雲郷、屋上にて
ふむ。
ふぅ……。昼休み、のんびりする俺はやんごとねぇ……。
さぁて、もう先に言っとくぜ? 俺は漏れている!
そう!※この時雲郷、漏れてます!
ふぅ~。たまにはこうやって、屋上で秋風校長のサボりを見るのも良いもんだぜ……。
ん? 屋上に先客がいたのか。気づかなかったぜ。気晴らしにそいつと話でもしようかな……てか、あいつは!
「平田凡夫じゃねえか!」
平田凡夫! 雲郷と同じクラス! 奇人変人、秀才奇才が集うこの高校では珍しく、猛勉強の末、この高校に入ってきた、容姿・身体能力・頭脳に至るすべてが平々凡々な常識人である! それゆえに影は薄く、雲郷のクラス以外の生徒には、あまり知られていない! だが、人柄は良く、その朗らかさゆえに雲郷含め、同じクラスからの人望は厚い!
「どうしたんだよ? 平田! しけた顔しやがってよぉ! まさか、漏らしでもしたのか!? はっはっは!」
※この時雲郷、漏れてます!
「ははは! 元気づけようとしてくれたんだね! ありがとう! 実はさー、この学校やめようかなって……。」
おお……。存外、思いつめた顔をしてんじゃねえか…。本気なんだな。だがよぉ……
「なんでだ? せっかく、努力してこの学校入ったんだろ? もったいなくねえか?」
「うん……。この高校に入りたくて、入ったんだ。ありえないほど努力して、寝る暇もなく勉強して。そして受かった。僕は平々凡々だと思ってたけど、もしかしたら結構優秀なのかもしれないとも思った。でも、それは夢だった。」
「夢?」
「そう、夢。入った後は大変だった。とてもじゃないけど、みんなについていけなかった。勉強は難しいし。体育とかでは、みんなができる競技も僕だけはできなかったりした。その結果、影が薄くなって、僕だけ運動機能検査や身体測定、健康診断が忘れられてたりね……。」
ま、まじかぁ……。あの先生方が忘れるって相当な影の薄さだぜぇ……。だけどよ! 俺はわがままなんだよ! 大好きな平田に学校を辞めてほしくねえのさ! 俺のわがままだけどな! だからよ!
「ばっきゃろー!!!」
平田の頭に拳をポンと置く。
「俺だって、最初っから超絶ハイスペックイケメンなわけじゃねーぜ! 勉強、トレーニングを経て、超絶ハイスペックイケメンになったのさ! だからよぉ、平田! 俺と一緒に勉強とトレーニングをしようぜ! 辞めるのは、それからでも遅くないんじゃねーか?」
「う、雲郷君……。」
良かったぜ! ちょっと、元気が出たみたいだな! 笑顔が戻ってきやがった!
「だからよぉ……。弱音を漏らすんじゃあねえぜっ!」
※この時雲郷、漏れてます!
雲郷、勝利!!!
こういうシュールなの、やってみたかった……!




