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そのあとの、町
ミゾレは死んだ。
意識が朦朧とするミゾレを抱え、ブレイカーがいなくなったというニュースを持ち、南に集まっていた人々と合流した。
そこでミゾレに話しかけても、ミゾレは何も言わなかった。
ミゾレの心臓の音は、聞こえなかった。
ただ、安らかに眠るように――――笑っていた。
「そうか……。お前、バンと一緒にいるんだな……」
ミゾレの髪を撫でてやる。
頬を、涙が伝った。
家族も親友も、家を失った。
そんな人は、俺だけではない。
この町は、錆びてしまった。
みんな、瞳が死んでいる。
みんな、死んだように、生きている。
【錆びた町】、最終話です。ここから、詩の方へ繋がっていきます。
詩の最後の、コウヤたちが町を復興させるところは小説にはしないと思います。
次は誰かな?
乞うご期待。




