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入団試験<決勝>

ついに迎えた決勝戦。僕はルイスと向かいあいながら様子を伺う。

「お互いの手を見せ合うのは2年ぶりだね」

「ああ、そうだな。ちょっとは楽しませてくれよ?」

ルイスは冗談めかして言う。

「そっちこそ!」

僕はそう言いながら抜刀して切りかかる。ルイスはそれを難もなく避けると剣を変化させる。

「お前と戦うために今まで温存しておいたんだぜ、すごいだろ?」

そう言いながら剣を振るうとそれは鎖のように自由に動く。複数の関節を持ったその剣が僕の元へと迫る。僕はそれを避けようと1歩下がる。しかし剣先だけの方向が変わり僕の方へと襲い掛かる。想定外の攻撃に僕はよけれずギリギリ剣の腹でそれを受ける。その衝撃で剣は真ん中から折れてしまっていた。

「悪いなユーイ。また用意してやるから勘弁しろよ!」

そう言いながらルイスは剣を振るう。僕はそれを折れて軽くなった剣で弾く。折れてしまった以上、剣で剣を受けることはためらわない。ただし剣で弾くのは剣先に限定する。途中のどこを捌いても自在に動く剣先は僕の方へと向かってくるからだ。相手の剣先に集中する。何度も何度も弾き続ける。しかし得物のリーチの差は埋めようがなかった。距離を縮めることができない以上このままじゃジリ貧だ。判断は迅速に。僕はルイスに向かって鞘を思いっきり投げつける。虚を突かれ乱れた剣先を弾くと僕はそのまま距離を一気に詰める。折れた剣をルイスの首筋に向かって近づける。勝った、そう思った瞬間僕の剣は僕の手を離れ宙を舞っていた。そして僕の首筋には僕の折れた剣よりも遥かに短くなった彼の機械剣が突きつけられていた。

「今回も俺の勝ちだな」

「参ったよ。今回の分解も偶然かい?」

僕が笑うように言うとルイスも笑って返した。

「いや、今回は仕込みだ」


 こうして今回の騎士団入団試験は幕を閉じた。合格者数は16名。その中で決勝戦で戦った最年少のルイスと僕は大いに取り上げられた。特にルイスは自分の本来の力ともいえる機械剣なしで決勝まで上ったことで、騎士団長の息子としてではなく最年少優勝者の天才としてその名を国中に知らしめた。それは僕やルイスにとってはありがたいことだった。騎士団長の息子だからという色眼鏡で見られることに多かったが、これでその心配も払拭されただろう。友の僕としても安心だった。これから1カ月後、僕たちは正式に入団することになる。



次の投稿は12月14日(日)の予定です。

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