エピローグ2 破壊された世界
ブレイカーが消え、破壊された世界には平和が訪れた。
これは、あれから5年後の世界の噺。
――――かつて『錆びた町』と呼ばれた町、ヒアシンス。
ブレイカーが町を去った後。荒れ果てた町を見て、人々は呆然と立ち尽くした。家族や家を失った悲しみのあまり、自殺をしてしまう人も多かった。
そんな中、一人の少年が立ち上がった――――
カンカンカン、と金属が叩く音がする。小さく古びた薄汚い工場の中に、不似合いなほど美しい女性が立っていた。
「それの少年がコウヤさん、あなたですよね?」
肩くらいまでの髪をなびかせ、【歌姫】ことサヨネは言った。あの頃の太陽のような笑顔ではなく、大人っぽさを感じる月のような微笑みで。
「はい。そうですけど……」
困ったように頭を掻いているのは【輝く少年】、コウヤだった。もっとも、もう16歳の少年ではなく、立派な青年になっていたのだが。
「どうして俺のことを? それに、貴女は……?」
「失礼しました。私はサヨネと申します。歌で世界を元気にしたいと思っていて…ここ数年は、ブレイカーによって破壊された所に行っています」
「ああ、あの歌姫で有名な……。それじゃあ、貴女の周りでも、あいつの所為で生活をめちゃくちゃにされたんですか……?」
「ええ、まあ。そんなところです」
サヨネが悲しそうな表情をしたので、コウヤはそれ以上のことを聞くのをやめた。
「こんな工場じゃなんですから、ちょっと外を歩きながら話しませんか?」
「賛成です」
コウヤの後に続いて、サヨネは工場を出た。
「それにしても、なぜこの町に来たんですか? こんな…何もない所へ」
「今、躊躇いましたよね。何もないってところ。あなたもわかってるんじゃないですか? たとえ観光名所とかはなくても、目に見えないものがたくさんあるってことを」
コウヤは目をパチパチさせて驚いている。
「わかりますか……?」
「ええ。この町の人たちを見ていると、感じます」
サヨネは空を見上げ、手を伸ばした。
「生きることの素晴らしさを目の当たりにしてきたってことが」
「……貴女は、何者なんですか?」
サヨネは足を止め、コウヤの方へ振り返った。
「……」
コウヤは思わずサヨネに見惚れてしまった。
彼女は目を伏せて涙をこらえているのに、美しい笑顔だったからだ。
「王子様を失った【歌姫】…ですかね!」
小説と挿絵の時期が違います、すみません…。
挿絵⇒ブレイカーが消えた後
小説⇒↑の5年後
…です。挿絵描き終わってから5ヶ月経ちました…。今まで何やってたんだ、自分。大晦日に完成したような記憶が…。




