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新青天の霹靂  作者: まめ
第四章 日向の家族殺される
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青天の霹靂41(日向の家族殺される4)

「君たち、ちょっとイイかな?」

何か小綺麗な男の子が声をかけて来た。

「ええ」

あっさり冬眞は後ろをついて行く。ついて行くと、柄の悪そうな少年達に囲まれた。

「好き放題やってくれて、どうも」 

「良かった」

冬眞がニッコリ笑って言えば、舐められていると思い牙を剥く。

「ふざけんな、てめぇ」

「いえいえ、ふざけていませんよ。彼方達こそ、殺しをやって、その金で遊べると思っていませんよね。それこそ、ふざけているとしか思えません」

「な、何いってやがる」

予想外のことを言われ、彼らは固まる。

それもそうだろう。

まさか、こんな所で、自分達の犯罪が暴かれるとは、思っていなかったのだから。

「分かりませんか? ご自分達のした事なのに?」

「何の事だ?」

焦ったように、男達は言う。

「それは、如何言うことだ?」

「あっ、橘さん。何でもありませんよ」

奥から細面の男が出て来る。

どうやら、この男こそが彼らを仕切っている男のようだ。

だが、彼も知らなかったらしい。

「お前達、何をした?」

「何もしてませんよ。嫌だな」

顔の前で手を振り、慌てて否定する。

橘に言われた男は、男達を殴り飛ばす。

「貴様ら、またやりやがったのか?」

どうやら、盗みに入るのは始めてじゃないらしい。

橘の言葉を信用するなら、これまでに何度もやっていたのだろう。

「彼らは今回、取り返しのつかないことをしました」

冬眞は眉をひそめて言う。

「こいらは何をした?」  

橘は聞く。

「ただ俺たちは、敵を取っただけですよ、橘さんの」

「そうね。敵をね」

「こいつらは何をやった?」

「日向家を殺したのよね」

廉夏の言葉に橘は固まる。

「誰がそんなこと頼んだ。日向の旦那とは、もう話がついてるんだ」

それに、冬眞は答える。

「うわ~、先走りし過ぎましたね。彼らは日向さん家族を殺害しました」

橘は驚いたように、冬眞を見る。

「まさか?」

「本当よ。それも押入れに隠れていた子供の目の前でね」

廉夏は、責めるように言った。

それを聞いた橘は、自分の部下を殴る。

「お前ら、手を出したら、もうどんな言い訳も通用しないと知れ」

「ふざけんな、いつもいつもあんたは口だけで何もやらねぇじゃねぇか? あんたは卑怯何だよ」

「言いたい事はそれだけか? 他の奴も俺に言いたい事のある奴はそこに並べ聞いてやる」

そう言った彼の言葉に、人が動く。

「面白いわね。動いたのは若手の子だけよ」夏海は、クスリと笑う。

「ええ。今回で分かるでしょう? なぜ、いつも動かないのか?」

「そうね」

廉夏達の想像通り橘によってのされ、屍の山が出来上がった。

冬眞はそれに、口笛を吹く。

そして、橘は、冬眞達に頭を下げる。

「俺の責任だ」

それに、廉夏は頷く。

「そうね。彼方の責任ね」

それを聞き、それまで大人しかった橘の横に立つ、廉夏達を迎えに来た男がいきり立つ。

「このアマ、ふざけんな」

「上に立つなら、下に責任を持つのは当然なのよ。それが取れないなら、上に立つのを辞めるのね。上に立つってそう言うことよ」

廉夏は負けじと怒鳴る。

「違いねぇ」

橘は笑いながら、頷く。

「でも、お前厳しいな」

「当然でしょう。私には自分の全てをかける相手がもういるもの」

そう言って、冬眞を見る。

「あんたも大変だな。この女からは、逃げられねぇ

「逃げるつもりもありません。それが、この人を妻にした時に私が決めてたことです。本気で戦おうと」

「戦う? 何か物騒だな」

そこに引っかかったようだ。

「ええ、私はこんな運命を用意した神に勝ちますよ」

「神に?」

「ええ、とても、複雑な運命を用意してくれた」

「ふ~ん、何か分からねぇが大変そうだな。って、妻?」

ようやくそこに気付き、冬眞は遅いだろうと思うのだった。

苦笑いしながら、冬眞は言う。

「彼らをこちらにもらえませんか?」

「いいぜ、ただし、ここに警察を呼べ自首なんかさせてやらねぇ」

キッパリ言い切った。

それに、冬眞は驚く。

逆に出頭にしてくれと頼まれるかと思っていたからだ。

「厳しいのですね?」

「厳しいか。こいつらは人間としてしてはやってはならぬ事をした。その時点で救いなど貰えない」

「なるほどね。まぁ、もう事件になっていますから、警察に行ったとしても、自首扱いされて、刑が軽くなることはありませんけど」

そして、橘は横にいた男に、警察を呼ぶよう指示する。

それを聞き、罪に手を染めた少年達は、焦る。

「ま、待って下さいよ。俺たちはただ、遊んでいただけで」

「遊んでいただけだから、許せって。それは無理な相談だな。この世には、全て遊びで終わらせられると思うな。ただ、遊ぶ金欲しさのために、人の命を奪うなんて、絶対やってはいけないことだ」

それを聞き、少年達はうなだれる。

廉夏達の方を向くと橘は、頭を下げ、

「すまなかった。俺がトップを張る資格はないな。あんたの言葉は耳に響いたよ」

「彼方のこれからの役目は、きちんと導いてあげることよ。外れたくて彼らも外れた訳じゃない。そう言う彼らを戻してあげる事こそが、彼方の役目よ」

そう言うと、橘はハッとしたように、廉夏を見る。

そう言って廉夏はゲーセンを後にした。

両手に沢山のぬいぐるみを持って。

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