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チョビ!  作者: おりさくみづき
12/12

12 チョビ!

月日は流れて、チョビは15歳になりました。

人間の年齢にすると80歳くらいです。


犬にしてはとても長生きだと思います。


チョビは毎日のお散歩を楽しんでいました。

お薬も目薬も頑張っていました。


そんな4月のある朝の出来事です。

朝、ご飯をいつものようにチョビにあげたのです。


この日、チョビは食欲がない様でした。

お薬を飲ませなくてはなりません。


私は猫ちゃんのご飯を少し茶碗に入れてお薬を入れました。

するとチョビは喜んで食べてくれました。


でも、その時思ったのです。

今日が最後の日になるのではないかと。


朝、お散歩に行きたいと言うのでお散歩に行きました。

しかし、いつものように歩き回らないのです。


電柱の側をウロウロしているだけでした。

仕方がないのでチョビを抱っこして家に戻りました。


お昼ごろでした。

チョビの様子がおかしくなったのは。


チョビは自分のハウス、キャリーケースの中で気分悪そうに寝ていました。

この日はとてもお天気が良く気温も上がっていました。


私は暑いだろうと思いチョビにアイスノンを枕にしてあげました。

すると、気持ちよさそうに眠ってしまいました。


暫くは、寝ていたのです。

でも、段々と具合が悪くなっていきました。


午後3時を過ぎた時、私はチョビを自分のベッドにバスタオルを敷いて寝かせました。


最後の日くらい私のベッドで寝かせてあげたかったのです。


チョビは顔を見ると明らかに苦しそうでした。

敷いてあるバスタオルを見ると血便が出ていました。


私は今日、チョビは旅立つのだとその時感じました。

私はチョビを見守りました。


時間は夕方になっていきました。

私は夕飯を作るのも忘れていました。


優斗が帰ってくるのです。

夕飯を作らなければなりません。


でも、なかなか作れませんでした。

仕方がないので、コンビニに行ってお弁当を買ってきました。


夜の7時になった時、優斗が帰ってきました。


「チョビは今夜が最後かもしれない」

「え?マジで?」


「うん、今私のベッドで寝てるよ」


そう話すと優斗は私の部屋へチョビを見に行きました。

チョビはとても苦しそうでした。


「そうか…」

そう言うと優斗は黙ってしまいました。


私と優斗は買ってきたお弁当を食べるのも忘れてチョビに付き添いました。

私は、チョビを抱っこしてあげました。


抱っこしてあげてちょっと涙声で「チョビはいい子だね」と話してあげました。

優斗も隣で見守ってくれていました。


その時でした。

チョビは一言「わん!」と言うとぐったりしてしまいました。


私は「チョビ!チョビ!」と泣きながら話しかけました。

でも、チョビは何も言わずぐったりしているだけでした。


私はチョビが虹の橋を渡ったのだと思いました。

それと同時にわっと涙が出てきたのです。


私はチョビを抱っこしながら子供のように泣きました。

隣で見ていた優斗もすすり泣いていました。


時計を見ると夜の8時22分でした。

チョビは虹の橋を渡って行ったのです。


私はチョビを抱っこして夜の散歩をしました。

優斗も一緒についてきました。


夜空には大きな満月が輝いていました。

それをチョビと優斗と3人で見ていました。


満月は私の涙でにじんで二重に見えました。

まだ4月です。夜は少し寒いのです。


チョビを連れて優斗と家に戻りました。


私はチョビが我が家に初めて来たときに入っていた箱を組み立てました。

そこに、チョビをバスタオルに包んで入れてあげました。


「チョビもう、苦しくないね」

そうチョビに話しかけました。


チョビは何も言いませんでした。

優斗は横で黙ってみていました。


私はコンビニに行って花を買ってきました。

それをチョビの入っている箱の中に入れてあげました。


大好きだったおやつもたくさん入れてあげました。



翌日…。

わんちゃん葬儀屋さんがやって来ました。


チョビちゃんに最後のお別れをしました。

優斗も一緒でした。


わんちゃん葬儀屋さんの車にチョビを入れた箱を乗せました。

私と優斗はその車を見送りながら、深々と頭を下げました。


「チョビ15年間ありがとう。楽しかったよ。幸せだったよ」

私はチョビに見送りながらそう言いました。


「わん!」とチョビが返事をしてくれている様でした。

チョビ15歳9か月の犬生でした。


私も優斗もとても幸せな15年間でした。


チョビありがとう。

虹の橋の向こうでまっててね。


その時、またたくさん遊ぼうね。



おわり。



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