第2試験小隊
「こんにちはー」
陽気な風に一人の少年が入ってくる。
「お兄ちゃんダメだよ、そんな態度じゃ」
遅れて少女が入ってくる。
「だって貴族の礼儀なんてわからねぇし」
「それでも!一応丁寧な話し方習ったでしょ!」
そんな明るいやりとりをしている二人にあっけを取られていると少女はこちらを向いてぺこりと頭を下げた。
「すいません、騒がしくて。えっと・・・」
「小隊長のユーイ=ルクスだよ、よろしく」
「よろしくお願いします、ユーイ様。私はリノです。こちらは兄のルノ」
リノははにかみながらもう一度頭を下げる。
「よろしく!」
それに対してルノの方はあまり丁寧な態度が得意ではないらしい。
「ところで、そのユーイ様っていうのは・・・」
僕はリノに言う。
「あ、あの私たち貴族じゃなくて」
「ああ、君たちがそうなのか。でも気にしなくていいよ。これからは仲間なんだし。リザもそれで大丈夫だよね?」
「ええ、私も構いません。自己紹介がまだでしたね。副小隊長のリザ=シニアスです。私はこのような話し方ですが癖なのでみなさんは崩した話し方で大丈夫ですよ」
それぞれ自己紹介が終わると僕はラウンジの机の上にある名簿を手に取った。
「あれ?4人・・・?」
名簿に書いてある人数が4人だったのだ。そこで名簿のとなりに封筒が置いてあることに気づく。中には一言、今年は6人編成が2つと4人編成1つという特異的な編成になったという文言が書かれていた。
「どうやら人数は少ないけどこの4人で第2試験小隊らしい」
「どうしてなのでしょうか・・・?」
リザは疑問を口にするが僕にはおおよその察しはついていた。おそらくはリノとルノの2人を気遣ってだ。貴族意識の高い人間を彼らと同じ部隊に配属すれば内部分裂を起こすのは必至だ。だからこそ貴族意識など殆どない僕と、貴族としての自覚は持っているもののだから偉いとは思っていないであろうリザをこの部隊に配属したのだろう。僕が決勝まで進んでいなければ恐らくはルイスがこの小隊の隊長になっていただろう。それに僕が隊長のこの小隊の場合、下級貴族をリーダーと認めない人もいただろうからそれも理由の一つだろう。そうならないようにというアレス様の気遣いがこの編成に表れている。本当に世話になってばかりだ。
「それじゃあこれから4人で頑張っていこう!」
リノとルノはおー!と勢い良く手を上げリザも遅れながら手を上げていた。
書き溜めてある分はこの話で最後です。次の更新はしばらく先になると思います。




