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今日は誰かの誕生日
グロキシニア国の首都、シーマニアに国王の住む城。その城から遠く離れた首都のはずれに、高い高い塔がある。
「シュロ様。国王がお呼びです。『食事の用意ができた』と……」
その塔の一番上に、ボクは《生息》していた。
「わかりました。今すぐ行くと、伝えてください」
女中が階段を下りていく音を確認すると、ボクは玩具箱から立派な服を着た人形を取り出した。
「ハッピバースディ、テュ―ユー」
床に無造作に置いてある大きな鋏を右手で握りしめ、窓に近づく。
「ハッピバースディ、テュ―ユー」
人形を窓の外へやると、風でユラユラと足が揺れた。
「ハッピバースディ、ディア……」
ゆっくり、ゆっくりと鋏を人形の胴体へ近づける。
「」
人形が、真っ二つに分かれ、下半身は地上へと吸い込まれていった。
風が、ボクの窓から出した袖と人形の髪が揺らした。
「フッフフフ……!フハハハハハハ!!」
笑いが、止まらない。
「……さあて、と。久しぶりに下界へ降りるとするか」
左手の力を抜いた。
立派な服を着た人形の、残った上半身は―――――――。




