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食べ終わってからしばらくそのまま喋って、そろそろ帰ろうって店を出る頃にはもう空が赤くなっていた。
「真尋、送ってくから」
「え?あ、う、うん」
真鍋先輩またそんなっ!!
って、ひとりで焦って。
透と友弥がニヤニヤしているのが見えた。
「じゃあねー、まーくん」
「まー、また後でな」
「光ちゃん、新井ちゃん、25日にねー」
駅へ向かう3人と、手を振って別れた。
「真尋、焦りすぎ」
「だ、だって………普通………焦りますよ」
ごにょごにょ言って、リュックから手袋とマフラーを取り出す。
「手袋はいらない」
「え?」
真鍋先輩が僕の手からマフラーを取って、僕をぐるぐる巻きにする。
手袋はしまえって言われたから、リュックにしまって、リュックを背負って自転車、真鍋先輩の後ろに跨がった。
「手、俺のポケット」
「え?」
「だから、手は」
腰から回そうと思った僕の手首を、真鍋先輩がつかんで、真鍋先輩のブレザーのポケットに、入れられた。
「ここ」
そのまま握られる、手。
真鍋先輩の背中におでこをくっつけて、目を閉じる。
ドキドキする。ドキドキ、してる。
「先輩の手、あったかいね………」
「そう?」
「うん、あったかい」
「俺は背中があったかい」
「………うん」
「帰るか」
「………うん」
手が、離れて。
自転車が、走り出す。
本当はもっと手を繋いでいたい。本当はもっと触れていたい。
もっと。
もっと、ね。
でも、もっとって、どれぐらい?どこまで?
何かとんでもないところまで考えちゃいそうで、そこで、考えるのをやめた。
「コンビニ、寄ってく?」
少し走ってから、真鍋先輩がそう言った。
「時間、大丈夫ですか?」
「大丈夫」
「じゃ、行く。もうちょっと一緒に居たい………」
思わず言っちゃって、言っちゃってから、うわーーーって恥ずかしくなった。
「俺、クリパ大丈夫か…………?」
「先輩?」
「いや、何でもない」
くすくすと笑う真鍋先輩の振動が、心地良かった。
一緒に出掛ける24日。
みんなも居るけど、真鍋先輩の家に泊まる25日。
26日は何時まで一緒に居られるんだろう。
27日から部活があるから………。
何で。
何で僕は1年なんだろう。
何で真鍋先輩は3年なんだろう。
考えても仕方ないけど。
ちょっとだけ、寂しくなった。




