09 〜ボストロニック・サイドストーリーⅡ〜
SIDE:セント・ライズ王国・魔王・レイク
私の執務室に誰かが現れた。
いや、今日は特に予定もないはずで、誰かが来ることなどありえない。
不審者も考えにくい。城の警備は万全のはずだ。
「誰だ・・・ってお前はジェレミか。」
「兄貴、久しぶりだな。それにしてもここの警備はなかなか手強かったが、それでもこの城の警備どもは全てこちらの配下にした」
「なんだと・・・いったい何を企んでいるのか?」
「手始めにこの国を支配するためだ。邪魔にならないように兄貴にはしばらく封印してもらう」
「そうはさせない!」
しかし、力の差は歴然ではないのだが、不意を突かれて私はジェレミにより石化されてしまった。
そして私が石化されたことにより、我が国に張ってあった転移バリアは解除されてしまった。バリアは私が正常な状態でなければ機能しないのだ。
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SIDE: ボストロニック・ブラジェイ
俺は、この日もいつも通りボストロニックの東門を通過した。
先日は他国の魔物が紛れ込む事件があったが、無事制圧。
やっぱりここは平和である。
それでも今日はちょっとおかしかった。
大量のブレードワイバーンが東から西へ、そう、ここボストロニックに飛んでいるのだ。
普段、上空にいるのはいつも少数のワイバーンくらいだ。
この種がこの近辺にいることが珍しい。
・・・と思っていた矢先だった。
なんと街を攻撃し始めたのだ。
国軍が急遽駆けつけ、ブレードワイバーンの制圧を開始する。
しかし、ブレードワイバーンには全く歯が立たない。
俺も、急いで避難所に避難する。
なんという事態だ。
街の建物はことごとく破壊され、国軍もブレードワイバーンに殺害される。
「もうおしまいだ・・・」
街の人々は絶望していた。
追い討ちをかけるように、なんと、避難所の入り口付近にキャノン・タートルが現れたのだ。
キャノン・タートル自体、かなり攻撃力は強いと聞いている。
そして軽々と扉を破壊していき、中に侵入してきたのだ。
明らかに俺たちを敵視しており、すぐさま攻撃を仕掛ける。
明らかに殺意がある。
こうなったら自己防衛しかない。
そう気を構えたが、タイミングよくなんとか俺は攻撃を防げた。
しかし、俺以外は全滅してしまった。
・・・なんということだ。
キャノン・タートルを避けるように、避難所から脱出。
この時点で建物はほぼ破壊されていた。
目の前のアパートはほぼ破壊されていたが、俺の目の前にあるアパートの一室だけ奇跡的に残っているような感じだった。
しかし、別のキャノン・タートルが現れたのだ。
・・・これは万事休すか。
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SIDE:セント・ライズ王国・ギルドマスター
さて、今日は新人の職員一人の研修のために、ボストロニックの北にある練習用ダンジョンに来ている。
さて、第七階層。
ここは赤竜がいる。
普通に行くと死んでしまう・・・いやギルドに戻されるので回避の仕方を教える。
そして第八階層。
ここはコントロールルームになっていて、ダンジョンコアが飾ってあるほか、ダンジョンをメンテナンスするための魔道具がある。
・・・何かがおかしい。誰かが侵入した跡が・・・いやありえない。
赤竜は倒すことができないので、回避のしかたを知っている者しか出入りできない。
まさか、と思い履歴を確認する。
すると・・・確かにここに侵入した者がいたのだ。
その人物の行動履歴を見ると・・・「単純にランク測定のためにダンジョンを訪れただけ」だった。
その名前は・・・コーエン・エミ。
あの時"彼女から自主的に撤退した"からランクEと判定した、と職員から報告があったけど・・・実際はここまで来ていたのか。
今度彼女がここのギルドに来た時には、魔術師の最高ランク・・・ランクSを与えるようにしよう。
それとは別に、アラートが出ているようだったので、アラート情報を確認する。
・・・深刻な事態が起きていた。
「蘇生機能使用不可」「ギルド異常発生」の警告が出ていたのだ。
このアラートの意味すること・・・ギルドの建物に有事が発生したということ。
「これは異常事態。急いでギルドに戻りましょう!」
研修を中止して急いでギルドに戻る。
途中の第三階層で異変に気づいた。
「・・・来た時はこんなことにはなっていなかったはずなのに。」
なんと、第二階層とを繋ぐゲートが熱で変形しているのだ。
ここは研修がてらのメンテのためにゲートをオープンしていたのが幸いだったが。
同じく、第二階層と第一階層とを繋ぐゲートも変形していた。
こちらの方が変形がひどかった。
嫌な予感がしてきた。
そして外に出て街の方を見ると・・・とんでもないことになっていた。
・・・ボストロニックという街が、擁壁や門を含めて完全に壊滅していた。ほぼ更地に近い形で。
ただ1つのアパートの残骸が残っているのが奇跡と言えるほどに。
状況確認のため、ほど近い西の国境へ急いで向かった。
国境自体は問題なかったが、在住していた国軍はほぼ全員がボストロニックへ応援に行き、応援に行った国軍が全滅していたのだ。
残された軍人から話を聞くと・・・相手に唖然とした。
その相手とは・・・セント・ライズと敵対しているジェレミ魔族軍だ。
ジェレミ魔族軍は以前はそれほど強くないと聞いていたのだが、いつの間にそんな力をつけていたのか。
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