表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ひとりぼっちの世界、たった二人だけの星  作者: 鈴木りんご
三章「人類の樹」
33/51

33話

☆☆


 それから私は毎日、シンに会いに行った。


 時間は決まっている。午後の一時。彼がちょうど昼食を終えたくらいに会いに行った。


 だから私は昼の十二時くらいにはもう、うれしくなっていた。


 そこからはもう時間が進めば進むほどにうれしさは大きくなっていく。


 そして一時になると彼のもとを訪れた。


 彼も私を笑顔で迎えてくれた。彼のパソコンのモニターはカメラ機能を内蔵しているタイプなので私にもそれが見て取ることができる。


 それから夜の七時くらいまでずっと一緒に過ごした。


 たくさん話をした。私たちの心はつながっていないから、そのぶんたくさん話をした。


 他にも一緒に物語を読んだり、映画を見たりして感想を言い合った。ゲームも一緒にやった。本当に隣にいるわけではなかったからオンラインにつないでいろいろなゲームを楽しんだ。勝ち負けのある対戦ゲームでは勝っても負けても同じくらいに楽しかった。


 そもそも私の目的はシンを元気づけることだった。しかし……いつのまにかそんなことは忘れてしまっていた。


 私はただ会いたくて、一緒に過ごす時間が楽しくて彼のもとを訪れていた。


 それでも問題なんてなかった。だって彼も私と同じくらい楽しんでくれているように見えたから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ