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新青天の霹靂  作者: まめ
第二章 オープン記念パーティーで
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青天の霹靂21(冬眞と廉の話し合い3)

廉はスーツの内ポケットから煙草を出すと、ライターで火を付ける。

それを見た冬眞は驚く。

「廉さんが吸われるの初めて見ました」

「そりゃそうだろ。見せてないからな。ただ、今回は吸わずにはいられない。悪いな」

そう言って、冬眞のいる方とは、逆に煙を吐く。

「いえ、僕も中学の頃やっていたんで、心配無用です」

廉は驚いた顔をする。

「何を吸ってた?」

「その頃かっこいいと言われていたのは、マイルドセブンだったので、それですね。廉さんは何を?」

「俺はハイライト一本だ」 

「うわ~、きついですね」

「そうか? 慣れると別に重くないし、年と共に軽くなっているよ」

「う~ん、やはり僕には重いイメージですね。そう言えば、その、俺っていうのも良いですね」

笑って言えば、廉は苦笑いで言う。

「社会に出れば、お前も自然とこうなるさ。でもプライベートまで、やっていられるか」

破棄捨てるように言う。

「でも、家でもそうですよね」

「廉夏がいるからな」

廉は言う。

「お前も吸うか?」

煙草を差し出された。

冬眞は頭を下げて、一本もらう。

「じゃあ、一本」

こちらも慣れた仕草で煙草を燻らせる。

冬眞は顔をしかめる。

「やっぱりきついです」

それを聞いて廉は笑う。

「じゃあ、止めとけ。無理してまで吸うものじゃない」と、言われ、火を消した。

それを聞く、限り廉夏の前でも、装っているってことか? でも、なぜ? そして、冬眞はハッとする。

「廉夏を思ってですね?」

それに、面白そうに廉は笑う。

「なぜ?」

「いくら、親と接する時間が短かったとは言え、廉夏には、やはり親です。その親を亡く

して、精神的に弱くなっている廉夏を思ってですね?」

「それこそ、なぜ?」

「人は現金なものです」

「どう?」

「バカに出来る者を見付けると、途端にイヤなことを忘れてバカにするってことでしょう。弱くなった廉夏に豪造さんがあまり、出来る人間だと思わせないことで、廉夏が壊れるのから、守ろうとしたんでしょう?」

「よく分かったな」

廉が感心したように言う。そして、廉は意を決したように言う。

「廉夏は一度壊れかけたことがある」

冬眞は驚いたように聞く。

「えっ、いつ?」

「両親が亡くなり、暫くした頃だったよ。いや、亡くなった頃から、廉夏は可笑しかったんだ。俺の膝から、まず下りない。で、極めつけは無表情」

「何か、今の廉夏からは想像も出来ません」

「だろ。今は、表情豊かになったよ。でも、あれは恐怖だぞ」

「凄い分かります」

「で、事件が起きる。俺がトイレ行っている間に廉夏が行方不明になるんだ。どうやら、両親の亡くなった場所に行けば会えると思ったんだろうな。で、俺達は捜し回った。お前のご両親は両親を守れなかった責任を取り、辞めたんで、その頃家のSPじゃなかったけど、捜してくれて、廉夏を自分達の身を呈して守ってくれた。お前の ご両親は最高のSPだ。胸を張れ」 「張れませんよ。だって、廉さん達のご両親を守れなった」

「でも、廉夏を守ったのは紛れもなくお前の親だ。俺は感謝してるんだ」

「止めて下さい。あなたに頭を下げさせたことを親が知ったら、間違いなく張り倒されます」

「じゃあ、お互い感謝も謝罪もなしにしよう」

「ですね」

そして、疑問を冬眞は口にした。

「それより、どうして、あんなにまで教会を壊したかったんですかね」

「たぶん、間宮なんかに大切な教会を使われたくなかったんだろうな」

「そうかもしれませんね。でも、こうなったら犯人の出方を待つしかありませんね。そう考えると、廉夏に言われたことがわかります」

「何て言われた?」

「歴代の探偵と名を馳せた人物。例えば、金田一幸助しかり明智小五郎しかり、彼らは、事件が、起こらないと何も出来ないと。名探偵と言われている者に事件事態を起こさせないってことは難しいことなんですね。僕がやろうとしていることは。事件前に止められた探偵はいないと」

「まさに、正論だな」

「僕はそれが、歯痒くて仕方がない」

「こればかりは、己の心を納得させるしかないな。俺は起こってから、解くのもいいと思うが」

「やはり、兄妹ですね。同じことを言ってます」

冬眞は笑った。

それに、廉は怪訝な顔をした後、ニヤリと笑って言った。

「でも、次は相手がどんな手で来るのか考えると面白くないか?」

「面白いですか?」

「ああ、ここ最近いなかったからな。みんな京極の名に恐れて、ぶつかって来ないのが、ほとんどだ。面白くないよな。その中、今回の犯人は気概があると思うぜ」

「気概ですか? 京極の名に恐れを抱いていると言うより、廉さんに恐れているんじゃないですか?」

そう笑いながら冬眞は言う。

「お前も言うな」

不適な笑みを廉は浮かべる。

「でも、犯人の狙いが間宮家にあるなら、一番の狙いは当主ですよね」

その時、寝室がにわかに、騒がしくなりドアが開く。

こうなっては話続けるのは無理と言うもの。

だから、廉が冬眞に耳打ちする。

「後でな」

冬眞は頷いた。

そして、廉夏の第一声に冬眞は笑った。

「ヤバい。ケーキ無くなっちゃう」

「無くなんないですよ。もう大丈夫みたいですね」

「別に撃たれたわけじゃないわ」

頬を押さえて、夏海は言う。「ただ、かすっただけよ。別に撃たれてないわ」

「でも、かすりましたよ」

「かすっただけでしょう。それより、ケーキ、ケーキ。まずチョコでしょ、それからフルーツがたくさんのったタルトいって、そのあとにショートケーキにチーズケーキ。それからそれからあと何があるかな?」

「後は、モンブランとかですかね?」

冬眞が言う。

「あっ、モンブランも食べなきゃ」

「そんなに、食う気か」

廉が呆れたように、聞く。

「当然でしょう。ケーキを食べずして、何のために命狙われてるのにここに来たと思ってるのよ」

廉夏は胸を張る。

「ケーキのためでは、ありませんね」

冬眞にそう言われて、廉夏はブスくれる。

それを見て、廉は笑う。

「でも、お前が守るんだろう?」

「守りますよ。でも、自業自得の人は放って起きます」

きっぱり冬眞は言った。

「え~。守ってくれないの?」

「当然ですと言いたいところですが、守りますよ。これは僕の両親が出来なかったことですからね」 

苦笑いして冬眞は言う。

「僕はやり遂げてみせます」

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