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【本編完結】王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!  作者: こさか りね
後日談

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10

そして次の日


・・・一睡も出来なかったじゃない。


カーテンの隙間から漏れる日差しを見ると、目にしみて痛い。


どんな顔をして会えば良いんだろう。


あんなウィルフォードは初めてで、少し怖かった。


そう思っていたら、メイドにあれよあれよと言う間に、用意をされ、(しばら)くしたらウィルフォードがやって来たのだ。


ウィルフォードは部屋に入るなり、メイドに下がるように伝えている。


き、気まずい。

・・・それに、ちょっと怖い。


そう思っていたら、ウィルフォードが目の前へとやって来たのだ。


「フェアリエル、昨日は驚かせてしまって悪い」


そう言うウィルフォードは、いつもの彼だった。

私はそれに安堵し『うん、大丈夫』と笑顔で返事ができたのである。


だが、そんな私の様子を見ていたウィルフォードが苦言を呈した。


「それと、あまりに無防備な姿を見せられると、どうしていいのかが分からなくなる。

俺だって我慢しているんだ。

昨日は踏みとどまれたが、次は分からない。

だから、覚悟が無いのなら、(あお)らないでくれ」


そう悩ましく、眉間に皺を寄せた顔で言うウィルフォードに、私は首振り人形の如くコクコクと頷いたのだった。


それからは、今日の予定の確認など、いつも通りに進んで行く。

今日はそんなに忙しく無いので、家へと帰れそうだ。


すると、ウィルフォードが昨日の用件を話してきた。


「兄とディアナの事なんだが、無事に婚姻が出来る事になったんだ。

だから、その礼をしたいと言われているんだが、何か欲しい物はあるか?」


欲しい物・・・。

どうしよう。何も思い浮かばない。


返答に困っていると、ジッと待っているウィルフォードが口を開いた。


「田舎に家を建ててもらうのは、どうだろうか?」


「・・・!?

いいの!?」


「ああ。もちろんだ。

場所と内装はこちらの自由に出来るように、兄に話すよ」


嬉しい!

やっと、田舎に自分達の家が持てるのだ。

内装や庭、植える野菜など、想像が膨らむ。


自分の世界へと旅立っている私に、ウィルフォードが続けて話し始めた。


「嬉しいのは分かるが、もう一つあるんだ」


そう言ってニヤリと笑い、勿体(もったい)付ける様に話して来たのだった。


「あと半年後には婚姻するだろう?

すると、俺達は外交をしないといけなくなる。

その前に練習として、2ヶ月後、アリステリアス王国へ親善大使として行く事になったんだ」


「え?本当に!?」


『ああ』と笑顔で頷くウィルフォードを見ると、本当のようだ。


約1年ぶりにみんなに会える。


嬉しいニュースが立て続けに聞けて、天にも昇る気持ちになったのだった。


その後は、フェイマス王子に家の件の了承を得て敷地や内装を考えたり、結婚式の準備を進めたりしながら公務に励んでいると、あっという間に2ヶ月という月日が経った。


そして明日から、アリステリアス王国へと旅立つ。

ラピスライト合同国より遥かに長い道のりになるので、護衛含めて馬車5台で向かう事になったのだ。


そして私は、明日を楽しみにしながら、王宮の自室にて就寝したのであった。


【次の日】


雲一つない冬晴れに、深呼吸をする。

すると、冷たい空気が肺に入り、気分がスッキリとした。今日は、絶好の旅日和(たびびより)だ。


アリステリアス王国は年間通して暖かい。その為、服装は夏物と冬物、半々で用意したのである。


今回は親善大使と言う名目なので、異文化交流が主となる事から、ベティニアが来ていたアオザイみたいな衣装にも袖を通せるのか、今から楽しみなのだ。


そして、朝早くから私とウィルフォードは馬車に乗り込み、他愛ない会話をしていた。


最近は忙しくて、公務や予定の話ばかりだったので、何だか嬉しく思う。


毎日、こんな日が続けばいいのに、と考えてしまうほど、穏やかな時間が流れていた。


そして話は結婚式の事になったのだが、実は、1番張り切っているのが王妃様だったりする。


最近は、母も王宮へと出向き2人で色々と話しているそうなのだ。


私は、特に(こだわ)りが無いので、任せられるのなら、任せたいと思っていたのである。


なので、私の準備はドレスの試着のみなのだ。


自分主体で結婚式の準備とか、到底出来そうにないので、大変、ありがたい。


そんな話を聞いているウィルフォードは優しく目を細めている。


あと4ヶ月で夫婦になる私達。

すると、あの時の事が思い起こされた。


前世の知識で知ってはいるが、恥ずかしながら、体験した事はない。


結婚するって事は、あれよね?

あの時の延長線上の様な事をするのよね?


もちろん、あれ以来そう言う接触はない。


だから忘れていたのだが、あの時のウィルフォードの色気は(すさ)まじかった。

油断したら、鼻血が出そうな程だ。


また、アレと相見(あいまみ)えるって事は・・・。


・・・私の心臓、耐えられるのかしら?


途中で心臓発作とか洒落にならない。

今から耐性をつけておいた方が良いのではないかと思ったのだが、怖くて出来ないフェアリエルであった。


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