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「もうすぐ期末テストだな」
「先輩、それ今言わないでっ」
真鍋先輩が、僕の机の上の数学の教科書をペラペラっと捲ってそう言ったから、僕は聞かないって、手で耳を塞いだ。
部活に出てないから、一応ちょっとずつ勉強しておこうって、やってはいるけど。
これがなかなかね?
「何で?」
「せっかくの先輩との楽しい時間がっ」
「だからまたどうしてお前は………」
くすくすと笑って、こめかみを掻いている。
真鍋先輩が何を言おうとしたのかは分からないけど、階段をのぼってくる母さんの足音が聞こえて、僕は部屋のドアを開けた。
「ありがと、母さん」
「ふふふ、どういたしまして♡」
ケーキとマグカップが乗ったトレイを受け取ろうとしたら。
「俺が運びます」
って、さっと真鍋先輩が持ってくれた。
「まああああ、真鍋くん、ありがとーーーっ♡」
「あ、いえ」
「今日の夕飯はチャーハンと餃子と他は何がいい?こう見えて私、料理だけは得意なのっ」
ちょっ……ちょっと母さん!!自分で言っちゃってるよ!!料理だけはって。
真鍋先輩がトレイを部屋のローテーブルに置いて、母さんを見た。
「チャーハンと餃子なんですか?」
「そうよ~。あ、もしかして嫌い?」
「いえ、逆で。俺めちゃめちゃ好きです。チャーハンと餃子」
「あら、そうなの!?良かった!!真尋がそう言ったのよ、チャーハンと餃子がいいって」
「え?」
真鍋先輩が、すごく驚いた顔をしていて、まさかラッキートランプの話をする訳にもいかず、超焦る、僕。
だってトランプの話をしたら、真鍋先輩が好きって言っちゃうのと同じじゃん!!
「えっと、僕が食べたかっただけですっ」
「夕飯は6時ぐらいにしましょうね。他にリクエストがあったら何でも作るから、遠慮しないで言ってね?ねっ!?じゃ、お邪魔しましたっ。ふふふふ♡」
「母さん、お邪魔しましたって何!?」
「えー?だってお邪魔でしょ?ふふふ♡あ、コーヒーもミルクティーもおかわりあるから言ってねーーー」
そう言って母さんはるんるんって階段をおりて行った。
母さん、絶対浮かれてる。浮かれ過ぎてる。
はあ。
何か、疲れる。
「先輩、ケーキ食べよ?」
「ああ」
気を取り直して振り向くと、くすくすと笑う真鍋先輩。
もう、母さん!!笑われてるよ!!




