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月影が静かに世界を覆った夜

ーその日は新月。


風の音ひとつ聞こえない夜の闇の中、その少女は静かに佇んでいた。気品が感じられる立ち姿に白銀の美しい髪、そして雪のように白く透明度の高い肌は、世の人々とは一線を画すほどの美しさを生み出していた。


しばらく耳をすませていたかと思うと、次は頬を染め、美しい唇をゆっくりと綻ばせる。


「あぁ、やっと会いに行けるわ...!」


心からの喜びを言葉に滲ませ、彼女はそっと外の世界へと足を踏み出した。


先程まで彼女がいた場所には、甘くて優しいバラの香りがほのかに残っていた。

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