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【本編完結】王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!  作者: こさか りね
後日談

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21

(おごそ)かな雰囲気の中、私はウィルフォードにエスコートをされながらバージンロード歩く。


ヴェール越しに見える参列者の数が多くて、少し驚いてしまったが、なんとか神官長の居る中央まで辿り着いたのだった。


「この度は、おめでとうございます。

寺院はウィルフォード・ネイトピア第三王子殿下とフェアリエル・クリーヴランド公爵令嬢の婚姻を祝福します。こちらの婚姻証書に記名をお願い致します」


差し出された紙にウィルフォードが記入をし、次に私が記入をするのだが、緊張しているせいか、少し字が震えてしまったのはご愛嬌だ。


「おめでとうございます。

お二人は晴れて夫婦となりました。

それでは、誓いのキスを」


ウィルフォードがヴェールを上げてくれる。

すると、私の緊張が伝わったのだろう。


ふっと微笑み『大丈夫だ』と囁いたのだ。


そして、ゆっくりと近づいて来るウィルフォードを見つめながら、私もゆっくりと瞳を閉じたのだった。


「皆様、祝福の拍手をお願い致します」


拍手が聞こえる中、私達は手を取り微笑み合う。


するとウィルフォードが『右から三列目を見てごらん』と囁くので、私は目を向けたのだ。


すると、ラウル、ミレット、それに変装したベティニアまでいた。


まさか、参列してくれるとは思ってもみなかったので、嬉しい驚きで目を見開いてしまった。


それから私は、ヴェールで見えなかった、参列者の顔を眺める。


兄、メルティア、アグネス、アルマが祝福の拍手を送ってくれていた。


そして、兄の隣にいる父は、やっぱり泣いていたのだ。

それを今度は母が(なだ)めている。


陛下や王妃様、たくさんの方々が、笑顔で私達の新しい門出を祝ってくれているのだ。


こんなに嬉しい事はない。

喜びで胸がいっぱいになる。


「ウィル?私、本当に幸せだわ。

これは、夢じゃないわよね?」


「ははっ。夢な訳ないだろう?

たとえ夢だったとしても、何度でも同じ夢を見続けるさ」


「・・・それって、結局夢じゃない?」


「そうだけど、そうじゃない。

幸せになりたいと夢見る事で、一生懸命に頑張れるだろう?

だから俺は、何度でもフェアリエルを望むし、君から望まれる男でいたいと思っているよ」


「ふふっ。

そうね、私もそうありたいわ」


そうして私達は手を取り合い、二人で一緒に、初めての一歩を踏み出したのであった。





そして数年後・・・



「ウィル?

畑を見てくるわね」


「ああ。

今日は寒いから程々にな」


今日は外交の合間に、瞬間移動のマジッククレーで田舎の家へと来ているのだ。


・・・結婚してから4年。

毎日、充実した日々を送っている。



そろそろナスが収穫出来そうね。


秋ナスって美味しいのよね。

どうやって食べようかしら?


そんな事を考えながら、一休みする為にガーデンベンチへと腰掛けたのだった・・・。



(まばゆ)い光の中、子供が庭先で走り回って遊んでいる。

私はその様子を見守り、幸せからか目を細めた。


ずっと、思い描いていた光景が、そこにはあったのだ。


「・・・フェアリエル?

風邪を引いてしまうから、中へ入ろうか?」


ウィルフォードがそう言って、ブランケットを肩に掛けてくれた。


「・・・ええ、ありがとう。

私、寝てしまっていたのね」


「最近、眠たそうだが、体調は大丈夫か?」


心配をしてくれているウィルフォードに『大丈夫よ。それより、幸せな夢を見たの』と伝えた。


「どんな夢なんだ?」


私の肩を抱き、愛おしいという顔で問いかけてくれる。

そんなウィルフォードに、私も愛おしさが溢れていく。


きっと、人生が終わるその時まで、幸福な未来へと思いを()せるのだろう。



だから私達は夢を見る。

これから訪れるであろう、まだ知らない幸せに出会える事を願って・・・。


「ふふっ。それはね・・・」



後日談を最後までお読みいただき、ありがとうございます。

皆様の評価やリアクション、ブックマークは、大変励みとなっております。

そして、アルマ視点で描く、みんなのその後の物語を考えておりますので、もう少し、お付き合いいただければ嬉しいです。

今、連載中の物が、ひと段落してからの更新になるかと思いますので、少し期間が空いてしまいますが、気長にお待ち頂ければ、幸いです。

それと、連載中の【灰色王子の観察日記】も是非、よろしくお願いします。


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