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僕はその日最後の嘘をつく  作者: 相模原
1/4

僕と彼女


ーー多分僕は最低の人間なのだろう。ーー


人には平気で嘘をつく、だからといって自分可愛さのためというわけでもない。

僕は自分が嫌いだ。なぜ、こんな人に平気な顔をして嘘をついているのかもわからない。



でも、そんな嘘つきな僕も良心はあった




・・・と思う。



なぜ、自信なさげかというと、それが正しいことだったのかたしかめることはもうできないからだ。



そんな最低で最悪な僕の最後の嘘の話をしよう。



冒頭で話したように僕は、息をするかのようにホラを吹く最低な人種であることに間違いはない、でも、彼女は何も知らない彼女は僕に話しかけてきた。


「すみません、道をお尋ねしたいのですが」


彼女は、目が見えないようだった。


「いいですよ」


僕は彼女には見えない笑顔をつくって答えた。

彼女を目的の場所まで、案内して僕は


「それじゃあ、お気をつけて」


なんて、柄にもないことを言う。


「あの、お礼か何かをしたいのですが」


彼女がそんなことを言い出した、僕は声色はそのままで少し気だるげな表情をし、


「大丈夫ですよ、そんな当たり前のことをしたまでですから」


これ以上彼女と一緒にいると、彼女にまで嘘をつくかもしれない、今までそうだったように


「そんなこと言わずに、あの、連絡先だけでも」


・・・・・・


数分のやりとりで先に折れたのは僕だった。


「そんな、初対面の男に無防備すぎますよ?」


なんて、言うと彼女は


「あなたのように親切な人に悪い人はいません!」


なんて、素っ頓狂な答えが返ってくるんだから、なんか調子が狂ってしまう。



ーーー数日後ーーー


僕は彼女との待ち合わせ場所にいた、これでも時間は守る方の人間であると自負している。

あの日、彼女に嘘はつかなかった、他の人には覚え込んだ台本の如く嘘が出てくるのに、なぜか彼女には嘘はつけなかった。


待ち合わせの時間になっても彼女は来なかった、数分後僕の携帯が鳴った。


「すみません、乗る電車を間違えてしまって」


彼女からの、遅れるという連絡に対し、僕は


「そこに迎えにいきますよ」


と、またらしくない言葉を言ってしまう。


「本当にすみません、ありがとうございます」


『ありがとう』この言葉を聞いたのは何年ぶりだろうか、他人との会話で帰って来るのは罵詈雑言が主だった。

歯痒い気持ちになりながらも、僕は彼女の元へ向かった。



ーーー彼女との合流後ーーー


「すみません、本当にすみません」


彼女は何回も謝った。あまりに彼女が謝るもので僕は思わず、笑ってしまう。


「なんで笑ってるんですか」


と頬を膨らませる彼女、そんな彼女が少しかわいいと思ってしまった。


その日、僕達は駅の最寄りの喫茶店で少し話をした。


彼女は、生まれつき目が見えないようだった、両親はとても優しく環境の良い家庭そだったようだ。

今は、目が見えないながらもマッサージ店で働いているという話を聞いた。


話に区切りがついた頃には、もう日がオレンジに空を染め上げていた。


「なにか、お礼をしたくて、今日お会いしたのに

また、ご迷惑をおかけしてしまって、私はどうすれば・・・」


そんな困り果てている、彼女を見て僕は


「じゃあ、また僕と会ってくれますか?」


なぜ、こんなことを言ったのかはわからない、でも彼女の側にいると何か変われるような気がしてならなかった。

というのは、建前なのだろう、きっとこの時僕は自分に嘘をついた、本当は彼女の表情、仕草、話し方全てが愛おしくなっていたのだろうと今思えばそんな感じだった。


初投稿で拙い文章で、ブラウザバックした方々の方が多い中、最後まで読んでいただいた方に感謝です。

短編に収めるつもりでしたが、意外と長くなりそうだったので少しわかることにしました。

最後までお付き合いいただき本当に、ありがとうございました。

完結するまで、お付き合いしていただくととても嬉しいです。

あと、アドバイスなど色々書いていただくとうれしいです。


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