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【本編完結】王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!  作者: こさか りね
後日談

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12

そうして案内された部屋は、とても豪華な一室だった。


バストイレ完備で大きなベッドとソファにテーブルが置かれている。


ネイトピア王国では、寝室とリビングは分けられているのが主流なのだが、こちらでは広い部屋に全てが揃っている事が普通のようだ。


「ここが2人の部屋だ」


・・・え?


そしてウィルフォードを見ると、苦虫を噛み潰したような顔をしている。


「ベティ?私達、まだ結婚していないし、用意してもらってなんだけど、別々の部屋にはならないのかしら?」


「別の部屋は止めた方がよかろう。

さっきマティニアに会ったのだろう?

いたく、エルの事を気に入っておったからな。

夜這いをされたくなければ、同部屋の方がいい」


そうベディニアが悩まし気に言うではないか。


私はその言葉に恐れ(おのの)き『一緒の部屋にするわ』と伝えたのだ。


すると、ウィルフォードから悩ましいため息が聞こえてきたのだが、聞こえなかった事にする。


きっと私と一緒じゃプライベート空間がなくて嫌なんだろうけど、ここは我慢してもらいたい。


「では、旅で疲れているだろう?

少ししたら晩餐だから、それまでは部屋でゆっくりしているといい。話はまた明日ゆっくりとしよう。

もちろん、ラウルも呼んである」


そう言って『では、またな』と付け加えて退室して行ったのであった。


部屋には私とウィルフォード。


さっきから一言も話さないのだが、相当嫌なのだろうか・・・。


それはそれで傷付くのだが・・・。


そして、顔を見ると久しぶりに見る、しかめ面をしていた。


「・・・そんなに嫌なの?」


私は悲しくなり伏し目がちで聞いた。


「いや、そうじゃない。

嫌な訳がないだろう。

・・・ただ、俺の問題だ」


そう言って、バツが悪そうな顔をしている。

すると、部屋をノックする音が聞こえたのだ。


晩餐にしては早過ぎる。


そして、ウィルフォードが扉を開けると、マティニアが入って来た。


「二人は一緒の部屋なのか?

ふーん。別部屋を用意させようか?」


やばい!

ベティが言っていた事が本当になりそうだ。


するとウィルフォードが『間に合っている』と言ってくれたのだ。


「ほう。

お前達は既にそういう関係か?

まぁ、私はどっちでもいいのだがな」


とニヤニヤしている。


やっぱり私、この人ムリ!

顔はベティそっくりなのに、嫌悪感が半端ない。


そして、私はウィルフォードの後ろにピッタリとくっついたのだ。


「マティニア。

俺の婚約者に手を出したら、ただでは置かない」


「ははっ。そうか。

そこの娘、気が変わったら、いつでも来るといい。

可愛がってやる」


ギャー!!

鳥肌が立ってしまった。


私は『結構です』と間髪(かんぱつ)入れずに口から出ていたのであった。


それからはウィルフォードがマティニアを追い出してくれたのである。


「フェアリエル、大丈夫だ。

アリステリアスに滞在中は、俺やベティニアの傍から離れないで欲しい」


「うん。分かったわ」


その後は晩餐に呼ばれ、食事中もマティニアに変な目で見られるので、せっかくの美味しそうな料理も喉を通らなかった。


だが、晩餐は今日と滞在最終日だけだ。

それ以外は部屋食となる。


なんとか微笑みを絶やさずに終える事が出来たのであった。


【そして夜】


「ねぇ、ウィル?先に湯浴みする?」


「あー。

・・・行ってくる」


そう言って早々と行ってしまった。


ベッドが一つしかないから一緒に寝るのよね?


そう思うとドキドキする。

抱き締めるぐらいのスキンシップならいいわよね?


ウィルフォードも言っていたが、私だって触れたいと思っているのだ。


一人ドキドキしながら待っているとウィルフォードが出て来た。


いつもとは違い、ラフな姿に目が離せない。


こ、これはいけないわ。

緊張してしまう。


するとウィルフォードが『俺はソファで寝るからフェアリエルはベッドを使ってくれ』と言ったのだ。


へ?


期待していた自分に恥ずかしくなってしまった私は、すごすごと風呂場へと向かったのであった。



【ウィルフォード視点】


マティニアのせいでこんな事になるとは・・・。


アリステリアスへの滞在期間は一カ月ほどだ。

その間、同室が続くのだが我慢が出来るのか不安になる。


少しくらいならいいのでは?と思いはしたが、前回のように怖がらせる訳にもいかない。


大切だからこそ、無理強いは出来ないのだ。


『ふぅ』取りあえず、先に湯浴みを終えてソファで寝れば何とかなるだろうと思い、俺はバスルームを後にしたのであった。


そして、フェアリエルが湯浴み中にメイドを呼び、ブランケットをもらってソファに転がる。


湯浴み後のフェアリエルの姿を目に入れるのも毒なので、俺は寝たフリをした。


すると、バスルームの戸が開き、フェアリエルが出て来た。


目を閉じているからだろうか。

音が良く聞こえる気がする。


「あれ?ウィルはもう寝たの?」


と独り言が聞こえた。


その後、フェアリエルは部屋の灯りを絞り、俺の寝ているソファまでやって来て『おやすみ』と言い、頬にキスを落としてベッドへと戻って行ったのだった。



なんだ?今のは・・・。

・・・可愛すぎるだろ!


思わず目を見開きそうになってしまった。


そして暫くすると、フェアリエルの寝息が聞こえてきたのだ。


俺は仰向けになり、天井を見る。


・・・耐えられるのか?・・・俺。


そうして夜が()け、朝方になっても眠れないのであった。




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