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まるで小説の1ページしか書いていないような退屈なその本は、
眠りに落ちる時毎日聞こえていた。
そんな退屈な声は
10年前から忽焉と聞こえなくなった。
3ページ目と4ページ目があったのなら
もっと記憶に残る声があったのにな
17歳になったら使える魔法。
歳をとるにつれて、嘘だ、と思う。
だけど、占いや幽霊など、スピリチュアルを信じるような親ではなかった。
…そして何より、それをこの目で見たことがある。
だけどその記憶は曖昧で、現実のものだったか定かではない。
半信半疑のまま、あまり考えずにその時を待った。
今でも時々開くその絵本は、所々色が薄く滲み、皺ができて歪んでいた。
それは零れ出た悲しみの痕跡。
悲しい時は魔法の言葉を心の中で唱える。
”ラージュ・コア”
閉じ込められた暗闇、ドアの隙間から光が入ってくるような。
心なしか、少し、楽になる。




