入団試験<準決勝>
準決勝。僕は相性の良い相手ばかりとあたりここまで簡単に昇ってくることができた。ルイスも苦戦はしているようだが準決勝までは残っている。この試合さえ勝てれば次は決勝だ。
今回の相手は小柄な直剣使いだ。僕の持つ剣と同様のスピード重視の剣ではあるがさすがに僕の持つものよりは実用的な厚みを持っている。何より特徴的なのはその顔を隠すためであろうマスクだった。この国では珍しい黒髪にマスク。その2つの特徴からも異様な雰囲気を発していた。
すでに開始の合図は出されている。しかし互いにまだ動かない。相手は僕が気を緩めるのを待っているようだった。おそらくではあるがこの剣士は相当の手練れだ。今までにはない緊張感がそれを物語っている。僕は抜刀と同時に鋭い斬撃を放つ。これは2年前のルイスとの組手で使った様子見の手ではなく本気の一撃。初撃で決めるつもりだった。しかし相手はそれを難なく避けてお返しにとばかりに剣を横になぐ。僕は剣を振った時の重心移動を使ってそのまま転がるように剣を避ける。公式の場での避け方としては無様であったがそんなことを気にしている余裕はなかった。僕が態勢を立て直すと同時に鋭い斬撃と刺突が襲い掛かる。僕はギリギリで避けながらも徐々に追い詰められていく。だが相手も避けられ続けたことに業を煮やしたのか少し大ぶりな一撃が来る。僕はそれを鞘ではじくと同時に距離を大きくとる。相手は剣が鞘ではじかれたことに驚きを隠せないようだった。僕は今度は攻めに転じる。できるだけ小さな動きで放った絶妙の突き。相手はそれを弾こうと剣をぶつけようと横に振る。だが僕の剣がその剣にはじかれることはなく、相手の喉元へと突きつけられていた。横に振ろうとされた剣はその初動を僕の鞘によって封じられ、一切動くことがなかったのだ。
審判が僕の勝利を告げると同時に肩の力を抜く。本当に気の抜けない戦いだった。そして次の瞬間、同時に行われていた準決勝のもう1試合の結果も出たようだ。結果は予想通り、僕の親友ルイスだ。
次の投稿は12月9日(火)の予定です




