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新青天の霹靂  作者: まめ
第三章 短編集
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青天の霹靂34(アイスクリーム屋で)

「おごりますよ」

冬眞がそう言うと、廉夏は嬉しそうに言う。

「やっぱり冬眞には、そう聞こえてたんだね。ありがとう。あっ、行くなら駅前のね」

そのアイスクリーム屋は、今巷で、大人気のアイスクリーム屋だ。

入るのにも並ぶくらいである。

「分かりました。じゃあ、行きましょう」

「ヤッター」

だけど、その着いたアイスクリーム屋は変な緊張感に、包まれていた。

何故か、客がいない。

っていうか、入れない客が店の前に沢山いた。その理由はすぐ分かる。

さらに、その客が思わぬ事件を起こすこととなる。

「何にしますか?」

「えっとね、クッキー&クリームでお願い」

「分かりました。でも、シングルで宜しいのですか?」

「ぜんぜん良いよ。あっ、コーンでね。カップなんか駄目よ」

「分かりました。では買ってきます」

「サンクス」

そう言って、夏海は空いてる席に着く。

他には、客は1組しかいない。

その客が異様な雰囲気を醸し出している。

買って、戻ってきた冬眞は言う。

「何か、雰囲気悪いですね。外で食べますか?」

「何で? 外だと暑いよ」

そう言ったときにその男が女を思いっきりつ。

「ちげぇよ。これじゃねぇよ。買い物も満足に出来ないのかよ。てめぇは」

「ご、ごめんなさい、すぐ買い直すから」

そう言って、アイスを持って、女の人は走っていく。

女の人の唇から血が出ている。

それだけで、店の雰囲気は最悪だった。

店員さんもどうして良いか分からず、オロオロするばかりだった。

「はい、これで良かった?」

「ああ、これだこれ」

男は食べ始める。

すると、男は急にアイスを床に落とす。

「ウッッ……」

「どうしたの? リュウ君」

首を押さえる。

そして、男は呻き、血を吐き、最後には倒れる。

「キャー」

と、一緒に来ていた、女は叫ぶ。

泣いてすがり着こうとしたのを冬眞が止める。

「何で?」

女性は冬眞を睨む。

「これは、事件性がありますから。触らないで下さい。すいません。ちょっと、離れていて下さい。廉夏時間を」

「もう、抜かりはないよ。12時36分」

「ありがとうございます。と、言うことは、お昼を食べてそう時間は経っていないわけですね」

そう言って、男性の首に触れる。

そして、ゆっくり冬眞は首を振る。

「もう、助からない?」

「ええ、もう亡くなっています」

「そう?」

廉夏はそれを聞いて、男の見開いた目を閉じる。

女の人は、崩れるように座りこんで泣く。

「劉君」

「死因は多分、エタノールでしょうね?」

「エタノールって、あのお酒に使われているやつ?」

「ええ、そうです。だから、毎年中毒患者が出るんです」

冬眞が断言する。

すると、冬眞の言葉に女の人は驚く。

「何故そんなことが?」

「多分、毒を飲んだのはもっと前と考えると、毒が効くまでにだいぶ時間が経っていることからも推察できます」

冬眞は言う。

「な、んなの?」

「ただの社会人です」

「冬眞は、これをどう読み解く?」

「どうとは?」

「店にあるのに最初っから、毒が混ぜられてたのかな?」

「いえ、混ぜられてたとしたら、もっと、被害者が出ているはずです」

店員さんも慌てる。

「他に被害者は出てません。この店のモノは全て安全です」

自信を持って言う。

「それに、エタノールなら、殺すのに時間がかかります」

「と言うことは、あれだけに混ざっていたということになりますね。どうやって混ぜられたのかが、疑問ですね」

廉夏が店員さんに言う。

「すいません、彼と同じアイスを一口、もらえますか?」

言われた店員は、廉夏にすぐにスプーンでアイスを取る。

そのスプーンを渡す。

「はい、これでいいですか?」

「全然、良いです。私が食べるだけなので」

スプーンを受け取ると、廉夏は躊躇わず、舐める。

みんな緊張したように、廉夏を見つめる。

「う~ん、美味しい」

ニンマリ、廉夏は笑う。

「つまり、ここにあるアイスは関係ないんですね」

「うん、全く。こっちには、毒は混ざってないよ」

「どうしてそんなこと、言えるのよ」

まるで、ムキになったように女の人が言う。

「まるで、これに毒が、入ってたと言われたいみたいね」

「そんなこと……」

「じゃあ、なんて言われたかったの、被害者さん」

廉夏は彼女の腕を取ると、袖をメクる。

そには、青あざだらけだった。

冬眞は目を見張る。

「DVね」

「ということは、毒は、毎日ちょっとずつ食べ物に混ぜたんでしょう。それが今日、規定の容量に達しちゃったっていうわけですか? 多分、今日の昼にも混ぜたのかな?」

「なんなの。なんなのよ~」

泣き叫ぶ女に、冬眞は再度言う。

「だから、ただの、社会人ですって」

「だって、もう、我慢できなかったのよ」

「だったら、逃げれば、良いじゃない」

「逃げると、泣いて謝るの。暫くはすごく優しいの」

「それで、許しちゃうって。典型的に男を駄目にするタイプね」

「廉夏、言い過ぎです」

冬眞が怒る。

「ごめんなさい」

廉夏が謝ったことで、初めて冬眞は気づく。

「僕こそごめん。強く言い過ぎました」

「ううん。新鮮だった、男らしい冬眞も格好良かったよ」

「いいな。そんな格好いい彼氏がいて」

泣きながら笑って犯人の女性が言う。

「ううん。彼氏じゃない」

「じゃあ、友達?」

「違う。旦那」

「ええ~。私より、年下だよね?」

「16だけど」

「やっぱ、年下だ」

「多分、このままいけば、情状酌量の余地があるから、刑は軽くなるんじゃないかな。出てきたら新しい人探しなよ」

「見つかるかな」

「あなたがイヤなことはイヤと言える勇気があれば、見つかるよ」

廉夏は言う。

そこに、店からの通報で警察も到着する。

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