06 蘇生
・・・・はっ。
びっくりした。また死んだかと思った。
それにしても、ここは私の家でもケイトスペードの宿でもない。
真っ暗だ。
一体ここはどこ・・・
「気づいたようだな」
急に明るくなり、私の視界が開けた。何やら蓋を取った様子。
私は今まで棺桶に入っていたのです。
そして、棺桶の蓋を取ったのは・・・まさかの筆頭でした。
まるで私は今ウエスト・ノードにいるみたいです。
ウエスト・ノードの筆頭がいるんですから。
起きた私を見て、筆頭が教えてくれました。
「貴様は兄貴に倒された。だから私の蘇生効果で復活したのだ。」
「・・・蘇生効果?つまり棺桶で蘇生したということですか?」
「そうだ。このセント・ライズ城には蘇生効果を張っている。だから、一人当たり3時間程度かけて、生き返るのだ。ここ、セント・ライズ城の地下にある蘇生室に。」
なるほど。
つまり、私は魔王に倒されて確かに死んだのです。
しかし、城全体の蘇生効果のおかげで私は生き返りました。
・・・ってここはセント・ライズ城だったのですね。
「実際、蘇生効果には私も助けられている。ウエスト・ノードで一度国軍の襲撃で全滅したことがあったが、それも蘇生効果のおかげで我らは生き返った。」
・・・って、かの大賢者様で使えないはずの蘇生魔法が、なぜ筆頭も使えているのでしょうか?
「あの、蘇生魔法なんですが、そもそも大賢者様しか使えないとボストロニックのギルドから聞いたのですが、もう一人使える方がいたのですね」
「大賢者・・・それは私のことだな。結構昔にボストロニックのギルドにダンジョンを作るよう依頼されたことがあったが、そこにも蘇生魔法をかけてあるからな。」
まさかの事実。
あの練習用ダンジョンの蘇生効果も筆頭によるものだったのです。
そして、私を倒した魔王が現れました。
「やっぱり私には敵わないだろう。しかしいくらここで死んでも生き返るのだ。エミはもっと強くなって私に挑んでくれ。そうしたらいつでも倒してあげるぞ」
「はい?あなたは私を敵と見做していたんでは」
「確かに敵とも捉えても仕方がない。しかし私はエミを絶対に殺すことはない。それはなぜかって?決まっているだろう。私とエミは強者同士で、戦うほどお互い強くなると思う。つまりライバルといったところだな。」
ライバル・・・。
魔王のその言葉を聞いて、私はなぜか納得しました。
でも、私はあることを不思議に思っていました。
なぜ、ここに筆頭がいるのか。
これも魔王の蘇生魔法のせい?
「あの・・・すみません。なぜ昨日魔王が倒した彼がここにいるのでしょうか。」
「何も私は、殺すようなことはしていないぞ。あの時ジェレミとシャークをここに転移させただけだ」
「そうだったんですか。てっきり裏切り行為をしたから粛清したのかと」
「粛清?とんでもない。」
「あの、彼らはあなたを倒して世界征服を企んでいたんですよ?」
「世界征服?ああ、シャークは最初はそういっていたのだ。ただ・・・」
「ただ?」
「なぜ私は今までこの違和感に気づけかったのかは謎だが、この時になって何か違和感を覚えたのだ。そこで、私が秘伝の魔石で解析したところ、シャークは何者かに"この世界を征服して人類を滅ぼすのだ"と呪いの命令をかけられていたのだ。そんな呪いは私が解いた」
「つまり、誰かに操られていたということ・・・ですか?」
「そういうことだ。あいつのいう通り、私は呪いにかかってしまったのは事実だ。その命令というものに逆らえず、我ながら悔しかった。」
今の話を聞く限り呪いというより洗脳・・・ですよえ。
「あの・・・ところであなたは元帥も転移させたと仰ったのですが・・・」
「ああ、ジェレミか。実はジェレミも、何者かに呪いをかけられていて、私を石化してこの城を乗っとり、セント・ライズを攻撃するように仕込まれていたのだ。なぜだ、なぜ私やこの国を狙うのだ・・・」
私と魔王は蘇生室を後にしました。
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「ところで、エミは昨日、ケイトスペードにいたはずなんだが、どうやってここまできたんだ?」
「はい、実は直接転移魔法で来てしまいました」
「そうか。やっぱりお前も使えたのか、転移魔法。」
「はい。でも、私の場合なぜか思い出がないと使えないようで・・・」
「思い出で転移?そんな話聞いたことがないな。私は行ったことがある場所はどこでも転移ができるが」
「あなたはいいですね。私、以前ある方に転移魔法を教えてもらって、それでこの国のボストロニックに転移しようとしたのですが、できなくて・・・その時に思い出が必要だったと気づきました。」
「そうか・・・実はだな、何者かが転移魔法で侵入することがあってだな、それがきっかけでセント・ライズ王国に転移魔法をブロックするバリア魔法をかけていたのだ。それで、エミがボストロニックに転移した際にブロックされたのだろう」
「え・・・じゃあ、話がつながりません。では、なぜ私は今ここに転移できたのですか?」
「それは、単純に今解除していただけだ。まあ私が一時期ジェレミに石化された時にブロック解除されていて、まだかけていなかっただけで・・・・後でブロックをかけよう。でもエミだけはブロックの例外許可するようにしよう。行き帰りともにな。」
ということなので、私は改めて、ボストロニックやセント・ライズ城に自由に行き来することができるようになりました。
魔王は後日、改めて転移バリアを貼るとのことでした。
ちなみにバリアは元々セント・ライズ全域張っていたようで、張るのにはある程度時間がかかるそうです。
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