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「まー、そういやさ、あれ、どうする?」
「あれ?」
「あー、あれね」
「あれって?」
「だからあれだよ」
「あれって何?」
「あれでしょ?」
「だからあれって何?」
「鈍いな、まー。あれっつったらあれだよ」
「あれじゃあ分かんないって」
「まーくん、まだ分かんないの、あれだよ」
「もう!!あれあれあれあれって、何なの!?」
屋上からの帰り。
真鍋先輩と木戸先輩に手を振って別れた後、僕は透と友弥からのあれあれ攻撃に結構本気でイラついた。
2人がげらげら笑っている。
「24日だよ。クリスマスイブ。まーの誕生日。今年は何がいいの?」
「あ、それね…………」
「それだよ」
「それそれ」
誕生日はいつも3人でお祝いしている。
僕の母さんと透、友弥んちのおばさん3人がケーキを焼いてくれて、夕飯に好きなものを作ってくれて、3人で一緒に食べて、いつもよりちょっとだけ遅くまで騒いでる。
そしてプレゼントは誕生日じゃない2人が半分ずつお金を出して、リクエストされたものを買う。
そんな風に誕生日を過ごすのが、僕たちのお約束。
もちろん母さんズもプレゼントをくれるから、誕生日は僕たちにとってビックイベント。
………なんだけど。
今年は何がいいかな。そういえばちっとも考えてなかった。
「まーくん、真鍋先輩には言ったの?誕生日」
きょとんとした顔で友弥がそんなことを言うもんだから、僕は危うく階段を踏み外しそうになって、慌てて透につかまった。
「ええええ!?いっ………言って、ないよ」
「言えよ」
「言えないよ!!」
「何でよ?」
な、何でよって透、そんな真顔で言われても!!
友弥も頷かなくていいよ!!
「言ってどうするの!?」
「デート?」
「デート」
そこハモんなくていいし!!
「いやいやいやいやいやいや、付き合ってないし」
「まだかよ?」
「うそでしょ?」
「いやいやいやいやいやいや、知ってるでしょ」
完全に僕、遊ばれてるよね?
「まー、あれやれよ」
「もう、透!!あれあれ言わないでよ!!」
「まーくん本当に鈍いね。あれだよ」
「友弥!!」
そして2人がちょーニヤニヤして言った。
ラッキートランプだよ、って。
だからハモんなくていいってば。




