーネもやることがないので荷台に乗っている荷物を下ろしていった。


「これでいいか?」


 すべての荷物を店の前に出すと、商人のおっさんに確認する。


「いや、悪いな。助かったよ。これは礼だ」


 商人のおっさんがそう言って、1万ソル札を渡してきた。


「ありがとよ」

「こっちこそ助かった。良い旅を」

「ああ」


 頷くと、商人のおっさんは店に入っていった。


「宿屋はどこだ?」

「こっち。ついてきて」


 イレーネの案内で町を歩いていく。

 マリティアの町はアルベンの町ほど人が多くないが、飲み屋が多いようで結構賑わっていた。

 ただし、巡回している兵士も多い。

 飲み屋街を歩いていくと、イレーネが立ち止まった。


「ここね」


 宿屋はそんなに新しくはないが、汚いということもない2階建ての質素な感じだった。


「空いてるかね?」

「聞いてみるわ。行きましょう」


 俺達は中に入る。

 すると、エントランスは受付と食堂が一緒になっているタイプらしく、すでに満席のようだった。


「賑やかですね」


 冒険者らしき者が多く、楽しそうに酒を飲んでいた。


「冒険者ばっかりだな」

「安宿だからね」


 俺達は受付にいるおばちゃんのもとに向かう。


「いらっしゃい。悪いけど、個室はもういっぱいだよ」


 盛況しているっぽいしな。


「3人部屋は?」

「それなら空いてる。朝晩の食事付きで1万ソルだけど、8000でいいよ。御覧の通り、いっぱいで夕食は出せそうにないんだ」


 空いててもここではあまり食べたくないな。

 すごいどんちゃん騒ぎなのだ。


「近くにおすすめの店はない? 安めで」

「ここを出て、右2軒隣の定食屋に行きなよ。1000ソルもしないよ」

「じゃあ、そこに行ってみるわ」

「ん。朝食は取りに来てくれたら部屋で食べてもいいからね。夜は汚すからダメだけど」


 酔っ払い対策か。


「わかったわ」


 イレーネが頷いたので8000ソルをカウンターに置く。


「これが鍵ね。2階の5号室だから」


 イレーネが鍵を受け取った。


「どうする? 先にぱぱっと食べに行く?」

「そうだな。腹減ったわ」

「行きましょう」


 俺達は宿屋を出ると、2軒隣の店に行く。

 外観は古かったが、汚いという感じではない。


「安そうだな」

「この町はこういうお店も多いのよ。でも、美味しいことが多いのよ。宿屋の人のおすすめだから大丈夫、大丈夫」


 イレーネがそう言うので店に入る。

 店はカウンターとテーブル席が2つしかなく、そんなに広くなかったし、お客さんもまばらにしかいなかった。


「いらっしゃい。3名様ならテーブル席にどうぞ」


 キッチンにいる大将がそう言うのでテーブル席につく。


「ふむふむ……」


 リーエがメニューを見る。


「安いのな」

「財布の中身をまったく気にしなかったヴェルナー様がすっかり甲斐性なしに……」


 ホントになー。


「いつか前の屋敷よりもでっかい屋敷を建ててやるよ」

「それは仕事のやりがいがありますね……日替わり定食が800ソルです。これが安価ですね」

「じゃあ、それで」

「すみませーん、今日の日替わりって何ー?」


 イレーネが大将に聞く。


「今日は焼き魚だよ」

「じゃあ、それ3つ!」

「はいよ」


 大将が調理を始めた。


「魚だってさ。良かったな」

「はい」

「2人はそんなに魚を食べないの?」


 イレーネが聞いてくる。


「俺達は内陸の出身だし、そこまでの冷凍技術もなかった。だからたまに川魚を食べるくらいなんだ」

「あ、そうなんだ。獲れたての魚は美味しいわよ」


 海がある県の生まれだったから知ってる。


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― 新着の感想 ―
ひょっとして、◯梨とか△木生まれ?www
ヴェルナーを冤罪で陥れようとした前の世界の国はどうなったんだろう?ヴェルナーという最高戦力を失っても大国を維持できているのかな?そして冤罪だったってバレた時どうなるんだろう
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