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マシックガールズ  作者: まーだ
第四章 メルメティック・シンドローム
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第53話 宿命の終止符

☆登場人物☆


『ロロ』

主人公。白いボブヘアの少女。瞳の色は水色。

「希望がなくても前に進む」と決心し、本物の魔法少女として覚醒。

エリアCという地獄から生還し、出会いと別れを繰り返しながら成長。

メルメルとの戦闘を経験し、さらに魔法が進化。

魔法少女形態【夢現の魔法少女】

白と黒と金色を基調とした高級感のあるドレス。様々な色の宝石が散りばめられている。

帽子は虚空に繋がっているため、端から見たら頭が欠損しているようにも見える。

羽のような大きな黒いリボンを背負っている。

使用武器は「夢現筆」

大きな筆のような武器。振り回して戦うこともできるが、この筆で描いたものは現実となる。

基本的に何でもできるため、夢現魔法と呼ばれる。


『ユイ』

奈落に住む少女。レンの妹。

黄色い髪に金色の瞳。姉とよく似ているが、髪は長くない。

「突然いなくなった姉を探す」という願いのもと、魔法少女として覚醒。

魔法少女形態【電気の魔法少女】

長めの黒タンクトップ一枚だけで非常に動きやすい衣装、所々青色に発光している。

電気を操る魔法を使うが、不器用なため姉のように電気で武器を生成することはできない。

そのため、ひたすらに出力を上げ火力にモノを言わせた攻撃を得意とする。




『レイス・アタラクシア』

天才研究員リンネの元助手。黒のポニーテールに黒い瞳。21歳の女性。

リンネの研究を引き継ぎ、「魔法少女病」の特効薬を開発している。

それなりに成果が出ている模様。「デミ化」手術の開発者であるが、「デミ」の闇については知らされていなかった。



『アビス』

レイスの助手、兼魔法少女。レイスと同じく黒髪に黒い瞳。

シロとクロが消えてから数日後、突然レイスの目の前に現れた。

本名はルシア・マキナ。魔法少女軍のメンバー。

リンネの実験台にされたクロエの復讐のため、自ら志願して研究室に潜り込んだが、

レイスに悪意が感じられなかったため、彼女の研究に協力するようになった。

魔法少女形態【空間の魔法少女】

黒いスーツのようなデザインの衣装。所々空間に溶け込んでおり、欠けているように見える。

虚空に身を潜め、疑似的な瞬間移動ができる。



『アルカ・ディアナ』

赤のメッシュが入った黒髪の少女。

探偵の服を着ており、どこからどう見ても探偵。

魔法少女形態【真実の魔法少女】

全身から青い炎が迸り、周囲を炎上させる。

物体に触れることで対象の過去を映像資料のように見ることが出来る。

サポート能力もさることながら、戦闘能力も高い。



『衛堂ミコト』

黒のショートボブヘアで赤い瞳の女性。

魔法少女だったが、暴走する親友を止め魔法少女を引退する。

その後は、より多くの人を救うため貧困地エリアBに教会を作る。


『エフィ』

シスターの長を務める少女。身元不明。


-----------------------------


『カイザー』

カウボーイハットをかぶった時代遅れの男。

目元は陰になっておりよく見えない。

ミコトの教会に住み着く浮浪者。

ミコトの教会をガールズバーに改装した変態。



『ガブリエラ』

ミコトの教会に迷い込んだ幼い少女。

金髪で透き通るような青い瞳をしている。




---------------------



『天道リンネ』

赤色のショートヘアで赤い瞳。

世界的に有名な研究者であり、魔法少女になってしまう病気「魔法少女病」の研究をしていた。

その正体は、天道カルマが作り出した亡き娘のクローン。

そのためメルメルと同様に何度でも復活する。



『メルメル』

リンネに仕えている魔法少女。

ピンク色のおさげに、黄色の瞳を持ち、黒い革ジャンを着ている。

他の魔法少女を寄せ付けない圧倒的な実力を持っている。

魔法少女形態【電波の魔法少女】

見た目に変化はない。

使用武器は「メルフォン」

持っているスマホを使ってアプリを起動することで魔法を発現する。

基本的にできないことはないが、電波が届かない場所だと使えなくなってしまう。

使用魔法は「メルメルト」

相手に触れることで対象をドロドロに溶かす。

こちらは電波が無くても使用可能。


『天道カルマ』

妻と娘を殺したトワに復讐するため、娘のリンネを利用し、

トワの娘と妻であるコハクとサクラを殺害する。

しかし、トワは既に娘も妻も見限っていたので効果はなかった。

その後はリンネと協力し、最強の魔法少女メルメルを作り上げる。


----------------------------

enemy


『トワライト』

人生の障害となっていたカルマの家族を殺すようにシルビアに命令する。

カルマが没落してからは、自身の才能をいかんなく発揮。エリア1のトップまで上り詰める。

リンネやカルマの動きを察知し、叩き潰すためだけに研究所に軍隊を派遣した。ついでに自分も来た。



『シルビア』

銀髪で赤い瞳、マフラーをしている。

魔法少女で構成された政府の秘密部隊「魔法少女軍」の最高戦力。


-------------


『リオン』

政府に反旗を翻す革命軍、魔法結社のリーダー。

ロロの旧友。


--------------

deceased


『トワコハク』

愛称はシロ。カルマの策略によってリンネと関わりを持ち、不幸になったうえで死んだが、

父親であるトワライトはノーダメージだったため、ただただかわいそうな子

「あれは、間違いない。政府の魔法少女部隊だ。」


ユイは建物の屋上から、その姿を視認した。

見間違えるはずもない、かつて戦った因縁の相手だ。


「こんなときに……」


ミコトは通信機を取り出し、エフィに連絡をした。


「エフィ、妨害電波装置は放棄して建物の外周を回って南側に避難して!」


『え?起動したばかりですよ?』


「いいから早く!」


ミコトは通信機を切ると、続いてユイに言った。


「エフィたちが施設の南に集合したら、あなたは彼女たちを連れて遠くへ逃げて。」


「私も?」


「うん。だれか一人は魔法少女がいないと心配だから。」


「じゃあ、ミコトさんは?」


ミコトは、だんだんと迫る政府の軍を見つめながら言った。


「私は……みんなを助けに行かないと……」


そう言い、ミコトは屋上の非常階段から、施設の中に侵入していった。


「ミコトさん……!」


ユイは呼び止めようとしたが、妨害電波を起動している以上、その場から動くことはできなかった。


----------


リンネのアジト、中枢。

いくつも並ぶ培養槽の中にリンネの姿をしたクローンが浮かんでいた。


レイスたちは恐る恐る進む。


「止まれ。」


レイスが後ろを振り向くと、リンネが銃を構えて立っていた。


アビスが剣を構える。

レイスはその前に立ち、アビスに剣をおさめさせた。


「もういいでしょう、リンネ博士。」


「よくない……、邪魔はさせない……」


レイスはリンネに近づく。

リンネはレイスに向かって発砲した。


弾はレイスの右肩を掠った。


「近づくな…!!」


それでも、レイスはリンネに歩み寄った。


「復讐なんて、しなくてもいいじゃないですか……」


「それだけが……私の……私の存在する理由なんだ……!」


「だったら……私のために生きてください!!」


レイスはリンネに向かって叫んだ。


「え……」


リンネは動揺して、持っていた銃を床に落とした。

レイスはリンネに抱き着いていた。


「私は……、あなたと一緒にいるだけで幸せだった!!だから、私のそばにいてください……」


「レイス……」


次の瞬間、大きな爆音とともに、部屋が揺れた。

抱き合っていた二人は一旦離れ状況を確認した。


「……爆撃だと?まさか……!」


リンネは空中に手をかざしモニターを出現させた。

そのモニターには遠方から榴弾を発射する戦車が映し出された。


「政府の軍が……なぜこの場所に……」


戦車が再び榴弾を放った。

部屋が大きく揺れる。同時に天井が崩れだした。


「レイス……!」


アビスがレイスの名前を叫んだ。

同時に、レイスは背中を押された。


「リン……」


レイスは後ろを振り返り、彼女の名前を呼ぼうとした。

しかし、呼び終わる前にその場所は落ちてきた天井によって埋め尽くされた。



--------------



幾度もの銃撃音、爆音、崩れる大広間。

ロロは立ち上がろうとした。


(早くここから逃げないと……)


意識があるものの体が言うことを聞かない。

魔力切れ。ロロにとって初めての感覚だ。


「魔力が……」


ロロは這いずりながら移動した。


「止まれ!」


ロロは体を反転させ、その姿を確認した。


装甲を纏った少女が三人。

魔法少女部隊。

なぜ、政府の軍がいるか理解できなかったが、ロロはその状況が絶望的であることを理解した。


「こいつが例の魔法少女か……!?」


(だめだ……終わった……)


ロロは諦めて目を閉じた。



その時。


「おいおい、僕たちの英雄様に手を出そうってのかい?」


少年の声と共に光の弾が放たれた。

三つの弾は政府の魔法少女の脳天を正確に貫いた。


「あなたたちは……」


建物の崩壊によって大きく開かれた大穴から魔法少女たちが飛び降りてきた。

各々、特殊な衣装を身に纏っている。

それはかつてロロと共に奈落から逃げ延びた魔法少女たち。

現在は反政府組織として活動している。


「魔法結社です。あなたたちを助けに来ました。」


「リオン!」


仲間がやられたことに気づいたのか、大広間に続々と政府の魔法少女が集まってきた。


「やつらだ!捕えろ!」


「ここは僕たちに任せて!」


リオンはそう言うと指先から光の弾を飛ばした。

自由に動く光の弾は敵の魔法少女たちを翻弄している。


「ロロ!」


そこへミコトがやってきた。


「彼女を頼みます。」


リオンはミコトにロロを託した。


「ええ。」


ミコトはロロを担ぎ上げ、部屋を後にした。


「相手は宿敵!存分に暴れるぞ!」


リオンが雄たけびをあげ、他の魔法少女たちを鼓舞した。


「魔法結社の出来損ない共だ!皆殺しにせよ!」


政府の魔法少女たちも反撃を開始した。



------------


瓦礫による砂埃が晴れた。

培養槽は割れ、液体と共にリンネだったものが肉塊となって散らばっている。

この世の物とは思えない悪臭がする。


アビスは二人の名前を叫んだ。


「レイス……!!アルカ……!」


アビスはすぐそばで二人が倒れているのを見つけた。

アビスはレイスの様子を確認した。

レイスは気を失っているものの大きなケガはしていなかった。


アルカは頭部を損傷していたが、魔力を使い再生をしている最中だった。


「よかった、二人とも無事みたいね。」


アビスが安心したのも束の間、静まり返った部屋に足音が響く。


「まさか、メルメル!いや違う……二人……」


アビスは警戒し、影に身を潜めた。

しばらくして、部屋にライフルを持った老人と白い髪をした魔法少女が姿を現した。


それはアビスにとって想像もできないほど最悪な事態だった。


(シルビア……!!)


かつて同じ部隊に従軍していたアビスはその魔法少女の脅威を理解していた。

迂闊に手を出せば間違いなく殺される。そんな恐怖がアビスに取り付き動悸を起こした。


(しかし、なぜ……)


彼らの目的はすぐに判明した。


「レイス博士。まさかこんなところに潜伏していたとはな。」


「回収しますか?」


「ああ、隣の魔法少女は適当に殺しておけ。」


「了解しました。」


シルビアが刀を取り出し、アルカの首にあてた。


アビスはもはやシルビアに対する恐怖など感じていなかった。

仲間をこのまま見捨てることの方がよっぽどの恐怖だったのだ。


「うおおおおおおっ!!!!」


アビスは虚空から飛び出し、シルビアに向かって不意打ちを仕掛けた。


魔法少女同士の戦いにおいて最強の戦法、それは不意打ちである。

相手がどんな魔法を持っていようが、不意の一撃に対応できなければ、魔法少女は人間にだって殺される。

アビスの魔法である虚空は、短距離を瞬時に移動できる便利な魔法であり、直接攻撃に使うことはできない。

しかし、虚空に隠れることで自身の存在を消せるアビスの魔法は不意打ちに最適であるといえる。


確実に殺せる距離。そのはずだった。


「馬鹿な……!!背中を向いていたのに……至近距離だぞ……!!」


シルビアは自身の刀でアビスの一撃を防いでいた。


「アビスか。」


シルビアはすぐさま追撃に刀を振るった。

アビスは回避しようとしたが、間に合わず致命傷を受けた。


「がぁ……」


決着はわずか数秒。

魔法の差か、経験の差か、その差は歴然だった。


アビスは最期の力を振り絞り、虚空を発動させた。

自身が逃げるためではない、レイスとアルカを逃がすためだ。


(レイス……にげ……)


しかし、その望みすらも断ち切られた。

アビスの虚空は、シルビアの刀によって真っ二つに切断された。


「そん……な……」


アビスの意識は途絶え、その場に倒れた。


「脱走中の魔法少女です。捕らえますか、トワ?」


シルビアはトワに聞いた。

トワは瓦礫の中にあるものを見つけていた。


「ふん、すでにくたばっていたか……天道リンネ。」


リンネは瓦礫に埋もれ死んでいた。

クローンも全滅しており、復活している様子もない。


「まあいい、カルマが残した技術。私がもらい受けよう。」


トワは近くのパネルを調べた。

暗号で書かれた文字を読む。


「自爆装置……すでに起動してある。抜け目のない奴め……」


「トワ?」


シルビアがトワの名前を再び呼んだ。


「レイスとアビスを回収しろ、帰るぞ。」


「はい!」


トワは踵を返すと通信機を取り出し命令を告げた。


「全隊員に告ぐ。速やかに帰還せよ。」


シルビアはアビスとレイスを担ぎ、トワに続いた。


「これで、ようやく終止符を打つことができた……」


トワはそう吐き捨てた。



--------------------



「こんどこそ、本当に私たちの復讐は終わりだ。私たちの負けだな……」


「父さん、私は役に立てましたか?」


「リンネ……すまない……」


「父さん……?」


「私は偽物のお前を、どうしても愛することができなかった……だから……!」


「もういいですよ。別に。」


「え……?」


「こんな人生でも、そこそこ楽しかったですから!」



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