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「殿下、さっさと仕事に戻ってください。生徒会長がいなくちゃみんな困ってるでしょう!っていうか、仕事が嫌で逃走したんじゃないでしょうね?」
「逃走できればしたいけど、しないよさすがに。リードルの妹の顔を見てくるって言ってちょっと出てきただけだよ。行先は同じだ。講堂に一緒に行こうか」
……何故だか、4人で並んで講堂に向かうことになった。……明らかに、他の生徒たちの視線がこちらに向いています。
そりゃそうだよね。皇太子だよ、皇太子、みなさぁーん、本物の皇太子ですよぉ!……うん、見るわな。見る見る。
新入生の皆さんは顔をまだ知らない可能性はあるけれど……王都のお茶会とか出ている人なら知ってるのかな?
顔を知らなかった私が特殊事例……汗。
「そうだ、遅くなったけれど、入学おめでとう。俺……いや、私はこの学園で生徒会長を務める3年のカインだ」
カイン第一王子殿下。そうそう、皇太子の名前はカイン……やっぱり皇太子だった!
「お初にお目にかかります。リードルが妹、エリエッタと申します。いつも兄がお世話になっております」
「うん、よろしくね」
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にこにこと殿下がエリエッタに言葉を返した。次は私、私も挨拶をしなくては。ううう。37年生きているというのに、全く社交の場に出ていなくて、学園にも通っていなかった上に、マナーの教育を受けたのはおよそ20年以上昔……。
緊張しますよ。
「義妹のリアと申します。いつもむすこ……(しまった!)の……ように、義兄がお世話になっていると聞いております」
ふぅー。危なかった。
カイン殿下が、リードルの顔を見た。
「何、お前のこと、俺は息子だなんて思ったこと一度もないぞ?もしかして、リードル、家族に俺のこと子供のように手がかかるとか言ってないだろうな?」
あれ?
「いえ。言っていません。いくら事実として子供のように手がかかるとしても、わざわざ家族に仕事が嫌で逃げ出した殿下が屋根裏に隠れていたのを探し出すのに1時間無駄にしたなどと報告したりはしません」
「屋根裏に隠れてた?」
エリエッタが目を丸くしている。
「あー、あの時はさすがに悪かった。すぐに戻るつもりだったんだが、屋根裏があまりにもポカポカして気持ちがよかったものだから、寝てしまった」
え、え、え?
皇太子が……屋根裏で……ぽかぽか気持ちがいいから、猫のように丸まって(とは言っていない)、お昼寝してたの?
「か、かわいい……殿下……なんて可愛い」
思わずその姿を想像して口元を抑える。
普段どんな生意気を言おうと、無防備に幸せそうな顔して寝ている顔はいつだって可愛いわよね。子供とはそういう生き物……ふふふ。




