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今から出る。10分ぐらいで着く。
いつも通りそっけないメールが来て、僕はニット帽を被った。
行く前に、そうだ!!
机の上に置いたままだったラッキートランプを箱から取り出して、シャッフルする。
お願い、何か、真鍋先輩といいこと!!
んんんんん!!とりゃっ!!
いつもの倍ぐらい気合いを入れて、トランプをひく。
クローバーのK…ラッキーカラーは赤と緑
赤と緑?
クリスマスみたいだな。
よし、赤と緑。赤と緑。
ぶつぶつ言いながら、トランプをしまって階段を下りる。
玄関前の鏡で全身をうつして、服のバランスをチェック。
うん、3人で悩んだ甲斐がある!!
「あら真尋、デート?」
「ち、違うよ!!」
掃除機を持ってリビングから出て来た母さんに言われて、何故か焦る僕。
デートじゃ、ない。
ただ真鍋先輩とスマホケースを買いに行くだけ。
それだけだよ!!
「女の子と出掛けるんじゃないの?」
「違うって!!真鍋先輩だよ!!」
「ええっ!?」
あ、ヤバイ。
母さんに真鍋先輩の名前を出しちゃいけなかった、かも?
「真鍋先輩って、こないだのイケメンくん!?」
「えーと、あの、うん」
「ぜひうちでご飯食べてって言って!!」
「え?」
「お昼ご飯でも夕飯でもいいわ!!母さん何でも腕によりをかけて作るから!!何がいい!?」
母さんのものすごい気合いを感じて、思わず僕は後ずさった。
母さん、怖いって。
「何が好きか知らない!?」
「知らないよ」
「知らないの!?」
きっ!!って、音がしそうなほど睨まれて、ますます後ずさる。
あ!!そう言えば昨日!!
「チャーハンと餃子!!」
「え!?」
ラッキートランプで、出たんだ!!
「チャーハンと餃子?」
「うん、そう。チャーハンと餃子ね」
「分かった。分かったわ!!母さん作る!!夕飯でいいわね!?」
「えーと、分かんないから、聞いてメールするよ」
「うん!!待ってる!!お願いね!!絶対連れて来てね!!」
「わ、分かったよ。じゃ、行ってきます」
「行ってらっしゃーい!!」
盛大に手を振られて、何かもうちょっと疲れて、僕は玄関を出た。
ふう。
でもさ。でもさ。
真鍋先輩と、うまくいけば一緒に夕飯?
今はまだ9時半。今から……夜まで一緒。
………夜まで。
うわ。テンションあがる。
どうかどうか、真鍋先輩に用事がありませんように!!
向こうの交差点。赤信号で止まる真鍋先輩を見つける。
嬉しくて僕は、大きく大きく、手を振った




