被害者?
(地の文/ナレーション)
契約を交わした主人公とマリー。二人が次の目的地――バベルの塔を目指すべく歩き出そうとした、その時だった。
???
「あ〜〜っ! 駄目です、駄目です! 危険すぎます! ちょっとそこの先生、聞こえてますか!?」(焦り狂った顔、大声を出す顔)
(地の文)
物陰の物置小屋の隙間から、ドタバタと派手な音を立てて飛び出してきた人物がいた。シェイクスピアは手に抱えた原稿用紙をばら撒きそうになりながら、青ざめた顔で主人公へと駆け寄ってきた。
シェイクスピア
「特異点の穴へ突入? バベルの塔の最上階を目指す!? 馬鹿な、無謀です! 主人公が無残にも死ぬ典型的なフラグですよ!!」(青ざめた顔、絶望顔)
マリー・アントワネット
「……はぁ。なんなのですの、この見苦しい娘は。わたくしと先生がせっかく高貴なる契約を交わしたというのに、水を差さないでくださりませ」(不機嫌顔、冷ややかな目)
主人公
「(先生、って呼び方がもう定着してるな……いや、それより)君は誰だ? 俺たちの話を聞いていたのか?」(苦笑い、困惑顔)
シェイクスピア
「私はシェイクスピア! 運命を記録し、戯曲を紡ぐしがない劇作家ですよ! 聞いていたというか、丸聞こえだったんです! 先生、正気ですか!? こんな高飛車な王妃様と契約を結ぶなんて!」(大げさに身振り手振りする顔、青ざめた顔)
マリー・アントワネット
「……なんですって? 口の利き方も知らないようですわね。このわたくしに向かって『高飛車』とは良い度胸ですこと」(圧をかける顔、目が笑っていない笑顔)
シェイクスピア
「ひぃっ!? 怒った! 目の奥が全然笑っていません! 先生、見ましたか今の!? 彼女、危険です! 怪我したらどうするんですか! 敵のノイズも痛いですが、この王妃様のパラソルだって当たったら相当痛いですよ!」(悲鳴を上げる顔、ビクビク顔)
主人公
「(ものすごい勢いで捲し立ててくるな……)……で、シェイクスピア。君はここで何をしていたんだ?」(ジト目、あきれ顔)
シェイクスピア
「見ての通り、私は安全な物陰でフカフカの毛布にくるまりながら、静かにペンを走らせていただけです!」(開き直った顔、胸を張る顔)
マリー・アントワネット
「おほほ、呆れ果てて言葉も出ませんわ。己の身の安全ばかり気にして、あきれた弱虫ですこと!」(高飛車な高笑い、呆れ顔)
シェイクスピア
「弱虫で結構です! 命あっての物種ですよ!……と言いたいところですが! 先生、バベルの塔へのルートや特異点の配置、この世界の構造を知っている人間、ドールが他にいますか!?」(ドヤ顔、必死な顔)
主人公
「……えっ?」(ポカンとした顔)
シェイクスピア
「この私は劇作家ですよ! この狂った世界の『舞台装置(構造とルート)』を一番理解しているのは私なんです! 先生の『解読する眼』があっても、正しい道筋が分からなきゃ塔に辿り着く前に迷子になって露と消えますよ!」(自信満々な顔、熱弁顔)
マリー・アントワネット
「ほう……? ただのチキンかと思えば、少しは使えそうな口を利きますわね」(不敵な笑み、感心した顔)
(地の文)
マリーはパラソルをトントンと自分の肩に当て、ニヤリと高圧的な笑みを浮かべた。
マリー・アントワネット
「いいでしょう。わたくしたちのナビゲーター――要するに案内人(従者)として連れて行って差し上げますわ! 光栄に思いなさいな」(高慢な顔、ドヤ顔)
シェイクスピア
「えっ!? いやいやいや! 私は『情報はあげるから安全なここで待ってます』って言うつもりだったんですけど!? 現場に行くなんて一言も――」(顔を真っ青にする顔、滝汗顔)
【主人公の選択肢】
A:「案内役、頼んだ」
B:「断っても無駄だ。マリーの目がもう『連れて行く』顔だ」
C:「近くにいたほうがもの書きがはかどりそうじゃないか?」
(地の文)
大げさに頭を抱え、再び物陰へと逃げ込もうとするシェイクスピア。その時、特異点から漏れ出した狂乱の異形たちが突如として立ち塞がった。
シェイクスピア
「わきゃあああ」(ギャグ調の絶望顔、大泣き顔)
マリー・アントワネット
「うるさい娘ですわね! そこでおとなしく震えていなさい!……行きますわよ、先生!」(やけくそな顔、凛々しい顔)
さくら
「気絶してます…」




