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理解者とか、欲しいよね。

「俺の昔の友人がどうやら大学に入ってから荒れているらしい、どうこらしめればいい?」


そう友人に問うと、友人はニッコリ笑って。


「中二病黒歴史大公開。」


「OK把握。」


今思えば鬼畜過ぎる所業だった。

授業は滞りなく進み、HRも終了。

家へと帰宅して考える。


「名前はどうしようか。」


そう、名前だ。

山田幸助と名乗るわけにはいかない、思い切り男の名前だ。

名前を作った後に…できれば理解者が欲しい、俺が女になる能力を持っていることを知っている人が。

つまり仲間だ。

そしてその後に俺は女性化した状態の俺の身体能力を見極める。

学習能力もだ。


「変身!」


さっそく変身である、そして大きな鏡に向かって――

左足を半歩下げて、くるりとまわって


「一緒に帰ろ?」


脳内バラ色、というより御花畑である。

ベッドの上で悶えている俺は無視していただきたい、どうか、どうかお願いしやす、うちのおっかあが、おっ母が。

…妙な寸劇はどうでもいい。


「いけるぞ…これはいけるぞ。」


何がいけるかさっぱりだ。

さっぱりだが何かいけそうな気がするんだろう。


「ちょっと脱いでみる。」


そう誰に告げているかもわからないが脱いでみる。

そして下着のみで鏡の前に立ってみる。


「よっしゃっ」


今の俺の状態が見るに堪えない。










「ふぅっ」


やりきった男の顔をして俺は額のでてもいない汗をぬぐう。

服はきて、すでにニ十分たっている時計に気づいて、すぐに名前を作らなければと思い机に座る。


「……」


少し無言になって、胸を机の上に乗っけてみる。

…何をやっているのだと我に返ってすぐに俺はペンと髪を取り出してみて、名前を考える。

山田幸助から文字ってみるか、そう考えてみたがそれは拒否する、山田という苗字はあまりにも安直すぎるだろうと、全国の山田さんに謝るべきなことを考えてみる。

山田長政くらいしか有名な人がいないけど、名前が歴史の教科書に小さくもでるだけましだよな。


「容姿から考えてみるか。」


そう思って再度鏡を前にしてみる。

黒髪、髪は長め、俺にとっては絶世の美少女な姿だ、見るだけで鼻血が出そうになるくらいだ。

絶世の美少女、歴史上で言うとクレオパトラ・楊貴妃・ヘレネ・小野小町…だが。

日本人にとって美女だったというと、考えてみると――


「かぐや姫…か。」


そう、童話の中でのかぐや姫だ、正式名称『竹取物語』。

作者不明の日本の最古の物語であり、知る人ぞ知る物語…まぁ日本人限定だが。

物語は、おっさんが竹とってたら光る竹があって切ってみたら幼女がでてきて、その後おっさんが竹摂ったら金が手に入りまくるもんでお金持ちになって、幼女も美女に進化。

そしてその美女に男が群がってかぐや姫は自分のいったものをもってこれたらいいですよといったが無理で、その後月の使者がきて男ども抵抗するけど連れて行かれて終了…とまぁ適当すぎるがこんな話だ。


「山田かぐや…ないな、月…だから月野が苗字で、あぁ漢字はどうするか。」


好き勝手にできるから異様な名前でも許される。

そんな気がする。

さてかぐや姫なら赫映姫なわけだ。

それでいい気がしてくる…が俺はもうちょっとがんばってみるぜ、ちょっとキラキラしてる方向にな!


「か――神夜で、ウッハいけるぞ、俺、ちょっと変な方向に!」


『月野神夜』…心の中で爆笑する。

爆笑できることにまだ普通の精神だと言うべきか、考え付く時点でお前はもう死んでいるというべきか。


「俺――いや私は月野神夜なのさ!」


そういってみてあまりのおかしさに頭がフットーしそうになったその時…


「誰?」


世界は停止した。

ギギギッという油を指すのを長期忘れていた機械のようなそんな音を立てるようなゆっくりとした動きでドアを開けてこちらをみる少女を見る。

山田優香やまだゆうか』中学三年生。

部活はバスケ部、中学女子によくある身近な男子を嫌うような傾向はまだない、だが関係は薄い、そんな少女である。


「お、お兄さんの――」


「兄の…なんですか?」


とっさに言い訳をしようと考えて、そして俺は思いつく、そうだ理解者が欲しいと思っていたところだ。

できれば身内、父は結構家族に無干渉だからあまり頼りにはならないために母か妹。

できれば母と考えていたが…こうなってはしかたがない。


「半身です。」


「…救急車、呼びましょうか?」


今、絶対に頭を心配されたな。


「違うんだよ、優香、俺だよ俺。」


「新しい詐欺ですか?」


新ジャンル『目の前で俺俺詐欺』。

ほぼ九割がたバレる。


「変身解除!」


解除完了、男の俺が現れる。

妹はポカンとしながら俺を見る。


「兄さんが変態になった…」


「違うわ!」


そういってから俺はちゃんと説明を開始する。

神様に出会ったこと――はいわない、確実に救急車を呼ばれて脳か精神の病院へと運ばれる。

つまり説明は、俺が女性化は何故なれるようになったかはわからない、雷に撃たれたから的な漫画のような展開から生まれてしまったと推測している、そして変身と言えば変身できて、変身解除と言えば解除される便利使用。

服装も変わるところで何かしらの意志を感じるが今のところは不明といったところか。


「変身!」


そして最後に女性化する。


「わかってくれたかな?」


「…俄かには信じられないけど、真実ということはよくわかった。」


わかってくれたか、妹よ、少しお兄ちゃんはうれしいぞ。

昔からお前は優しかったよな、小学校のころはお兄ちゃんお兄ちゃんといいながら俺の後ろをついてきてくれて、よく勇人と共に遊びまわったよな?そういえば勇人とは最近合わせていないな、そうだ、久々に三人で――


「とりあえず兄さんのベットの下にある女性の中で比較的に多いんだね。」


…Oh...crazy....


「な、何故それを」


「黒髪巨乳美女…ね。」


「やめてください精神が死んでしまいます。」


「浴衣着せて肌蹴させれば完璧だなぁ。」


「ゴパァッ」


吐血はしないが羞恥心で吐血した気分になる。

勝手に俺の部屋を漁る妹への怒りより羞恥心が勝る、穴があったら入りたいとはこの気持ちだろうか。

とりあえずいまおれは天井から垂れているロープの穴に頭を入れたい。


「It's so crazy...Kill me...I'm finished...I can't get away.」


「おかしい、殺せ、俺は終わった、逃げられない?」


直訳やめて、訳すのやめて、英語は基本的に現実逃避用なんだから。


「つまり女性化できるからどうしたいの?」


そして本題へと無理やりに推し進める我が妹、空気を読めないというより読む気がない、つまりマイペースなやつだ。

だが脱線しかけたのは俺の責任だ、優香に感謝すべきだろう。


「どうやら女性化すると色々と能力がかわるらしい、身体能力とか性格とか。」


「それってもう二重人格っていうべきじゃない?」


「うーん、でも理性では制御できるんだよね。だから二重人格ってことではないとは…思うかな?」


「めんどくさいね。」


否定しようがない、俺も思う。


「とりあえず女性視点っで能力をみてほしいんだ、お願いします!」


「…仕方がないなぁ~」


おい、何でちょっとうれしそうなんだこの妹は。













「最初は日が暮れたらダメだから身体能力を見よう。」


そういって俺たちは家の近くにある森に到着する。

森といっても面積は小さい、個人所有地だが、所有者はこの土地にたいしては無関心なようで、普通に一般開放している、だが森は虫が多く、現代の子供たちにはあまり人気はない。

昔はここで秘密基地を作ったな、なんて思いながら虫よけスプレーを噴射する。

女性化した状態でも噴射する。


「じゃあピョンって飛んでみよう!さぁとべ兄さん!」


お前はなんでコーチみたいなんだよ、メガホンなんか持ってきやがって。

だが従っておこう、すっと息を吸って、地面を強く――蹴る。

地面が爆発するような音を立てて俺は飛び上がった。


「…え」


気が付けば背が高いはずの木々の頂上近くにいた。

そして落下、湧き出す恐怖心。


「うわっえっいやっ」


落下速度は上がってゆく俺は地面に問答無用に打ちつけられる――はずだったが、体が自動的に体勢を整え、前方に二回転しながら着地。

10.0

そうアホなことを考えているが、心臓はバクバクだった。

妹をみると妹はこっちを唖然としてみていて、


「…宇宙人にでも改造されたんじゃないの?」


うん、そうでなければこんなことできないよね。


「いや、雷に撃たれたぐらいしか記憶にないし…」


「記憶改ざんされたんじゃないの?」


そうか、神様からの贈り物じゃなくて宇宙人からの贈り物だったのか、ってそんなことあるかーい!

…神様のほうがあるかーい!


「と、とりあえず先に進もう。」


「…わかった。」






~結果報告~


50m走 1.4秒

握力 木を手で引きちぎれるくらい。

反復横跳び 測定不能、分身の術。

パンチ力 岩を貫く。

柔軟 軟体動物。

腹筋 198回








…俺の理想…なのか…?

いい感じに一話3000文字以上を保っている。

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