表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スラムの転生孤児は謙虚堅実に成り上がる〜チートなしの努力だけで掴んだ、人生逆転劇〜  作者: 鳥助
第一章 スラムの孤児

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/137

6.ゴミの回収(2)

 北側の門を潜ろうとすると、鎧を着た門番に止められる。


「なんだ、ガルドじゃねぇか」

「よぉ。仕事で来た」

「仕事ってお前……」


 どうやら、この男性はガルドという名前らしい。そのガルドと門番は顔見知りのようで、二人とも気安い感じで接している。


 その門番がこちらを見て、少し顔を険しくした。


「それ……スラムの子供じゃねぇか。どうしたんだ?」

「いやな、良いことを思いついたんだよ。俺の仕事を変わりにやってもらえれば、楽出来るってな」

「お前……委託された仕事をスラムの子供にやらせるのか? おいおい、大丈夫かよ。役所から何か言われるんじゃねぇか?」

「大丈夫だって。あいつらがゴミ処理の事を気にかけていると思うか?」

「まぁ……そんな汚くて臭い仕事には関わりたくないなぁ」

「だろう? 誰も見ていなかったら、誰がやったって文句は出ねぇ」


 どうやら、このゴミ処理の仕事は役所からの仕事らしい。ということは、領が管轄する仕事ということ。そんな大きなところからの仕事……私なんかがやっても大丈夫なのだろうか?


「だからよ、このことは内密に……な! 今度、門番たちに一杯奢るからよ。今度から、このスラムの子供を通してやってくれねぇか?」

「だったら、今日奢れよな。じゃなかったら、明日から通さないぞ」

「分かった、分かった。後で迎えにくるから、頼むわ」

「なら、通って良し。一応、アレを確認してもいいか?」

「ほいっと」


 ガルドが紐のついた小さな木の板を見せた。それを門番が確認すると、了解したように頷く。


「ちゃんとバレないようにやるんだぞ」

「分かってるって! じゃー、行くぞ」


 ガルドが森に向かって歩き出すと、私もその後を追う。町から出るのは初めてだ、ちょっとドキドキする。


 町の外には魔物が住んでいて、とても危険だ。そんな中、森の中にゴミを捨てに行かなくちゃいけないのは身の危険を感じる。


 心なしか、ガルドの歩幅が広く、足の動きが早くなっているように感じる。やっぱり、町の外の世界は危険だから、少しでも早く仕事を終わらせようと考えているのだろう。


 私もそのガルドに遅れないように精一杯台車を押してついていく。疲れたなんて言ってられない、自分の命がかかっているんだから力の出し惜しみなんて出来ない。


 ――そして、三十分後。


「ついたぞ、ここだ」


 ガルドが立ち止まった先を見て見ると、ぽっかりと開いた穴が見えた。


「おーおー、毎度の事だがちゃんとゴミが処理されているな。怖ぇー」

「何かあるんですか?」

「このゴミは誰が処理すると思う?」

「……分からないです」

「森に棲んでいるスライムが食べるんだよ」


 ゴミってスライムが食べる物なの!?


「あいつら、雑食性だからなんでも溶かして食っちまうんだよ。人間様が出すゴミには色んな物が混じってあるから、美味しいんだろうな」

「驚きました……」

「だから、ここに来たら早くゴミを捨てて立ち去った方が良い。人間がいると、そっちのほうが美味しそうだから近寄って来るんだよ」

「ち、近寄って……」

「もたもたしている内に木の上から突然落ちてきて、体にへばりついて、溶かされて食われちまうぞ」


 ガルドは人をからかうようにニタニタと笑いながらそう話した。その話を聞いて、背筋が凍った。そんなことになったら、死んじゃう!


「あっはっはっ! ビビっているな! だから、早くゴミを捨てるぞ。台車の箱の下にストッパーがある。そこを開けて、ゴミを穴に入れろ」

「は、はい!」


 私は急いで台車の箱の下にあるストッパーを外した。すると、箱の全面が開き、箱の中に入れていたゴミが雪崩のように穴に入っていく。最後に台車を傾けてゴミを全部穴に入れると、ストッパーをかけた。


「よし、捨てたな。じゃあ、また町に戻るぞ。ゴミ処理の一連の動きは分かったか?」

「はい、大丈夫です」

「なら、その繰り返しをして一つのゴミ箱を空にしろ。そうしたら、報酬の五百セルトは渡してやる」


 ゴミ箱一つ空にすると五百セルト……。黒パンが一つ五十セルトで肉の串焼きが百五十セルト。頑張れば、まともな食べ物にありつける!


「俺は家に帰っているから、終わったら家に来てくれ」

「あの……家の場所はどこですか?」

「あー、それも教えないといけないな。通りを歩きがてら教えてやるから、ついてこい」


 そう言って、歩き出すガルド。私は置いて行かれないように、台車を押してついていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新連載!

この世に一人だけの錬金術師~物作り好きのゲーマーが家族のためにアイテム革命起こします!~

コミュ障クラフターの私、引き継いだ能力が異世界では規格外すぎて無自覚に無双してしまう件~地味に暮らしたいだけなのに、なぜか注目されて怖いんですが~

【短編】転生鷹匠、戦乱の異世界で最強の相棒と成り上がる

旧作

転生難民少女は市民権を0から目指して働きます!

転生少女の底辺から始める幸せスローライフ~勇者と聖女を育てたら賢者になって魔法を覚えたけど、生活向上のため便利に利用します~

追放を計画的に利用して自由を掴んだ王女、叡智と領地改革で無双する

転生したら魔法が使えない無能と捨てられたけど、魔力が規格外に万能でした

スラムの転生孤児は謙虚堅実に成り上がる〜チートなしの努力だけで掴んだ、人生逆転劇〜

ゾンビがいる終末世界を生き抜いた最強少女には異世界はぬるすぎる

元社畜はウィンドウで楽しい転生ライフを満喫中! ~ゲームのシステムを再現した万能スキルで、異世界生活を楽々攻略します~

異世界喫茶で再出発ライフ

ゴミスキルだと捨てられた少女たち、実は最強の生活能力スキルだったので気楽なスローライフ冒険旅を満喫する

推し命の転生者、弱小ポンコツな推し神様のために万能な推し活パワーで騎士爵領を大領地にする

過保護なお姉ちゃん系王女を救うために何度も死に戻っていたら、全部バレていて曇らせてしまった

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ