第三章 part-3
その頃。
姿を消したエンジェルは、ディアナの特命を受けて、天空城の内部を探索していた。
ラピュタが飛行石で浮遊していたように、この天空城も何らかの機関が動いているはずだ。
その動力源の位置を確かめるためである。
さすがに神のアポロンでも、この巨大な城を神通力で動かすことはできないだろう。
「あーん。広すぎて、どこにあるかわかんないよー」
ただでさえ、小さな身体である。
飛翔能力にも限界がある。
「疲れたあ……ちょっと休憩」
といいながら、小さな突起の上にちょこんと座って羽を休めた。
折りしもその真下の通路を、衛兵が会話しながら通り過ぎる。
「しかし、すごい機関だよなあ」
「ああ、超伝導磁気浮上システムなんて、誰が考えたんだろね」
「この天空城、実は人間が作った戦争のための要塞だったらしい」
「それをアポロン様が奪い取ったんだよな」
などと言いながら。
エンジェルはいいこと聞いたと思った。
人間が作ったものなら、機関を動かしたり止めたりするマニュアルがあるはずだ。
気を取り直して、再び飛び出したエンジェル。
やがて動力機関の心臓部であるコントロールルームにたどり着く。
ほとんど自動で動いているらしく、人も神子も見当たらない。
マニュアルは、当然この近くにあるはずだ。
室内を飛び回って探し回るエンジェル。
「あった!これね」
本棚に納められているマニュアルらしき本を引き出しに掛かる。
人間にとって普通の本でも、小さなエンジェルには身が重い。
「ぐぬうう。何のこれしき」
目一杯羽ばたいて、羽ばたいて、羽ばたいて。
ドスン!
と、マニュアルが床に落ちた。
うまい具合に、閲覧できように上向きで開いた状態で落ちた。
「やったあ!」
早速マニュアルに飛びつく。
「さてと、動力を止める方法は……」
人間が書いた文字や図形に困惑しながらも解読を進めてゆく。
エンジェルとて神の子だ。
人間に読めて、エンジェルに読めないものはない。
ページを捲りながら、動力停止の方法を読み解く。
「あった!これだわ」
じっくりと読んでから、制御盤に向かう。
「ええと……」
制御盤のボタンを確認して、
「ピッポッパッ、ポーン」
マニュアル通りに押してゆく。




